私も異世界に転生してみたい ~令嬢やめて冒険者になります~

こひな

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37、慣れほど怖いものは無い

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マルスさんのあのウワサ『王族なのでは……』なんてウワサ……ホントなのかしら?
手の平に乗せられら大金貨を見て思う。


普通の人、こんなの持ち歩かないからね?
まぁ、Aランクの冒険者だからって言うのはあるかもしれない。大きい依頼っていうのもありそうだし。
けどね?普通のお店にお買い物行っても、断られるくらいのお金よ?


思わずしおしおと項垂れるマリーさんに視線を向ける。
パーティーを組んでいるんだし素性は知ってるよね?それに、さっき謝られたし。


「マルスは………………あの……アレです……何と言うか……そう……アレです『気が大きくなる』ってやつです」


どうも"無理矢理こじつけた挙句、思いついた"というのと、言った後の"言ってやったぜ"かんが凄くて更に疑ったけど、私がどうこう詮索してもどうにもならない。
パーティーを組んでどのくらい等々、細かいことは聞いていないし聞かない。
信頼してくれたら話してくれるだろうと思うので、タイミングは二人任せ。
ちなみに、パーティー名は特にないらしい。
パーティー名の記入の時になかなか決まらず、挙句に空欄で出してそのままらしい。
なので、ギルドでは「マルスんとこのパーティー」と呼ばれているらしい。
もしかして、ギルドの中ではそれが定着している可能性が高く、パーティー名自体が『マルスんとこのパーティー』になっている可能性もあるけど、そこは知らぬが仏だ。
恥ずかしい厨二っぽい名前よりは全然マシだ。


そんなこんなあったけどとりあえず、しおしおしていたマリーさんと共に、モックの街の繁華街にお出かけの私。
一人で行こうとしたら、すっごい形相で止められて一緒に行くことを了承させられたけど、そろそろ私も一人での行動になれないと独り立ちができないのに……と思うけど、いてくれると心強いのも確かなので、今日はお言葉に甘えた。


「この街には図書館ってないのかしら?あっ…でも本屋さんが並んでいる通りはあったわよね?」


とマリーさんに話をするも……きっと傍から見れば、私が一人ペラペラしているように見えるんだろうか?
なんて思いつつ何故か私の少し後ろを歩くマリーさんに同意を求める。


「ねぇ……別に二人並んで歩ける道幅はあるわよね?なんで私の後ろを歩くの?」


これではお嬢様時代と同じではないか……と言おうとしたら、「お嬢様……口調が元に……」と言われ慌ててマリーさんの話を遮る。あぶない……習慣とは怖いものだ。
こんな所でお嬢様なんてバレたら洒落にならない。
まだ王都から然程離れていないのだから注意せねば……。


そんなこんなで二人でブツブツ言いながら、目的の通りに到着。
なんだかな……場所も格好も違うのに、二人でいるといつの間にかジュリエッタに戻ってしまう。
注意しないと。ホントに。あのお母様のことだ、謹慎程度でへこたれるわけはない。
ため息をつきつつ、通りの一番奥……怪しげな本屋さんに足を踏み入れる。
結構こういう店に掘り出し物ってあるのよね~♪
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