21 / 31
21
しおりを挟む
「兄さま、大丈夫?」
「だっ……大丈夫だ、うん」
戦いに臨む気概のイライザの横で、ノアは青い顔をしていた。深呼吸を繰り返しているが、どうにも落ち着かないようだ。
「大丈夫、大丈夫だ……うん。すべてがうまくいくんだ」
まるで自分に言い聞かせるかのようなノアの様子にイライザは不安を覚えるが、首を横に振って気合を入れ直した。
ミケルのおかげで金は用意でき、イライザもノアも自分の身を売るようなことは避けられる。あとはこれからの話し合いが穏便に済めば、問題はすべてが解決できる、はずだ。
「兄さま、しっかりして」
「ああ、うん。……そうだな、私がしっかりしないと」
ノアは自分に言い聞かせるようにつぶやくと、両手で顔を覆う。しばらくして顔を上げたノアの目には、覚悟の色が浮かんでいた。
馬車を降りた二人は中へと案内され、昨日と同じ部屋に通される。
「よくきてくれましたね」
ラーゼル侯爵は昨日と変わらない笑みを浮かべ、変わらない言葉でイライザを迎える。イライザは眉間に僅かに皺を寄せてラーゼル侯爵に目を向けるが、彼はまったく動じることなく笑顔であった。
「心は決まりましたか?」
イライザがその言葉に静かにうなずくと、ラーゼル侯爵は笑みを深める。
「とても潔いですね、感心してしまいます」
煽るような言葉にイライザは怒りが湧き上がるが、なんとか堪えた。そこでノアが一歩前に進み、真剣な表情で一枚の紙を差し出す。
ラーゼル侯爵はそれを受け取って目を通すと、一瞬で表情を歪めた。
「……これは、いったい」
「記載の通り、残りの額は利息を含めてすべて返済の用意ができています」
ラーゼル侯爵の顔が青くなる。ラーゼル侯爵が口を開く前に、ノアは先手をとって言葉を続けた。
「こうしてきっちり、金を用意できたのですから……縁談はなかったことにしていただけますよね?」
「こっ、こんな金、どこから」
「金の出どころは、侯爵様には関係のないところではないでしょうか」
「関係は……関係は、ある! こんな……不正な金は、受け取らない」
「不正などありません。こちらは、銀行から正式に発行された手形です」
「……っ」
ノアは淡々と言葉を返していく。さきほどまで顔を青くして緊張していた男とは大違いだ。
ラーゼル侯爵はなおもなにかを言おうとしたが、まともな言い分がないようで言葉をつまらせる。
「用意した金に不正はありません。お受け取りいただけますよね?」
「受け取らないと言っているだろう!」
「そのような、子どものようなこと……困ります」
ノアの言葉にかっとなったラーゼル侯爵はステッキを手に取った。それに即座に反応したイライザはノアの前に立ち、その背に彼をかばう。
「女が、生意気なっ」
ラーゼル侯爵はステッキを振り上げ、力任せに振り下ろした。イライザはそれを難なくつかみとる。ラーゼル侯爵が引こうとも押そうとも、びくともしなかった。
女だと見下そうと、歳を取った男と日々鍛えている女とでは、力の差は歴然だった。
(こんな程度の男だったの)
昨日までは脅威に見えていたラーゼル侯爵が、ただの矮小な老人にしか見えない。結局のところ、負債を負わせることで自分が有利に立つことしかできないのだろう。
それほど、金の力は大きいとも言えるが。
「……自分の思う通りにいかないからと暴力を振るうとは、感心しませんね」
「生意気な、私をだれだと思っている!」
「ラーゼル侯爵閣下です。その爵位に相応しい振る舞いを、お願い申し上げます」
忌々しい表情を浮かべたラーゼル侯爵はなおも食い下がろうと口を開いた。しかしそこで、外から執事らしき男の慌てた声と複数の足音が聞こえてくる。
イライザもノアも、ラーゼル侯爵もが一斉に扉に目を向けると、扉が乱雑に開かれた。
「なっ、なにごとだ!」
あせるラーゼル侯爵の声に、複数の男たちと共に部屋になだれ込んだ執事が泣きそうな表情で眉を下げる。
(あれは……)
ラーゼル侯爵を囲む男たちの服装に、イライザは見覚えがあった。胸にかかげる紋章は、国に仕える兵の証。
「ラーゼル侯爵」
男たちの中から一人、おそらくこの中ではもっとも立場が高いと思われる人物が前に進み出た。その顔に見覚えがあったイライザは声こそ出さなかったものの、驚き目を見開く。
(王家の騎士が、なぜここに……!?)
