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第十四章
時間切れだ
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「エラ」
ミクがミーチャを指さした。
「それじゃあ、あんたは今、この子に何をしようとしていたのよ?」
「何って……こんな天使みたいな可愛い子がいたら、抱きしめたくなるのが人情というものだろう?」
「それだけ? 抱きしめて、電撃をする気じゃなかったの?」
「それは……そりゃあ、やりたいという気持ちはあるが、私だってモラル意識はある。そんな事はしないぞ」
「ふーん」
ミクは疑わしい視線を向ける。
「ああ! 思い出した。その男の子は、私のコピーから、ヒドい事をされていたのだったのな。そりゃあ、私の姿を見たら怯えても仕方がない。済まなかったな」
ミクもキラも、エラにあっさり謝られて拍子抜けしたようだ。ただ、ミーチャだけはキラの後で怯えている。
その様子を見てミクは言った。
「今のあんたに、悪意はないのは分かったけどさ、見ての通りミーチャが怯えているの。この子は心に深い傷を負っているのよ。悪いけど、《水龍》に戻ってもらえる」
「ああ、そうしたいのだが……」
エラは五十メートル先を併走している《水龍》を指さした。
「あれと接舷してもらわんと戻れないし、今はそれをできる者は……」
甲板中を指さした。
「みんな酔いつぶれている」
「しょうがないなあ」
ミクは懐から人型の憑代を取り出して甲板に投げた。
「出よ! 式神」
人型はムクムクと膨れ上がり金色の竜……オボロに変化。
「さあ、乗って」
ミクはオボロの後にエラを乗せて飛び立った。
まあ、とりあえず僕が出て行かなくても治まったか。
「カイトさん」
ミール、やっと目を覚ましたか。
「あたし、いつの間にか寝ちゃいましたね。さあ、Pちゃんが戻ってくる前に続きを……」
いや、時間切れだ。
「ご主人様、ミールさん。何をやっているんです」
ミールの背後に、怒りに肩を振るわせているPちゃんが立っていた。
ミクがミーチャを指さした。
「それじゃあ、あんたは今、この子に何をしようとしていたのよ?」
「何って……こんな天使みたいな可愛い子がいたら、抱きしめたくなるのが人情というものだろう?」
「それだけ? 抱きしめて、電撃をする気じゃなかったの?」
「それは……そりゃあ、やりたいという気持ちはあるが、私だってモラル意識はある。そんな事はしないぞ」
「ふーん」
ミクは疑わしい視線を向ける。
「ああ! 思い出した。その男の子は、私のコピーから、ヒドい事をされていたのだったのな。そりゃあ、私の姿を見たら怯えても仕方がない。済まなかったな」
ミクもキラも、エラにあっさり謝られて拍子抜けしたようだ。ただ、ミーチャだけはキラの後で怯えている。
その様子を見てミクは言った。
「今のあんたに、悪意はないのは分かったけどさ、見ての通りミーチャが怯えているの。この子は心に深い傷を負っているのよ。悪いけど、《水龍》に戻ってもらえる」
「ああ、そうしたいのだが……」
エラは五十メートル先を併走している《水龍》を指さした。
「あれと接舷してもらわんと戻れないし、今はそれをできる者は……」
甲板中を指さした。
「みんな酔いつぶれている」
「しょうがないなあ」
ミクは懐から人型の憑代を取り出して甲板に投げた。
「出よ! 式神」
人型はムクムクと膨れ上がり金色の竜……オボロに変化。
「さあ、乗って」
ミクはオボロの後にエラを乗せて飛び立った。
まあ、とりあえず僕が出て行かなくても治まったか。
「カイトさん」
ミール、やっと目を覚ましたか。
「あたし、いつの間にか寝ちゃいましたね。さあ、Pちゃんが戻ってくる前に続きを……」
いや、時間切れだ。
「ご主人様、ミールさん。何をやっているんです」
ミールの背後に、怒りに肩を振るわせているPちゃんが立っていた。
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