秘密兵器猫壱号

津嶋朋靖(つしまともやす)

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第三章

サムもこれができたんだ

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 リアルは再びパソコンにケーブルをつないだ。パソコン画面に夜の海原が映る。
 てか、サムもこれができたんだ。
「あんた達、互いの見てる事を見れるわけ?」
「内調で導入が決まったときに、相互リンクできるようにしてくれって言われたのでね」
 リアルに代わって博士が答える。
 画面に黒い船が現れた。
 今、あたし達が乗っている船だと思うけど、月も星もない夜だというのに、なんではっきり見えるんだろう? 
 聞いてみたら、単に鳥用の暗視ゴーグルだって。科研ってなんでもあるのね。
 やがて、サムはマストの上に止まった。
 甲板を見下ろす。
 船首方向の甲板には人気はなかった。
 映像が船尾の方に変わる。
 甲板にヘリコプターが止まっていた。
 その周囲で人が慌ただしく動き回っている。ヘリの発進準備をしているみたいだけど。
「ねえ、モーターグライダーってレーダーに映るの?」
「そりゃあ、ステルスじゃないし」
「じゃあ、見つかったんじゃないかな? あのヘリで糸魚川君を撃ち落とす気じゃ?」
「そうだった!!」
 リアルは押し黙った。
 サムと連絡を取ってるんだ。
 そうしている間にヘリが飛び立つ。
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