サフィール侯爵家の騎士として付き従っていた際に見たことのある、王家に仕える騎士の一人だった。知り合いというほどでもなくただ顔を知っているだけの関係で、彼も同じような認識だろう。
騎士はイライザを一瞥しただけで、すぐにラーゼル侯爵へと目を向ける。彼の冷たい青い双眸に睨まれ、ラーゼル侯爵は肩を震わせてステッキから手を離した。
「あなたには反乱に加担している容疑がかけられています。ご同行を」
「は? ……え?」
あまりにも想定外の言葉だったのだろう、ラーゼル侯爵はぽかんと口を開いて間抜けな声をもらした。しかしすぐに言葉の内容を理解したようで、見る見る間に顔色が悪くなる。
「反乱? ……わ、私が? そんなばかな!」
本当に心当たりがないのか、寝耳に水といったような反応だ。しかしラーゼル侯爵の反応など意に介さず、兵たちは彼を拘束する。さすがにそれに逆らうことはまずいと判断したのだろう、ラーゼル侯爵は顔を青くしながらも大人しく従った。
「金を貸す相手は、少し考えた方がよいですよ」
「……そんな、はずは」
直接的な幇助はなくとも、金銭の支援だけでも十分な罪になる。相手のことを知らなくとも、罪は罪だ。
ここではいいわけをすることなく、ラーゼル侯爵は連行されていく。想定外の状況に驚愕していたのは本人だけでなく、この場に居合わせたイライザもノアも同じであった。
「そちらのお二人も、ご同行願います」
「わっ、私たちは、ただ、侯爵から金を借りていただけの立場でしてっ」
「そのお話も、場所を変えてから聞きます」
「はっ、はい!」
ノアは後ろめたいことはないはずだが、相手の立場に委縮して真っ青だ。相手が王家に仕える騎士なのだから、それも仕方がないことだろう。
イライザは後ろめたいことはなに一つないため、反論することもなく従った。
(今夜は、ミケルと会う約束をしているのに……)
ただ、イライザは今夜のミケルとの約束に間に合うのかだけは気がかりであった。
◆
イライザとノアが解放されたのは、日が暮れて空が暗くなり始めるころだった。二人は連行された施設を出たところで深いため息をつく。
「はぁ……」
ノアは重いため息をつく。取り調べの間終始青い顔をしており、終わったころには仕上げと言わんばかりに疲労が上塗りされていた。
仰々しく連行されたが、取り調べ自体はさほど重々しくなかった。ラチェット伯爵家はラーゼル侯爵から借金をしており、イライザとノアら今日はたまたま居合わせただけ、その事実を確認されたほかはいくつか事情を問われただけで、二人はあっさりと解放された。
何日かは拘束されるかもしれないと覚悟をしていた二人にとっては、意外な対応だった。
どうやら、ラーゼル侯爵は昨夜遅くにまずい相手と取引したらしい。相手が以前から目をつけられていた相手だったため、接触した時点でラーゼル侯爵の未来は決まっていたそうだ。
元々、違法ぎりぎりの金貸しをしていたラーゼル侯爵は叩けばぼろぼろと余罪出てくるようで、罪はかなり重くなるだろう。そんなラーゼル侯爵と親身だった人物らも、今回のことで巻き添えを食ったようだ。
「だっ……大丈夫だ、うん」
戦いに臨む気概のイライザの横で、ノアは青い顔をしていた。深呼吸を繰り返しているが、どうにも落ち着かないようだ。
「大丈夫、大丈夫だ……うん。すべてがうまくいくんだ」
まるで自分に言い聞かせるかのようなノアの様子にイライザは不安を覚えるが、首を横に振って気合を入れ直した。
ミケルのおかげで金は用意でき、イライザもノアも自分の身を売るようなことは避けられる。あとはこれからの話し合いが穏便に済めば、問題はすべてが解決できる、はずだ。
「兄さま、しっかりして」
