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第十七章
あんまり応答したくないなあ
フーファイターが出てきたという事は、操縦しているのは矢納さんか?
もしくは、矢納さんの残したフーファイターを、帝国側が使えるようになったのか?
もしくは、矢納さんは接続者にされてしまったのか?
しかし、レム神は『あんなウザい人、接続するのはヤダ』と言っていたからな。
何れにしても、フーファイターと戦っても勝ち目は無い。
ここは気がつかれないようにスルーすべきか?
などと考えを巡らせているところへ、アスカの報告が続いた。
「フーファイターから通信です」
通信? あんまり応答したくないな。
「なんと言ってきているかな?」
「では、音声で出力いたします」
スピーカーから聞き覚えのあるダミ声が流れてきた。
『こちらは元リトル東京防衛隊第三ドローン部隊所属、矢納三尉。そちらはリトル東京のドローンとお見受けする。返信を求む』
やはり、矢納さんか。しかし、こっちに誰がいるか分かっていないようだな。
僕がいると分かったら、草の根を分けてでも探し出して殲滅しにくるだろうし。
「返信はいかがいたします?」
「ちょっと待ってくれ」
いっそ『馬鹿め』とでも言ってやるか。
いやいや、状況をこれ以上悪くしてどうする。
とにかく、ここに僕がいることを矢納さんに知られるのは非常にマズい。
しかし……
キャビン内を見回した。
ミール、芽衣ちゃん、橋本晶、ミク。
ここにいるのは僕の他にこの四人。あとは僕の胸ポケットに入っているミニPちゃん。
全員、矢納さんと面識がある。
そしてこの中の誰か一人でも顔を見られたら、ここに僕がいると推測されるだろうな。
「返信はいかがいたします?」
アスカが返信をせっついてくるが、彼女は事情を知らないのだよなあ……ん?
いるじゃないか。矢納さんと面識の無い者が。
「アスカ。ちょっと頼みがある」
「なんでしょう?」
通信用ディスプレイに矢納さんの顔が映ったのは、それから数分後の事。
『やっと出たか。待たせやがって……』
「お待たせして申し訳ございません。何しろあなたはリトル東京を裏切った方なので、うかつに返答はできませんから、リトル東京の指示を仰いでいたのです」
『まあいい。知っての通り俺は矢納……矢納完治だ。あんたは?』
「ぼ……私の事は、アスカとお呼び下さい。それ以上の情報は渡せません」
『ふん。まあいいだろう』
あぶない、あぶない。あやうく『僕』と言いそうになってしまった。
ちなみに今、通信席に座っているのはアンドロイドのアスカ。
それを僕が、BMI (ブレイン・マシン・インターフェース)でコントロールして矢納さんと応対している。
つまり、矢納さんと今話しているのは、一見すると美女なのだが、中身は僕なのだよ。
『ところで通信席の周りを、カーテンで覆っているのはなぜだ?』
「あなたに、余計な情報を渡さないための処置です」
『なるほど。いやなに、カーテンの向こうに、北村海斗が隠れているのじゃないかと思ってな』
ギク!
『まあ、俺の考えすぎだな』
「北村海斗氏は現在、リトル東京で静養中です」
本当は作戦行動中で、カーテンの向こうにいるのだけどね。
「それで、ご用件はなんでしょうか?」
『その前に聞いておきたいのだが、今俺がリトル東京に出頭したら、どうなる?』
死刑じゃ! ぼけ! と言いたいのをぐっと堪えて……
「もちろん死刑です。理由は、ご自分の胸に手を当ててよく聞いて下さい」
『ちっ! あっさりと言ってくれるな。でもよ、この前俺が渡してやった情報は、役に立っただろう?』
「といいますと?」
『ほらほら。レム神に操られている人間は、実は洗脳されているのではなく、プシトロンパルスで遠隔操作されていて、本来の人格は眠っている。プシトロンパルスを断てば元に戻るという奴』
「ええ。それは役に立ちました」
『それを入れて減刑という事にはならないか?』
「それは裁判官が判断することですので、私に聞かれても困ります」
『まあ、そうだな。では、要件に入るぞ』
さて、何を言ってくるか?
