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第十三章
とある場所1(回想)
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矢部と小淵は意外そうな目で橋本晶を見つめた。
「と言っても、名前は知りませんが……とある場所で、この人をよく見かけるのです」
「晶ちゃん。とある場所って?」
「と……とある場所は、とある場所です」
「それじゃあ、分からないよ。はっきり言わないと。『とある場所』じゃなく、どこなのかはっきり言ってよ」
言いにくそうにしている橋本晶に、矢部は執拗に質問する。
そういう事をするから、余計に女性から嫌われるという事がこの男には分かっていないようである。
「矢部さん。橋本さんは言いたくないようですから、それ以上聞くのは……」
「いやいや、そうはいかないよ。卑しくも俺達はリトル東京を守る機動服中隊だよ。エリート部隊なのだよ。その隊員がけしからん店に出入りしていたら大変じゃないか」
だったら、まずおまえがセクハラ止めろよ。と、言いそうになるのを小淵は辛うじて堪えた。
「晶ちゃん。この男とどこで会ったの? ホストクラブ?」
「違います! そもそもこの町に、そんな店ないでしょ!」
「いや分からないよ。一応、法律では禁止されていないし……」
「矢部さん。いい加減にして下さい。橋本さんが嫌がっているでしょ。それにホストクラブがこの町にあっとしても……」
小淵はタブレットを指さした。
「こんな不細工で女性に嫌われそうな男に、ホストが勤まると思いますか!?」
「うん。確かに。この人、俺より不細工だし」
どこからか『ほっとけ!』という声が聞こえてきたが、それは二人の幻聴である。
「でも、ホストクラブでないとしたら……」
「喫煙所です」
橋本晶は絞り出すように言った。
「と言っても、名前は知りませんが……とある場所で、この人をよく見かけるのです」
「晶ちゃん。とある場所って?」
「と……とある場所は、とある場所です」
「それじゃあ、分からないよ。はっきり言わないと。『とある場所』じゃなく、どこなのかはっきり言ってよ」
言いにくそうにしている橋本晶に、矢部は執拗に質問する。
そういう事をするから、余計に女性から嫌われるという事がこの男には分かっていないようである。
「矢部さん。橋本さんは言いたくないようですから、それ以上聞くのは……」
「いやいや、そうはいかないよ。卑しくも俺達はリトル東京を守る機動服中隊だよ。エリート部隊なのだよ。その隊員がけしからん店に出入りしていたら大変じゃないか」
だったら、まずおまえがセクハラ止めろよ。と、言いそうになるのを小淵は辛うじて堪えた。
「晶ちゃん。この男とどこで会ったの? ホストクラブ?」
「違います! そもそもこの町に、そんな店ないでしょ!」
「いや分からないよ。一応、法律では禁止されていないし……」
「矢部さん。いい加減にして下さい。橋本さんが嫌がっているでしょ。それにホストクラブがこの町にあっとしても……」
小淵はタブレットを指さした。
「こんな不細工で女性に嫌われそうな男に、ホストが勤まると思いますか!?」
「うん。確かに。この人、俺より不細工だし」
どこからか『ほっとけ!』という声が聞こえてきたが、それは二人の幻聴である。
「でも、ホストクラブでないとしたら……」
「喫煙所です」
橋本晶は絞り出すように言った。
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