3 / 23
3話
しおりを挟む
カンカンカンッ
琴美は螺旋階段を急いで駆け上がり、ドアを開けた。
「遅くなりました!」
時間ギリギリに治療院に着いた琴美に、先生はゆっくりと返事をした。
「そんなに慌てて来なくても大丈夫だよ。」
トモニ治療院の中休みに琴美は先生から東洋医学の勉強をさせてもらっていた。
友似先生は鍼灸師としてはかなりの腕で、治療院はいつも混んでいた。
彼は全盲で、側には受付の陽子と言う女性が一緒に働いている。
陽子は友似先生の奥さんで、とても優しくハキハキした女性だった。
陽子と琴美は昔からの知り合いで、
琴美が鍼灸師になった理由の一つも陽子の旦那、友似の影響がかなりあった。
「うちの庭で猫が亡くなっていたの。
警察で鑑識にも出して調べてもらったんだけど、交通事故死だって言うの。
でも、何か違う気がするのよ」
琴美は椅子に座りながら話し出した。
「何か不可解な事でもあるの?」
陽子は興味深げに聞いた。
彼女は昨日までの出来事を事細かくはなした。
陽子はしばらく聞いていたが、
「うーん。でも鑑識で何も結果が出なかったのなら、やっぱり事故に合って誰かか琴美の庭に置いたんじゃないの?」
とあまり疑うこともなく言った。
「やっぱり気のせいかしら」
それでも琴美は何か引っかかる気がしていた。
友似はずっと考えている様子だったが、
「その猫は飼い猫かも知れないと思っているんだね?
もしそうなら、警察や家の周辺に迷子猫の張り紙か何か出ているんじゃないかな?
それと、、陽子、琴美君の猫の写真を見てくれないか?」
彼は陽子に向かって言った。
「え?あ、はい。」
陽子は友似に言われて琴美の携帯の画像を見せてもらった。
「確かに飼い猫みたいに手入れされているわね。首輪の後がある感じがしないでもないわ」
陽子は言った。
「僕が知りたいのは琴美君が気になっている首下の傷だよ。人間でいったら胸鎖乳突筋辺りかな?」
「そうね、どうしてあなたわかるの?」
陽子と琴美はびっくりして顔を見合わせた。
「そうか、、その子(猫)は殺害されたかも知れないね。
それと、口から泡を出していたみたいだけど毒では無くて何か薬を飲まされたんじゃないか?
例えば東洋医学ではよく漢方薬を処方するんだが、ある薬と漢方薬を同時に処方したら間質性肺炎が起こったりするんだ。
人間ではない猫なら尚更体内で異常な反応が起こる。
そして、時間が経てば何も体内には残らない。
これはあくまで僕の推理みたいな感じだけどね。」
彼は冗談っぽく言った。
「でも先生、その考え方有りかも知れません。
とりあえず父に頼んで迷子猫の届けが出てないか聞いてみます。」
琴美は先生の推理が自分の気持ちとぴったり当てはまっているような感じがした。
琴美は螺旋階段を急いで駆け上がり、ドアを開けた。
「遅くなりました!」
時間ギリギリに治療院に着いた琴美に、先生はゆっくりと返事をした。
「そんなに慌てて来なくても大丈夫だよ。」
トモニ治療院の中休みに琴美は先生から東洋医学の勉強をさせてもらっていた。
友似先生は鍼灸師としてはかなりの腕で、治療院はいつも混んでいた。
彼は全盲で、側には受付の陽子と言う女性が一緒に働いている。
陽子は友似先生の奥さんで、とても優しくハキハキした女性だった。
陽子と琴美は昔からの知り合いで、
琴美が鍼灸師になった理由の一つも陽子の旦那、友似の影響がかなりあった。
「うちの庭で猫が亡くなっていたの。
警察で鑑識にも出して調べてもらったんだけど、交通事故死だって言うの。
でも、何か違う気がするのよ」
琴美は椅子に座りながら話し出した。
「何か不可解な事でもあるの?」
陽子は興味深げに聞いた。
彼女は昨日までの出来事を事細かくはなした。
陽子はしばらく聞いていたが、
「うーん。でも鑑識で何も結果が出なかったのなら、やっぱり事故に合って誰かか琴美の庭に置いたんじゃないの?」
とあまり疑うこともなく言った。
「やっぱり気のせいかしら」
それでも琴美は何か引っかかる気がしていた。
友似はずっと考えている様子だったが、
「その猫は飼い猫かも知れないと思っているんだね?
もしそうなら、警察や家の周辺に迷子猫の張り紙か何か出ているんじゃないかな?
それと、、陽子、琴美君の猫の写真を見てくれないか?」
彼は陽子に向かって言った。
「え?あ、はい。」
陽子は友似に言われて琴美の携帯の画像を見せてもらった。
「確かに飼い猫みたいに手入れされているわね。首輪の後がある感じがしないでもないわ」
陽子は言った。
「僕が知りたいのは琴美君が気になっている首下の傷だよ。人間でいったら胸鎖乳突筋辺りかな?」
「そうね、どうしてあなたわかるの?」
陽子と琴美はびっくりして顔を見合わせた。
「そうか、、その子(猫)は殺害されたかも知れないね。
それと、口から泡を出していたみたいだけど毒では無くて何か薬を飲まされたんじゃないか?
例えば東洋医学ではよく漢方薬を処方するんだが、ある薬と漢方薬を同時に処方したら間質性肺炎が起こったりするんだ。
人間ではない猫なら尚更体内で異常な反応が起こる。
そして、時間が経てば何も体内には残らない。
これはあくまで僕の推理みたいな感じだけどね。」
彼は冗談っぽく言った。
「でも先生、その考え方有りかも知れません。
とりあえず父に頼んで迷子猫の届けが出てないか聞いてみます。」
琴美は先生の推理が自分の気持ちとぴったり当てはまっているような感じがした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる