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第二章

これ後十分で爆発するよ

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 一つ目の爆弾はすぐに見つかった。渡り廊下の観葉植物の後ろに無造作に小さな黒い箱が置いてあったのを拾い上げた。
 蓋があったので開けてみる。
 う!! 
 いかにもダイナマイトっぽい丸い筒に導線で繋がれたデジタルタイマーがカウントダウンを刻んでいた。
「無暗に開けるなよ」
「リアル!! これ後十分で爆発するよ」
「急ごう。爆弾はあと四つある」
 あたしはエコバックの中に爆弾入れた。
「次は一つの上の渡り廊下」
 二つ目はゴミ箱の後ろにあった。
「なんで渡り廊下ばかりにあるの?」
 あたしは爆弾をエコバックに入れる。
「廊下を爆破して二つのビルを分断するつもりらしい」
 タイマーは残り九分。
 急がないと、木端微塵だよ。
 あたしは階段を必死で駆け登った。
 三つ目もすぐに見つかったけど、ちょっと厄介。ベンチの下に針金で縛ってあった。
「まかせろ」
 リアルが前足のリューターで針金を切断。
 爆弾が床に落ちた時はちょっと焦った。
 でも、何事もなく回収してエコバックの中に入れる。
 この時点でタイマーは残り八分。
「一度。この三つを捨てに行こう」
「どうして?」
「やつらは本格的な要求をする前に、渡り廊下を落とすはずだ。つまり、この三つが最初に爆発する。他の爆弾はもう少し余裕がある」
「わかった」
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