もしくは、矢納さんの残したフーファイターを、帝国側が使えるようになったのか?
もしくは、矢納さんは接続者にされてしまったのか?
しかし、レム神は『あんなウザい人、接続するのはヤダ』と言っていたからな。
何れにしても、フーファイターと戦っても勝ち目は無い。
ここは気がつかれないようにスルーすべきか?
などと考えを巡らせているところへ、アスカの報告が続いた。
「フーファイターから通信です」
通信? あんまり応答したくないな。
「なんと言ってきているかな?」
「では、音声で出力いたします」
スピーカーから聞き覚えのあるダミ声が流れてきた。
『こちらは元リトル東京防衛隊第三ドローン部隊所属、矢納三尉。そちらはリトル東京のドローンとお見受けする。返信を求む』
やはり、矢納さんか。しかし、こっちに誰がいるか分かっていないようだな。
僕がいると分かったら、草の根を分けてでも探し出して殲滅しにくるだろうし。
「返信はいかがいたします?」
「ちょっと待ってくれ」
いっそ『馬鹿め』とでも言ってやるか。
いやいや、状況をこれ以上悪くしてどうする。
とにかく、ここに僕がいることを矢納さんに知られるのは非常にマズい。
しかし……
キャビン内を見回した。
ミール、芽衣ちゃん、橋本晶、ミク。
ここにいるのは僕の他にこの四人。あとは僕の胸ポケットに入っているミニPちゃん。
全員、矢納さんと面識がある。
そしてこの中の誰か一人でも顔を見られたら、ここに僕がいると推測されるだろうな。
「返信はいかがいたします?」
アスカが返信をせっついてくるが、彼女は事情を知らないのだよなあ……ん?
いるじゃないか。矢納さんと面識の無い者が。
「アスカ。ちょっと頼みがある」
「なんでしょう?」
通信用ディスプレイに矢納さんの顔が映ったのは、それから数分後の事。
『やっと出たか。待たせやがって……』
「お待たせして申し訳ございません。何しろあなたはリトル東京を裏切った方なので、うかつに返答はできませんから、リトル東京の指示を仰いでいたのです」
『まあいい。知っての通り俺は矢納……矢納完治だ。あんたは?』
「ぼ……私の事は、アスカとお呼び下さい。それ以上の情報は渡せません」
『ふん。まあいいだろう』
あぶない、あぶない。あやうく『僕』と言いそうになってしまった。
ちなみに今、通信席に座っているのはアンドロイドのアスカ。
それを僕が、BMI (ブレイン・マシン・インターフェース)でコントロールして矢納さんと応対している。
つまり、矢納さんと今話しているのは、一見すると美女なのだが、中身は僕なのだよ。
『ところで通信席の周りを、カーテンで覆っているのはなぜだ?』
「あなたに、余計な情報を渡さないための処置です」
『なるほど。いやなに、カーテンの向こうに、北村海斗が隠れているのじゃないかと思ってな』
ギク!
『まあ、俺の考えすぎだな』
「北村海斗氏は現在、リトル東京で静養中です」
本当は作戦行動中で、カーテンの向こうにいるのだけどね。
「それで、ご用件はなんでしょうか?」
『その前に聞いておきたいのだが、今俺がリトル東京に出頭したら、どうなる?』
死刑じゃ! ぼけ! と言いたいのをぐっと堪えて……
「もちろん死刑です。理由は、ご自分の胸に手を当ててよく聞いて下さい」
『ちっ! あっさりと言ってくれるな。でもよ、この前俺が渡してやった情報は、役に立っただろう?』
「といいますと?」
『ほらほら。レム神に操られている人間は、実は洗脳されているのではなく、プシトロンパルスで遠隔操作されていて、本来の人格は眠っている。プシトロンパルスを断てば元に戻るという奴』
「ええ。それは役に立ちました」
『それを入れて減刑という事にはならないか?』
「それは裁判官が判断することですので、私に聞かれても困ります」
『まあ、そうだな。では、要件に入るぞ』
さて、何を言ってくるか?
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