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青年期編
18.見つからない side.S
時間は少し遡り、アメトリンが家を出て行った直ぐのこと。
部屋を出たアメトリンを直ぐ追いかけようとしたシショクだったが、自分のした事で彼を酷く傷付けてしまったと追いかける事を躊躇してしまった。
咄嗟にやってしまったこととはいえ、理由も話さず目の前で粉々に砕く様を見せてしまった事に後悔からか唇をきつく噛み締める。
床に散らばる粉々に砕けた鉱石はキラキラと輝いていて、本来なら砕いたところでここまで輝きを放つことのない鉱石にそれが価値のあるものだと嫌でも見せつけられる。
きちんと説明していれば傷つける事はなかったのでは?今自分の顔を見ると、余計に傷つけてしまうのでは?とうだうだと考えていたが、アメトリンを傷つけてしまったことに変わりはないとシショクは謝る為に部屋を出て、アメトリンにあてがった部屋へと向かう。
まさかこの時アメトリンがすでに家を出ていたとは思いもせずに。
「アメ…?」
シショクの呼びかけに応じることはなく、静まり返る家の中にまさかと慌てて家を飛び出す。
外は土砂降りの雨だったが、それを気にすることなく飛び出す。
「アメトリン!!どこだ!!!」
地理感覚がないアメトリンが遠くに行ったとは思えないが、姿が見えない以上街の方に行ったのかもしれないとシショクは全身ずぶ濡れになりながら街へと走り出した。
出て行ってからはそれほど時間は経ってないはずなのに、一向にその姿を見つけられないまま街に着く。
ここまでの距離で見つからないとなると、考えられるのは…
「崖の方に行ったのか…?」
まさかとは思ったが道を知らないアメトリンならばあり得ると、直ぐに踵を返し今来た道を戻る。
あのあたりは道も悪く最悪崖から落ちる危険性だってある、急がねばと走り出すシショクだったが家から街までの道のりで溜まった疲労と、治りきってない怪我のせいで足が思うように上がらずその場に躓いて転んでしまう。
「…っ、」
こんなところで寝てる場合ではない、そうわかっているのに体は言う事を聞かずピクリとも動かない。
一刻も早く戻らなければ、今まさにアメトリンが危ない目に遭ってるかもしれない。そう悪い方にばかり考えてしまうシショク。
その間にも容赦なく打ちつける雨が体温を奪っていき意識も朦朧としてくる。
このままではまずいと薄れゆく意識の中必死に手足を動かそうとしていると、突然体が宙に浮いた。
「…っ、」
「お前、こんなとこで何してんだ」
「…ア、…アメを…早く」
「は?あ、おい…シショク!!?」
驚きと共に耳に届く聞き馴染みのある声に思わず安心してしまったのか、シショクはその場で意識を失った。
部屋を出たアメトリンを直ぐ追いかけようとしたシショクだったが、自分のした事で彼を酷く傷付けてしまったと追いかける事を躊躇してしまった。
咄嗟にやってしまったこととはいえ、理由も話さず目の前で粉々に砕く様を見せてしまった事に後悔からか唇をきつく噛み締める。
床に散らばる粉々に砕けた鉱石はキラキラと輝いていて、本来なら砕いたところでここまで輝きを放つことのない鉱石にそれが価値のあるものだと嫌でも見せつけられる。
きちんと説明していれば傷つける事はなかったのでは?今自分の顔を見ると、余計に傷つけてしまうのでは?とうだうだと考えていたが、アメトリンを傷つけてしまったことに変わりはないとシショクは謝る為に部屋を出て、アメトリンにあてがった部屋へと向かう。
まさかこの時アメトリンがすでに家を出ていたとは思いもせずに。
「アメ…?」
シショクの呼びかけに応じることはなく、静まり返る家の中にまさかと慌てて家を飛び出す。
外は土砂降りの雨だったが、それを気にすることなく飛び出す。
「アメトリン!!どこだ!!!」
地理感覚がないアメトリンが遠くに行ったとは思えないが、姿が見えない以上街の方に行ったのかもしれないとシショクは全身ずぶ濡れになりながら街へと走り出した。
出て行ってからはそれほど時間は経ってないはずなのに、一向にその姿を見つけられないまま街に着く。
ここまでの距離で見つからないとなると、考えられるのは…
「崖の方に行ったのか…?」
まさかとは思ったが道を知らないアメトリンならばあり得ると、直ぐに踵を返し今来た道を戻る。
あのあたりは道も悪く最悪崖から落ちる危険性だってある、急がねばと走り出すシショクだったが家から街までの道のりで溜まった疲労と、治りきってない怪我のせいで足が思うように上がらずその場に躓いて転んでしまう。
「…っ、」
こんなところで寝てる場合ではない、そうわかっているのに体は言う事を聞かずピクリとも動かない。
一刻も早く戻らなければ、今まさにアメトリンが危ない目に遭ってるかもしれない。そう悪い方にばかり考えてしまうシショク。
その間にも容赦なく打ちつける雨が体温を奪っていき意識も朦朧としてくる。
このままではまずいと薄れゆく意識の中必死に手足を動かそうとしていると、突然体が宙に浮いた。
「…っ、」
「お前、こんなとこで何してんだ」
「…ア、…アメを…早く」
「は?あ、おい…シショク!!?」
驚きと共に耳に届く聞き馴染みのある声に思わず安心してしまったのか、シショクはその場で意識を失った。
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