転生している場合じゃねぇ!

E.L.L

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「おい」

「…」

「おーい」

「…」

「…」

「…」

「何なんだよ」

「…知ってたんだよね?」

「は?」

「あんた、未来に起こること知ってるんだよね?」

「おい、」

「世界の仕組みなんて知るか
代償なんかいくらでも払ってやる」

「黙れ」

「何でビビが死ぬってわかってて何も言わなかった?!
魔王を倒せ?
何のために?
俺にはこの世界に大事なものなんかない!
この世界なんてどうなっても―」

「黙れって言ってんだ!!」

今まで見た事もないほど険しい口調でそいつは怒鳴ってきた
俺にはもうどうでもいいことだけど

「軽率な発言をするな」

「…」

「世界の縛りはお前の想像を超えて強固だ
一度言った言葉は取り戻せない
一時の感情で動くな」

「…」

「…ビアンカのことは、どう死ぬか、いつ死ぬかは分からなかった」

「…それを、信じろって?」

「好きにしろ」

「…」

玉座のような椅子に沈み込むように座るとあいつは目を閉じた
なんだか覇気がない

「…悪かったよ」

「別に
身近なやつがいなくなると落ち着いてはいられないものだ」

「…うん」

「あと、未来に起こることは―」

「教えられない
代償が必要だから」

「…そうだな」

「辛い立場だよね、知ってても何も出来ないってさ」

「何でそう思う?」

「いや、どうにかしてやりたくなるじゃん?」

「そっちじゃねぇよ」

「え?
ああ
未来が分かるってやつ?」

「そうだ」

「いや、言動で分かるでしょ
そもそも魔王の出現だって未来のことなんだし、その前提がなければ俺ここにいる意味ないし」

「確かに」

「珍しいね
俺の説明に納得するなんて」

「いつものお前の思考が破綻しているからだ」

「酷いな」

少し深呼吸してみた
なんの味もしない、少しひんやりした空気が肺に廻る

「さっきのさ、世界なんてってやつは効いちゃった?」

「いや…」

「よかった
止めてくれてありがとう」

「別に」

この世界にはエルザもユーリもいる

「あ」

「何だ」

「早く戻らないと」

「おう、行け行け」

「エルザは無事?!」

「…生きては、いる」

「爆発に巻き込まれた?!」

「戻って確認しろ
ここでの時間は向こうには加算されない」

「そ、そっか
落ち着いてから行こう」

焦るとろくなことにならない
それなら1つ確認しておくか

「…アシュレイ」

「…は?」

「アシュレイがどこにいるのか教えてくれ」

「は?」

「ビビが探してくれって
魔王と多分関係ないけどビビが探せって言ってたから」

せめて最後のお願いは叶えてやりたい
本みたいなの受け取ったけど、それを渡して欲しいってことなのだろうか
それともあれの中にアシュレイの居場所のヒントが書かれているんだろうか
今から思えば、ビビの放浪癖はアシュレイを探しての事だったのかもしれない

「代償は、払うからさ」

「…そいつは、探さなくていい」

「…」

「魔王とは、関係、ない」

「…手伝っては貰えないみたいだね
でも、これは悪いけど止めない
魔王とか関係なく」
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