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第十七章
ジェットドローン疾風
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真っ青な海面から五十メートルの高度を、僕達は飛行していた。
空は晴れ渡り視界は良好。
しかし、救出対象のヘリ部隊はまだ見えてこない。
この惑星の直径は地球と大差ないので、この高度だと水平線までの距離は十数キロ。
「まだ遠いな」
と、僕が呟いた時、後方レーダーに反応があった。
「隊長」
隣を飛行していた古淵が声をかけてくる。
「《はくげい》が、ジェットドローン一機を支援に回してくれました」
「ジェットドローン? まだ残っていたのか? ドローンは、すべて要塞攻撃に回したと思っていたが」
「疾風が一機だけ燃料注入が間に合わず、要塞攻撃に出遅れていたそうです」
「それをこっちに回してくれたのか。助かる」
程なくして、僕らの頭上で轟音を立てながらジェットドローンが通り過ぎていく。
もっとも、音が聞こえてきたのはドローンが通り過ぎた後だが……
「古淵さん。疾風の速度はどのくらいですか?」
「確か、マッハ二・三だったかと……」
そりゃあ速い。
「空対空ミサイルも、六発搭載できます。その分、機体が大きくなるのが難点ですね」
疾風から送られてきた映像を、バイザーに表示した。
最初は青空しか映っていなかったが、その一角にいくつもの黒い点が現れる。
映像を拡大して、黒い点がヘリコプターだと分かった。
そのヘリコプターに、多数のドローンが群がっている。
さらに近づくと、ヘリの一機が黒煙を吹いて落ちていく様子が見えた。
乗員が脱出している。
『これ以上は、やらせない!』
今の声は、ドローンを操縦している女性オペレーターのらしいな。
『墜ちろ! 失せろ! このハエ野郎ども!』
かなり、熱い性格のようだ。
「このオペレーター、森田さんの弟子か何かですか?」
「橋本さん。それはどういう意味ですか?」
「いや……森田さんも、戦闘時にこういう過激なセリフを叫びながら攻撃していますので……」
「私、こんな下品なことは言っていません」
芽依ちゃん……自覚していないのか?
そうしている間にも、疾風の放った六発の空対空ミサイルがドローン群に迫る。
ドローン群の中で六つの火球が生じた。
これで少しは敵ドローンの数も……減っていない!?
バカな。ヘリ部隊もかなりの数の敵ドローンを落としているはず……
「隊長、ここを見て下さい」
古淵が、疾風から送られてきた映像の一カ所にマーキングした。
「ワームホールです。敵はここから、次々と増援を送り込んでいます」
くそ! これでは切りがない。
「我々の誰か一人が、ドローン群を迂回してワームホール攻撃に行くしかないか」
「しかし、こちらの戦力をこれ以上減らすと、ヘリ部隊を守り切れません」
ううむ、せめてもう一機ロボットスーツがあれば……矢部がいればなあ……
通信が入ったのはその時。
『北村隊長。応答願います。こちら《はくげい》ドローン部隊所属小机准尉であります』
この声は、さっきのドローンオペレーターだな。
「こちら北村二佐。小机准尉は、疾風のオペレーターだね?」
『はい。私の疾風は、ミサイルも砲弾も撃ち尽くしました。続いての指示をお願いします。なお、当機は着陸に滑走路を必要とするため、《はくげい》への帰還は不可能です』
ということは敵への体当たりか、偵察任務のどっちかだな。
体当たりで落とせるのはせいぜい一機だけ。
それなら、彼女には偵察任務を……
いや、あるじゃないか! 彼女にやってもらいたい任務が……
空は晴れ渡り視界は良好。
しかし、救出対象のヘリ部隊はまだ見えてこない。
この惑星の直径は地球と大差ないので、この高度だと水平線までの距離は十数キロ。
「まだ遠いな」
と、僕が呟いた時、後方レーダーに反応があった。
「隊長」
隣を飛行していた古淵が声をかけてくる。
「《はくげい》が、ジェットドローン一機を支援に回してくれました」
「ジェットドローン? まだ残っていたのか? ドローンは、すべて要塞攻撃に回したと思っていたが」
「疾風が一機だけ燃料注入が間に合わず、要塞攻撃に出遅れていたそうです」
「それをこっちに回してくれたのか。助かる」
程なくして、僕らの頭上で轟音を立てながらジェットドローンが通り過ぎていく。
もっとも、音が聞こえてきたのはドローンが通り過ぎた後だが……
「古淵さん。疾風の速度はどのくらいですか?」
「確か、マッハ二・三だったかと……」
そりゃあ速い。
「空対空ミサイルも、六発搭載できます。その分、機体が大きくなるのが難点ですね」
疾風から送られてきた映像を、バイザーに表示した。
最初は青空しか映っていなかったが、その一角にいくつもの黒い点が現れる。
映像を拡大して、黒い点がヘリコプターだと分かった。
そのヘリコプターに、多数のドローンが群がっている。
さらに近づくと、ヘリの一機が黒煙を吹いて落ちていく様子が見えた。
乗員が脱出している。
『これ以上は、やらせない!』
今の声は、ドローンを操縦している女性オペレーターのらしいな。
『墜ちろ! 失せろ! このハエ野郎ども!』
かなり、熱い性格のようだ。
「このオペレーター、森田さんの弟子か何かですか?」
「橋本さん。それはどういう意味ですか?」
「いや……森田さんも、戦闘時にこういう過激なセリフを叫びながら攻撃していますので……」
「私、こんな下品なことは言っていません」
芽依ちゃん……自覚していないのか?
そうしている間にも、疾風の放った六発の空対空ミサイルがドローン群に迫る。
ドローン群の中で六つの火球が生じた。
これで少しは敵ドローンの数も……減っていない!?
バカな。ヘリ部隊もかなりの数の敵ドローンを落としているはず……
「隊長、ここを見て下さい」
古淵が、疾風から送られてきた映像の一カ所にマーキングした。
「ワームホールです。敵はここから、次々と増援を送り込んでいます」
くそ! これでは切りがない。
「我々の誰か一人が、ドローン群を迂回してワームホール攻撃に行くしかないか」
「しかし、こちらの戦力をこれ以上減らすと、ヘリ部隊を守り切れません」
ううむ、せめてもう一機ロボットスーツがあれば……矢部がいればなあ……
通信が入ったのはその時。
『北村隊長。応答願います。こちら《はくげい》ドローン部隊所属小机准尉であります』
この声は、さっきのドローンオペレーターだな。
「こちら北村二佐。小机准尉は、疾風のオペレーターだね?」
『はい。私の疾風は、ミサイルも砲弾も撃ち尽くしました。続いての指示をお願いします。なお、当機は着陸に滑走路を必要とするため、《はくげい》への帰還は不可能です』
ということは敵への体当たりか、偵察任務のどっちかだな。
体当たりで落とせるのはせいぜい一機だけ。
それなら、彼女には偵察任務を……
いや、あるじゃないか! 彼女にやってもらいたい任務が……
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