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都の大図書館
その場に取り残された獣人の少女は、驚きと恐怖の入り混じった表情で俺たちを見上げていた。
「大丈夫か?」俺が剣を収め、声をかけると、彼女は小さく頷いた。
エリザがしゃがみ込み、優しく微笑みながら少女にそっと手を伸ばす。「名前を聞いてもいいかしら?」
少女は一瞬ためらったが、やがてか細い声で答えた。「ユリス……です。」
「ユリスちゃんね、怖い思いをしたわね。でも、もう大丈夫。」
エリザの優しい声に、ユリスは少しだけ安心したようだった。
話を聞くと、ユリスは以前の主人から逃げ出し、ここに来たものの、持っていた金を騙し取られ、食べ物を盗むしかなくなったという。
「これからどうするつもりだ?」俺が尋ねると、彼女は視線を下げたまま小さく呟いた。
「……分からない。でも、自由になりたい。」
その言葉を聞いて、エリザが俺に視線を送る。俺たちは無言のうちに決断した。
「俺たちと一緒に来るか?」俺は手を差し出した。
ユリスは一瞬ためらったが、小さな手で俺の手を握り返した。その目には、かすかに希望が見えた。
ユリスを助けたその夜、俺たちはアクアリスにある有名な大図書館へと足を運んだ。エリザが調べた情報によると、次の目的地に関する手がかりがそこにあるという。
「ここが……図書館?」リリが目を輝かせながら、大きな建物を見上げる。外壁は白く輝き、石造りの荘厳な作りが町の中央でひときわ目立っている。
「中には、過去の記録や地図、貴族たちの歴史書まで揃っているって聞いたわ。」エリザが説明する。
中に入ると、天井の高い空間が広がり、棚に並べられた無数の本が目に飛び込んできた。古びた革装丁の本から、鮮やかな装飾が施された巻物まで、どれも貴重そうだ。
「なんか、ここで迷子になりそうだな……。」俺は周囲を見回しながら呟いた。
「迷子になってる暇はないわよ。」エリザは小さく笑いながら、受付で手続きを始める。
エリザは、司書から「砂漠の泉」や「浄化の聖杯」に関する資料が保管されている棚の場所を教えてもらい、俺たちは分担して資料を探し始めた。
「リリ、そこの地図の棚を見てくれる?砂漠の地形が載ってる本があるかもしれない。」エリザが指示を出すと、リリは元気よく「はーい!」と答え、棚の間に消えた。
「俺はどこを見ればいい?」俺が尋ねると、エリザは指をさしながら答えた。「アデルは、古い神話や伝承が載っている棚を見てちょうだい。聖杯の由来が分かるかもしれないから。」
「了解。」俺は指定された棚へ向かい、慎重に本を引き出して中を確認する。古い文字がびっしりと並ぶページに目を通しながら、一つひとつの内容を頭に入れようとするが、専門的すぎて理解に苦労する。
その時、隣でおずおずと本を手にしているユリスが目に入った。彼女は小声で呟きながら本を読んでいる。
「読めるのか?」俺が尋ねると、ユリスは小さく頷いた。「……少しだけ。この文字、前の主人に覚えさせられたものと似ています。」
「お前、すごいな。手伝ってくれるか?」俺が本を差し出すと、ユリスは少し躊躇した後、「……はい」と答えた。
ユリスは俺が手にした古い書物をじっと見つめ、小さな指で文字を指しながら解読を始める。その集中した様子を見て、俺は彼女の隠された才能に驚かされた。
「大丈夫か?」俺が剣を収め、声をかけると、彼女は小さく頷いた。
エリザがしゃがみ込み、優しく微笑みながら少女にそっと手を伸ばす。「名前を聞いてもいいかしら?」
少女は一瞬ためらったが、やがてか細い声で答えた。「ユリス……です。」
「ユリスちゃんね、怖い思いをしたわね。でも、もう大丈夫。」
エリザの優しい声に、ユリスは少しだけ安心したようだった。
話を聞くと、ユリスは以前の主人から逃げ出し、ここに来たものの、持っていた金を騙し取られ、食べ物を盗むしかなくなったという。
「これからどうするつもりだ?」俺が尋ねると、彼女は視線を下げたまま小さく呟いた。
「……分からない。でも、自由になりたい。」
その言葉を聞いて、エリザが俺に視線を送る。俺たちは無言のうちに決断した。
「俺たちと一緒に来るか?」俺は手を差し出した。
ユリスは一瞬ためらったが、小さな手で俺の手を握り返した。その目には、かすかに希望が見えた。
ユリスを助けたその夜、俺たちはアクアリスにある有名な大図書館へと足を運んだ。エリザが調べた情報によると、次の目的地に関する手がかりがそこにあるという。
「ここが……図書館?」リリが目を輝かせながら、大きな建物を見上げる。外壁は白く輝き、石造りの荘厳な作りが町の中央でひときわ目立っている。
「中には、過去の記録や地図、貴族たちの歴史書まで揃っているって聞いたわ。」エリザが説明する。
中に入ると、天井の高い空間が広がり、棚に並べられた無数の本が目に飛び込んできた。古びた革装丁の本から、鮮やかな装飾が施された巻物まで、どれも貴重そうだ。
「なんか、ここで迷子になりそうだな……。」俺は周囲を見回しながら呟いた。
「迷子になってる暇はないわよ。」エリザは小さく笑いながら、受付で手続きを始める。
エリザは、司書から「砂漠の泉」や「浄化の聖杯」に関する資料が保管されている棚の場所を教えてもらい、俺たちは分担して資料を探し始めた。
「リリ、そこの地図の棚を見てくれる?砂漠の地形が載ってる本があるかもしれない。」エリザが指示を出すと、リリは元気よく「はーい!」と答え、棚の間に消えた。
「俺はどこを見ればいい?」俺が尋ねると、エリザは指をさしながら答えた。「アデルは、古い神話や伝承が載っている棚を見てちょうだい。聖杯の由来が分かるかもしれないから。」
「了解。」俺は指定された棚へ向かい、慎重に本を引き出して中を確認する。古い文字がびっしりと並ぶページに目を通しながら、一つひとつの内容を頭に入れようとするが、専門的すぎて理解に苦労する。
その時、隣でおずおずと本を手にしているユリスが目に入った。彼女は小声で呟きながら本を読んでいる。
「読めるのか?」俺が尋ねると、ユリスは小さく頷いた。「……少しだけ。この文字、前の主人に覚えさせられたものと似ています。」
「お前、すごいな。手伝ってくれるか?」俺が本を差し出すと、ユリスは少し躊躇した後、「……はい」と答えた。
ユリスは俺が手にした古い書物をじっと見つめ、小さな指で文字を指しながら解読を始める。その集中した様子を見て、俺は彼女の隠された才能に驚かされた。
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