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ラスペラスとの決戦編
第159話 代表戦に向けて
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うわきつBBA女王との会談は無事に終了した。
結論から言うとラスペラス国は代表戦での戦争決着案を受け入れてくれた。
それもそのはず。ラスペラス国からしても別に不利な提案ではないからだ。
敵軍の質もラスペラス国側のほうが高いので、千の兵の代表戦でも勝てると踏んだのだろう。
負けた側は敗北を認めた後、勝った側のイレイザーの調査を協力。そして化粧水セットを分かち合うこととしたのも大きい。
化粧水セット? あのうわきつBBAが無理やりねじ込んだだけです。
それで千の兵をどうするかを決めるために、屋敷の執務室にいつものメンバーを集めて話し合っている所だ。
「そんなこんなで代表戦で決着することになった。だが敗北しても賠償金なんて払えないので必勝だ! 負けたら終わりと思え!」
「賠償金払えないのに、条件を提案したんだ……」
「カーマよ、いいことを教えてやろう。勝てばいいんだよ勝てば」
負けた時のことは考えない。必勝すれば何の問題もないのだ!
ない袖を振ってしまった以上、負けたら終わりだからな!
ここで肝なのは千の『兵』と指定しているところだ。
一般兵とかじゃなくて千体の戦力での代表戦。
絶対にラスペラス軍は巨人や魔法使いを兵として使ってくる。
更に向こうは代表戦の条件として、俺達が捕らえている五魔天の即時解放も要求してきた。
確実に五魔天も代表戦に全員出てくるだろう。
うわきつ女王が悪いこと思いついたかのように、きつい笑みを浮かべてたからなぁ。
その上で更に、俺の核兵器の使用禁止も条件にされてしまった。
うわきつ女王からすれば、俺達なんぞ楽勝と勘違いしてるはずだ。
だが甘い。あいつは甘すぎる。
俺からすれば核兵器なんぞ使わない見せ札だし、他にもクラスター爆弾とか強力な兵器はたらふくあるのだ!
とはいえそんなもの使うのもどうかと思うので、なるべくレスタンブルク国の戦力で勝ちたい。
「それで千の兵のメンバーを選定したい。フォルン領の主要メンバーとライナさんは強制として、他には誰かいないか?」
「ドラゴンたちを使うのはどうでござるか?」
「うーん……戦力的には使う一択なのだが、ケガされたら困るのがなぁ」
「ドラゴン便の運用に支障が出るもんね」
「いや傷害手当とか死ぬほどたかられそうで……」
たぶんドラゴンたちに代表戦参戦費用に危険手当、それに傷害手当まで払わないとならない。
……正直払う額を計算したくない。
でも出すしかないんだろうなぁ! 畜生! 畜生の分際で畜生!
そんなことを考えていると、エフィルンが手をあげた。
「ベフォメットのライニール様に支援を要請するのはいかがでしょうか」
「他国の助っ人はちょっと微妙だな。ルール上問題はないが、勝った後に難癖つけられかねん。あのハゲおっさんにそこまでの価値があるかは微妙だ」
エフィルンの意見を一蹴する。
ライナさんレベルの人ならば、多少のリスクを背負っても考慮する。
でも修行前のカーマに瞬殺されるハゲは不要だ。
落ち込むエフィルンと入れ替わるように、カーマが手をあげた。
「防壁の魔術師さんは?」
「…………誰だっけ」
「元カール領で戦った人で、ジャイランド戦でも助っ人に来てた魔法使いだよ」
……いたなぁそんな奴。未だに本名覚えてないわ、覚える価値もないけど。
まあ数合わせとしてはいいんじゃないか? モブの中にギリギリ紛れ込める程度の強さはあるだろ。
「うーむ……よく考えたら、今までに敵対してた強者を助っ人に使えるのか。レスタンブルク国内限定とはいえ……これはかなり熱い展開では!?」
俺は思わず椅子から立ち上がって叫ぶ。
これ完全にあれじゃん! ラスボス相手にこれまで戦ってきた奴らが味方の王道展開!
えーっと今までに戦ってきた敵は……。
「元カール領主、クソデブハゲ、アデルと愚かな仲間たち、バイコクドン、クズ弟君、およよライダン領主とよりどりみどりですぞ!」
「……誰ひとりとしていらねぇ!?」
セバスチャンの言葉に思わず悲鳴をあげてしまう。
絶望的なラインナップやめてくれ! 閉店在庫一斉セールでも、もう少しまともな品揃えだぞ!?
