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第十四章

入れ替わり

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 Pちゃんが司令塔の壁へ映し出した映像に、ナージャの姿が現れた。

「ナージャ。何かあったのか?」
『爺さんの分身体、連れて行かなかったの?』
「え? 連れてきたけど」
『だって、こっちに分身体がいるわよ』
「なに! どういう事だ?」
『いや、森の中に爺さんがいたので捕まえたのだけど、まったく抵抗しないので変だと思ったら、分身体だったのよね』
「カイトさん!」

 ミールの叫び声が聞こえて、後ろを振り返った。

「分身体が、まだ島に残っています!」

 なんだって! それじゃあ、あのジジイは……

「待てえ! このエロジジイ!」

 今、レイホーに追い回されて《水龍》に飛び移ったジジイにデジカメを向けてみた。

 出現消滅していない? という事は本物!

 森の中を行く途中で、分身体と入れ替わっていたのか!

「ミール。今まで、気が付かなかったのか?」
「すみません。今朝からずっと、自立モードにしていたので。今、コントロールしようとして気が付きました」
  
 完全に油断していた。

「きょほほ! ここは美女だらけで天国じゃのう」
「きゃあ!」

 カミラの尻を撫でてさらに逃げ回るジジイ。

 だが、その先にいるのは……

「きょほほ! こっちにも美女がおった」

 ジジイ。確かにここは美女だらけだが、決して天国ではないぞ。

「何をするか! この変態ジジイ!」
「うぎゃああああ!」

 エラの尻を撫でた直後、ジジイは電撃を食らった。

「エラ!」

 僕は《水龍》甲板上にいるエラに向かって叫ぶ。

「そのジジイに関しては手加減無用だ! 死なない程度にやっていい!」
「む! そうか。しかし、ジジイのもだえる顔など、あまり見たくはないが、司令官殿が言うのなら」

「びぎゃああああああ!」

 ジジイが完全に気絶するまで、エラの電撃は続いた。
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