「ああ、うん。……そうだな、私がしっかりしないと」
ノアは自分に言い聞かせるようにつぶやくと、両手で顔を覆う。しばらくして顔を上げたノアの目には、覚悟の色が浮かんでいた。
馬車を降りた二人は中へと案内され、昨日と同じ部屋に通される。
「よくきてくれましたね」
ラーゼル侯爵は昨日と変わらない笑みを浮かべ、変わらない言葉でイライザを迎える。イライザは眉間に僅かに皺を寄せてラーゼル侯爵に目を向けるが、彼はまったく動じることなく笑顔であった。
「心は決まりましたか?」
イライザがその言葉に静かにうなずくと、ラーゼル侯爵は笑みを深める。
「とても潔いですね、感心してしまいます」
煽るような言葉にイライザは怒りが湧き上がるが、なんとか堪えた。そこでノアが一歩前に進み、真剣な表情で一枚の紙を差し出す。
ラーゼル侯爵はそれを受け取って目を通すと、一瞬で表情を歪めた。
「……これは、いったい」
「記載の通り、残りの額は利息を含めてすべて返済の用意ができています」
ラーゼル侯爵の顔が青くなる。ラーゼル侯爵が口を開く前に、ノアは先手をとって言葉を続けた。
「こうしてきっちり、金を用意できたのですから……縁談はなかったことにしていただけますよね?」
「こっ、こんな金、どこから」
「金の出どころは、侯爵様には関係のないところではないでしょうか」
「関係は……関係は、ある! こんな……不正な金は、受け取らない」
「不正などありません。こちらは、銀行から正式に発行された手形です」
「……っ」
ノアは淡々と言葉を返していく。さきほどまで顔を青くして緊張していた男とは大違いだ。
ラーゼル侯爵はなおもなにかを言おうとしたが、まともな言い分がないようで言葉をつまらせる。
「用意した金に不正はありません。お受け取りいただけますよね?」
「受け取らないと言っているだろう!」
「そのような、子どものようなこと……困ります」
ノアの言葉にかっとなったラーゼル侯爵はステッキを手に取った。それに即座に反応したイライザはノアの前に立ち、その背に彼をかばう。
「女が、生意気なっ」
ラーゼル侯爵はステッキを振り上げ、力任せに振り下ろした。イライザはそれを難なくつかみとる。ラーゼル侯爵が引こうとも押そうとも、びくともしなかった。
女だと見下そうと、歳を取った男と日々鍛えている女とでは、力の差は歴然だった。
(こんな程度の男だったの)
昨日までは脅威に見えていたラーゼル侯爵が、ただの矮小な老人にしか見えない。結局のところ、負債を負わせることで自分が有利に立つことしかできないのだろう。
それほど、金の力は大きいとも言えるが。
「……自分の思う通りにいかないからと暴力を振るうとは、感心しませんね」
「生意気な、私をだれだと思っている!」
「ラーゼル侯爵閣下です。その爵位に相応しい振る舞いを、お願い申し上げます」
忌々しい表情を浮かべたラーゼル侯爵はなおも食い下がろうと口を開いた。しかしそこで、外から執事らしき男の慌てた声と複数の足音が聞こえてくる。
イライザもノアも、ラーゼル侯爵もが一斉に扉に目を向けると、扉が乱雑に開かれた。
「なっ、なにごとだ!」
あせるラーゼル侯爵の声に、複数の男たちと共に部屋になだれ込んだ執事が泣きそうな表情で眉を下げる。
(あれは……)
ラーゼル侯爵を囲む男たちの服装に、イライザは見覚えがあった。胸にかかげる紋章は、国に仕える兵の証。
「ラーゼル侯爵」
男たちの中から一人、おそらくこの中ではもっとも立場が高いと思われる人物が前に進み出た。その顔に見覚えがあったイライザは声こそ出さなかったものの、驚き目を見開く。
(王家の騎士が、なぜここに……!?)