みんなも並べられた名前に、引きつった笑みを浮かべているではないか。
いや本当にろくな奴がいねぇ……俺ってマジでクズな奴とばかり戦ってきたんだなぁ。
こいつらなら味方にならないほうがマシだな……。
クズをエネルギーにする魔道具でもあればチートなんだが……。
「拙者が以前に剣術大会で戦った魔剣使いも呼ぶでござるか?」
センダイが酒瓶を飲み干しながら告げてくる。
いきなり俺に斬りかかって来たバカ剣士か、そんな奴もいたなぁ。
「あいつも相当ヤバイ奴だったろ……しかも今って魔剣壊れてるからただの剣士だぞ」
「アトラス殿。もう少しまともな相手と戦うべきでござる!」
「俺が対戦相手選んでるんじゃねぇよ! 俺だってここまで酷いラインナップとは思わなかったわ!」
本当に酷い。我ながらもう少しマシな戦歴だと思ってた。
「つまりアトラス殿はクズい者イジメ専でござるな」
「パワーワードやめろ! いや待て!? ジャイランドとかエフィルンは強敵だったろ!?」
「おお、そうだったでござるな」
まあジャイランド君はペシャンコ、エフィルンはすでに仲間なんですけどね。
……強敵と共に戦う熱い王道展開なんてなかった、いいね?
他にも色々と案が出ては立ち消えていく。
「提案。竜殺しの槍ではなくて、人殺しの槍を造る」
「それは普通の槍では……」
「んー。人なんて普通の槍でひとさしで死ぬサッ!」
今もちょうどラークの案が一瞬で却下されたところだ。
いやあ会議が迷走してまいりました。実際、これ以上の戦力強化は難しいだろう。
しかしこのままでは勝てるか分からんのが嫌だな。
ラスペラス軍の一般兵と五魔天は何とかなる、いやしてみせる。
問題は転生特典で魔力チートを得ているうわきつ女王だ。あのBBAがどれほどの力を持っているか……。
カーマたち曰く、低く見積もってもドーピングエフィルンが四人分とまで言わしめるのだ。
正直勝てるか怪しい。誰だよ、あんなうわきつBBAにチート与えた奴!
唯一の救いはうわきつBBAということだな……たぶん実戦慣れしてないだろうから、そこをついていくしかない。
理想は極力魔力などを使わずに、敵の兵士たちを打ち倒す。
そして主力全員でうわきつBBAを袋叩きにすることだ。そううまくいくかは分からんが……。
そのためにも一般兵同士の戦いでも、レスタンブルク国には頑張って欲しいのだ。
いつものようにザコはカーマたちで一掃とかもしたくない。彼女らの魔力を無駄遣いしてしまうからだ。
……とりあえず金を稼ごう。稼いだ金が多いほど俺の力が増すし。
結論から言うとラスペラス国は代表戦での戦争決着案を受け入れてくれた。
それもそのはず。ラスペラス国からしても別に不利な提案ではないからだ。
敵軍の質もラスペラス国側のほうが高いので、千の兵の代表戦でも勝てると踏んだのだろう。
負けた側は敗北を認めた後、勝った側のイレイザーの調査を協力。そして化粧水セットを分かち合うこととしたのも大きい。
化粧水セット? あのうわきつBBAが無理やりねじ込んだだけです。
それで千の兵をどうするかを決めるために、屋敷の執務室にいつものメンバーを集めて話し合っている所だ。
「そんなこんなで代表戦で決着することになった。だが敗北しても賠償金なんて払えないので必勝だ! 負けたら終わりと思え!」
「賠償金払えないのに、条件を提案したんだ……」
「カーマよ、いいことを教えてやろう。勝てばいいんだよ勝てば」
負けた時のことは考えない。必勝すれば何の問題もないのだ!
ない袖を振ってしまった以上、負けたら終わりだからな!
ここで肝なのは千の『兵』と指定しているところだ。
一般兵とかじゃなくて千体の戦力での代表戦。
絶対にラスペラス軍は巨人や魔法使いを兵として使ってくる。
更に向こうは代表戦の条件として、俺達が捕らえている五魔天の即時解放も要求してきた。
確実に五魔天も代表戦に全員出てくるだろう。
うわきつ女王が悪いこと思いついたかのように、きつい笑みを浮かべてたからなぁ。
その上で更に、俺の核兵器の使用禁止も条件にされてしまった。
うわきつ女王からすれば、俺達なんぞ楽勝と勘違いしてるはずだ。
だが甘い。あいつは甘すぎる。
俺からすれば核兵器なんぞ使わない見せ札だし、他にもクラスター爆弾とか強力な兵器はたらふくあるのだ!
