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65、これでも女子ですが……

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禁断の関係ー……


決して忌避感からの言葉ではないのが前世と違うところ。
この世界は一般的に同性との結婚も禁じられてはいない。


ちなみに、この世界の婚姻制度は一夫一婦制……パートナーは基本的に一人のみ。
そこは前世である日本と同じ。
ただどうしても子を成すには異性でないと難しいこともあるので、同性と婚姻した者異性のパートナーとの重婚もOKという……なんだかおおらかな婚姻制度だ。


ただやはりそこは人間。
元のパートナーと協議に協議を重ね、新しいパートナーを持つことに決めた場合でも、大部分の人がどちらかのパートナーと離別している。その辺はやっぱり、誰しも誰かの特別になりたいのが本音なんだと思う。


なので、この世界の人は同性との婚姻を隠し、侍従や部下、侍女として傍に置いたりして好いた相手を囲い、その一方で、後継者をもうける為、妻や旦那とは普通の婚姻生活を送るという人も多くいる。


なので、ジュリが男だったとしても非難される言われはないのだけど…………。


「このご令嬢は……ジュリ様をロイス様の近くから排除したいのではないでしょうか?」


ボードウィルさんの言葉に、初めてロイス様と王城に行った日のことを思い出す。
考えてみれば、あの日以降から嫌がらせがあった。嫌がらせをして、ロイス様の傍から排除するつもりだったのだろうか?


色々考えていたら、ロイス様から『覚えがありそうな顔をしているな…』と言われたので、城に行く度に自分に起こっていたことを話した。


初めて城に行った日の強い強い視線のことも含めて全て。


まぁでも、こうやって話をすると特に大きい嫌がらせはない……と思う。数回に渡って何度かあった嫌がらせは、虫やカエルなどがどこからともなく現れて、頭上から降ってきたこと。


私だって虫は嫌いだしカエルも怖い。けど、冒険者として薬草採取などをしていると、ちょっとやそっとじゃ驚かなくなる。


怖いのは変わらないけれど。


一度目は芋虫のような足のない昆虫系。
二回目はコウロギやバッタの跳ねる系。
三回目はカエルだった。


きっと頑張って昆虫採集に勤しんだのだろう。幸いヘビは出てこなかった。たぶん、準備していた使用人がいろんな意味で限界を訴えたのだろうと思う。
十センチ四方の箱が一つ分だったけれど、日本と違って魚の餌のように売っているわけではないし、王都にはあんなに虫がいるような場所はなかったはずだから。


その次にきた嫌がらせは、ちょっと身の危険を感じた。


城の中庭を歩いていたら、どこからともなく水の玉が飛ばされてきたり、火の玉が私の周りにいきなり出現したりしたのだ。


まぁでも、これは新しく契約した精霊さん達がどうにかしてくれた。でも、この魔術を使った嫌がらせはさすがにやり過ぎだろうと思って、王城警備の衛兵に話したところ、警備の強化をすると言ってくれた。そもそも、王城では基本的に魔術の使用は禁止されているし、使用できたとしても、通常使うよりかなり余計な魔力を消費するらしい。私が報告した規模の魔術を使える魔術師であれば、恐らくは王宮に所属する魔術師の可能性もあるので、調査することになった……と、後日王城の警備をしている部署より連絡が来たので、もう少ししたら結果が出るだろうと思う。
そんなわけで……。


「まぁ……、大きなケガも何もなかったし…結果的に王城の警備強化に繋がったようなので……でも、やはりこういった事は無いに越したことはないですけどね」


とは言ったものの、自分でも驚くほど低い声がでて、結構ムカついていたのを実感した。






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