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第十三章
喫煙所2(回想)
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その頃、電話を通して、離れたところからこの会話を聞いていた小淵と矢部は、その人脈を駆使して、第三ドローン部隊に矢納という人物が在籍しているかを確認していた。
「小淵君。第三ドローン部隊にいる友達に確認を取ったよ。矢納という人は実在している。フルネームは矢納寛治」
「それで、どんな人です?」
「晶ちゃんの言うとおり、友達が一人もいないらしい」
「いや……そういう事じゃなくて……」
「いや分かっているって。そうじゃなくて、矢納氏のプライベートな事情を知りたいのだろう」
「そうです」
もちろん、コピー人間の個人情報などは母船のコンピューターに記録が残っているわけだが、特別な事情がない限りその閲覧は許されない。
これが保安部などの公的捜査であるなら閲覧は可能だが、今回彼らはやっている事は海斗の個人的な事情での捜査。
そんな事では閲覧許可が出るはずがない。
「だから、職場の同僚で矢納氏と特に親しい人がいれば聞き出せると思ったのだが、そういう人物がいないという事なのだよ。小淵君」
「それは困りましたね」
「ああ! 待って。友達からの話だと、矢納氏の友達と言える人はいないが、彼の個人情報は第三ドローン部隊の人はたいてい知っているそうだ」
「どういう事です?」
「矢納氏は聞かれてもいないのに、どうでもいい自慢話をしたがるのだと。だから、みんなにウザがられて友達ができないわけだが、自慢話と一緒に自分の過去も話すので過去の履歴はある程度分かるそうだ。まあ、かなり脚色しているのだろうけど」
「そうですか……一番上司になってほしくないタイプの人ですね」
「そうだね。隊長の方がまだマシだよ」
「マシというより、隊長ほどいい上司は、あまりいませんけど」
「いや、隊長は俺が女の子にちょっかいかけるとすぐに怒るよ」
「それは矢部さんが悪いのです。それとも、延々と自慢話をたれ流すような人を上司に持ちたいのですか?」
「すごくイヤだ……あ……という事は、今頃喫煙所にいる晶ちゃんは、そのどうでもいい自慢話を、延々と聞かされているのでは……」
事実、矢部の言った通りになっていた。
「小淵君。第三ドローン部隊にいる友達に確認を取ったよ。矢納という人は実在している。フルネームは矢納寛治」
「それで、どんな人です?」
「晶ちゃんの言うとおり、友達が一人もいないらしい」
「いや……そういう事じゃなくて……」
「いや分かっているって。そうじゃなくて、矢納氏のプライベートな事情を知りたいのだろう」
「そうです」
もちろん、コピー人間の個人情報などは母船のコンピューターに記録が残っているわけだが、特別な事情がない限りその閲覧は許されない。
これが保安部などの公的捜査であるなら閲覧は可能だが、今回彼らはやっている事は海斗の個人的な事情での捜査。
そんな事では閲覧許可が出るはずがない。
「だから、職場の同僚で矢納氏と特に親しい人がいれば聞き出せると思ったのだが、そういう人物がいないという事なのだよ。小淵君」
「それは困りましたね」
「ああ! 待って。友達からの話だと、矢納氏の友達と言える人はいないが、彼の個人情報は第三ドローン部隊の人はたいてい知っているそうだ」
「どういう事です?」
「矢納氏は聞かれてもいないのに、どうでもいい自慢話をしたがるのだと。だから、みんなにウザがられて友達ができないわけだが、自慢話と一緒に自分の過去も話すので過去の履歴はある程度分かるそうだ。まあ、かなり脚色しているのだろうけど」
「そうですか……一番上司になってほしくないタイプの人ですね」
「そうだね。隊長の方がまだマシだよ」
「マシというより、隊長ほどいい上司は、あまりいませんけど」
「いや、隊長は俺が女の子にちょっかいかけるとすぐに怒るよ」
「それは矢部さんが悪いのです。それとも、延々と自慢話をたれ流すような人を上司に持ちたいのですか?」
「すごくイヤだ……あ……という事は、今頃喫煙所にいる晶ちゃんは、そのどうでもいい自慢話を、延々と聞かされているのでは……」
事実、矢部の言った通りになっていた。
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