とはいえそんなもの使うのもどうかと思うので、なるべくレスタンブルク国の戦力で勝ちたい。
「それで千の兵のメンバーを選定したい。フォルン領の主要メンバーとライナさんは強制として、他には誰かいないか?」
「ドラゴンたちを使うのはどうでござるか?」
「うーん……戦力的には使う一択なのだが、ケガされたら困るのがなぁ」
「ドラゴン便の運用に支障が出るもんね」
「いや傷害手当とか死ぬほどたかられそうで……」
たぶんドラゴンたちに代表戦参戦費用に危険手当、それに傷害手当まで払わないとならない。
……正直払う額を計算したくない。
でも出すしかないんだろうなぁ! 畜生! 畜生の分際で畜生!
そんなことを考えていると、エフィルンが手をあげた。
「ベフォメットのライニール様に支援を要請するのはいかがでしょうか」
「他国の助っ人はちょっと微妙だな。ルール上問題はないが、勝った後に難癖つけられかねん。あのハゲおっさんにそこまでの価値があるかは微妙だ」
エフィルンの意見を一蹴する。
ライナさんレベルの人ならば、多少のリスクを背負っても考慮する。
でも修行前のカーマに瞬殺されるハゲは不要だ。
落ち込むエフィルンと入れ替わるように、カーマが手をあげた。
「防壁の魔術師さんは?」
「…………誰だっけ」
「元カール領で戦った人で、ジャイランド戦でも助っ人に来てた魔法使いだよ」
……いたなぁそんな奴。未だに本名覚えてないわ、覚える価値もないけど。
まあ数合わせとしてはいいんじゃないか? モブの中にギリギリ紛れ込める程度の強さはあるだろ。
「うーむ……よく考えたら、今までに敵対してた強者を助っ人に使えるのか。レスタンブルク国内限定とはいえ……これはかなり熱い展開では!?」
俺は思わず椅子から立ち上がって叫ぶ。
これ完全にあれじゃん! ラスボス相手にこれまで戦ってきた奴らが味方の王道展開!
えーっと今までに戦ってきた敵は……。
「元カール領主、クソデブハゲ、アデルと愚かな仲間たち、バイコクドン、クズ弟君、およよライダン領主とよりどりみどりですぞ!」
「……誰ひとりとしていらねぇ!?」
セバスチャンの言葉に思わず悲鳴をあげてしまう。
絶望的なラインナップやめてくれ! 閉店在庫一斉セールでも、もう少しまともな品揃えだぞ!?
みんなも並べられた名前に、引きつった笑みを浮かべているではないか。
いや本当にろくな奴がいねぇ……俺ってマジでクズな奴とばかり戦ってきたんだなぁ。
こいつらなら味方にならないほうがマシだな……。
クズをエネルギーにする魔道具でもあればチートなんだが……。
「拙者が以前に剣術大会で戦った魔剣使いも呼ぶでござるか?」
センダイが酒瓶を飲み干しながら告げてくる。
いきなり俺に斬りかかって来たバカ剣士か、そんな奴もいたなぁ。
「あいつも相当ヤバイ奴だったろ……しかも今って魔剣壊れてるからただの剣士だぞ」
「アトラス殿。もう少しまともな相手と戦うべきでござる!」
「俺が対戦相手選んでるんじゃねぇよ! 俺だってここまで酷いラインナップとは思わなかったわ!」
本当に酷い。我ながらもう少しマシな戦歴だと思ってた。
「つまりアトラス殿はクズい者イジメ専でござるな」
「パワーワードやめろ! いや待て!? ジャイランドとかエフィルンは強敵だったろ!?」
「おお、そうだったでござるな」
まあジャイランド君はペシャンコ、エフィルンはすでに仲間なんですけどね。
……強敵と共に戦う熱い王道展開なんてなかった、いいね?
他にも色々と案が出ては立ち消えていく。
「提案。竜殺しの槍ではなくて、人殺しの槍を造る」
「それは普通の槍では……」
「んー。人なんて普通の槍でひとさしで死ぬサッ!」
今もちょうどラークの案が一瞬で却下されたところだ。
いやあ会議が迷走してまいりました。実際、これ以上の戦力強化は難しいだろう。
しかしこのままでは勝てるか分からんのが嫌だな。
ラスペラス軍の一般兵と五魔天は何とかなる、いやしてみせる。
問題は転生特典で魔力チートを得ているうわきつ女王だ。あのBBAがどれほどの力を持っているか……。
カーマたち曰く、低く見積もってもドーピングエフィルンが四人分とまで言わしめるのだ。
正直勝てるか怪しい。誰だよ、あんなうわきつBBAにチート与えた奴!
唯一の救いはうわきつBBAということだな……たぶん実戦慣れしてないだろうから、そこをついていくしかない。
理想は極力魔力などを使わずに、敵の兵士たちを打ち倒す。
そして主力全員でうわきつBBAを袋叩きにすることだ。そううまくいくかは分からんが……。
そのためにも一般兵同士の戦いでも、レスタンブルク国には頑張って欲しいのだ。
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