私も異世界に転生してみたい ~令嬢やめて冒険者になります~

こひな

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86、行方不明扱いとなりました。

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婚約式は実にあっさりとさらっと終わった。
私の想像したような要素は全然なく……国王陛下・王妃様・王太子殿下が保証人となり、神に誓い恙無く終わった。


それよりも……だ。
な・ん・で・マ・ル・ス・さ・ん・が・そ・こ・に・い・る・の!!
危うく王族の方々を目の前にしてさけぶところでした……。
ロイス様が王太子殿下に合わせたがらなかった理由がこれだったんだなぁ……なんて考えてしまい、一生に一度の婚約式のはずが内容をあまり覚えていないなんてことになってしまった。
ちなみに、ロイス様には謝られた。いきなり、理由も言わず『ごめん』と言われてしまい、それ以上何も言えなくなってしまった。


まぁ……ウワサは確かにあった。
身分が高い人なんだろうと。
そして、冒険者になったばかりの頃の自分を思わず褒めた。


(王太子殿下が初恋なんて……怖いわ。あのまま突っ走っていたらなんかのフラグ立てちゃってたかもね7……)


公爵であるロイスとの婚約も十分フラグだとは思うけれど……。
内輪のみの婚約披露のパーティーである今、隣で上機嫌にワインを飲むロイスを見上げる。
王太子殿下とロイス様の計画では、私とロイス様の婚約は一月後に国中の貴族に発表するらしい。
そして恐らく……その発表前後にドリスデン公爵令嬢が王城もしくは公爵邸に押しかけてくるのではないか……とのことだった。


そうそう、婚約式の間は何の問題も起きなかった。
婚約式を行った場所も場所だったらしいけれど、ソラや他の精霊達それとお父様の活躍があったらしいことをロイス様に聞いた。


まぁ、仕事自体が機密事項なのは分かるんだ……前世でもねよくテレビでやってたよ。
FBIだったり公安だったりは家族にさえ言えない仕事だと。
お父様の現在の職業もそれと同じだと、まぁなんとなく理解した。
そういう仕事も国を維持するのは必要なんだと分かっているつもりだしね。


そうそう。ソラが変身しているジュリについても、王太子殿下から新たに提案があった。
ソラが変身後に名乗るのはジュリじゃなく、ジュリの弟ということにした方が良いとのことだった。
雰囲気も魔力気配も全然別人らしく、敏感な人にはすぐバレてしまうだろう……だって。
あとでバレると、王城的には中々に不味いらしい。


まぁ、分かる。
公爵家の者だから碌に調べず通行証を発行したのだろう……なんて言ってくる輩がいそうなことが。
なので王太子殿下の提案通りジュリの弟で、ジュリが行方不明になってしまったので代わりに奉公することになった……という設定にした。


正直寂しいし悲しい。
せっかく頑張ってCランクまで上げたのに……である。


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