サフィール侯爵家の騎士として付き従っていた際に見たことのある、王家に仕える騎士の一人だった。知り合いというほどでもなくただ顔を知っているだけの関係で、彼も同じような認識だろう。
騎士はイライザを一瞥しただけで、すぐにラーゼル侯爵へと目を向ける。彼の冷たい青い双眸に睨まれ、ラーゼル侯爵は肩を震わせてステッキから手を離した。
「あなたには反乱に加担している容疑がかけられています。ご同行を」
「は? ……え?」
あまりにも想定外の言葉だったのだろう、ラーゼル侯爵はぽかんと口を開いて間抜けな声をもらした。しかしすぐに言葉の内容を理解したようで、見る見る間に顔色が悪くなる。
「反乱? ……わ、私が? そんなばかな!」
本当に心当たりがないのか、寝耳に水といったような反応だ。しかしラーゼル侯爵の反応など意に介さず、兵たちは彼を拘束する。さすがにそれに逆らうことはまずいと判断したのだろう、ラーゼル侯爵は顔を青くしながらも大人しく従った。
「金を貸す相手は、少し考えた方がよいですよ」
「……そんな、はずは」
直接的な幇助はなくとも、金銭の支援だけでも十分な罪になる。相手のことを知らなくとも、罪は罪だ。
ここではいいわけをすることなく、ラーゼル侯爵は連行されていく。想定外の状況に驚愕していたのは本人だけでなく、この場に居合わせたイライザもノアも同じであった。
「そちらのお二人も、ご同行願います」
「わっ、私たちは、ただ、侯爵から金を借りていただけの立場でしてっ」
「そのお話も、場所を変えてから聞きます」
「はっ、はい!」
ノアは後ろめたいことはないはずだが、相手の立場に委縮して真っ青だ。相手が王家に仕える騎士なのだから、それも仕方がないことだろう。
イライザは後ろめたいことはなに一つないため、反論することもなく従った。
(今夜は、ミケルと会う約束をしているのに……)
ただ、イライザは今夜のミケルとの約束に間に合うのかだけは気がかりであった。
◆
イライザとノアが解放されたのは、日が暮れて空が暗くなり始めるころだった。二人は連行された施設を出たところで深いため息をつく。
「はぁ……」
ノアは重いため息をつく。取り調べの間終始青い顔をしており、終わったころには仕上げと言わんばかりに疲労が上塗りされていた。
仰々しく連行されたが、取り調べ自体はさほど重々しくなかった。ラチェット伯爵家はラーゼル侯爵から借金をしており、イライザとノアら今日はたまたま居合わせただけ、その事実を確認されたほかはいくつか事情を問われただけで、二人はあっさりと解放された。
何日かは拘束されるかもしれないと覚悟をしていた二人にとっては、意外な対応だった。
どうやら、ラーゼル侯爵は昨夜遅くにまずい相手と取引したらしい。相手が以前から目をつけられていた相手だったため、接触した時点でラーゼル侯爵の未来は決まっていたそうだ。
元々、違法ぎりぎりの金貸しをしていたラーゼル侯爵は叩けばぼろぼろと余罪出てくるようで、罪はかなり重くなるだろう。そんなラーゼル侯爵と親身だった人物らも、今回のことで巻き添えを食ったようだ。
99
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界転移した私、なぜか全員に溺愛されています!?
きゅちゃん
恋愛
残業続きのOL・佐藤美月(22歳)が突然異世界アルカディア王国に転移。彼女が持つ稀少な「癒しの魔力」により「聖女」として迎えられる。優しく知的な宮廷魔術師アルト、粗野だが誠実な護衛騎士カイル、クールな王子レオン、最初は敵視する女騎士エリアらが、美月の純粋さと癒しの力に次々と心を奪われていく。王国の危機を救いながら、美月は想像を絶する溺愛を受けることに。果たして美月は元の世界に帰るのか、それとも新たな愛を見つけるのか――。
女嫌いの騎士は呪われた伯爵令嬢を手放さない
魚谷
恋愛
実母を亡くし、父と再婚した義母とその連れ子の義妹に虐げられていた伯爵令嬢アリッサ・テュール・ヴェラは、許嫁であるリンカルネ王国の国王ヨアヒム・グラントロ・リンカルネの結婚式の最中、その身に突如として謎の刻印をきざまれてしまう。
人々はそれを悪魔とつがった証と糾弾し、アリッサは火あぶりにされることに。
しかしそんなアリッサを救ったのは、魔術師で構成される銀竜騎士団の副団長、シュヴァルツだった。
アリッサの体に刻まれた刻印は、色欲の呪紋と呼ばれるもので、これを解呪するには、その刻印を刻んだ魔術師よりも強い魔力を持つ人物の体液が必要だと言われる。
そしてアリッサの解呪に協力してくれるのは、命の恩人であるシュヴァルツなのだが、彼は女嫌いと言われていて――
※R18シーンには★をつけます
※ムーンライトノベルズで連載中です
男装獣師と妖獣ノエル ~騎士団で紅一点!? 幼馴染の副隊長が過保護です~
百門一新
恋愛
幼い頃に両親を失ったラビィは、男装の獣師だ。実は、動物と話せる能力を持っている。この能力と、他の人間には見えない『黒大狼のノエル』という友達がいることは秘密だ。
放っておかないしむしろ意識してもらいたいのに幼馴染枠、の彼女を守りたいし溺愛したい副団長のセドリックに頼まれて、彼の想いに気付かないまま、ラビは渋々「少年」として獣師の仕事で騎士団に協力することに。そうしたところ『依頼』は予想外な存在に結び付き――えっ、ノエルは妖獣と呼ばれるモノだった!?
大切にしたすぎてどう手を出していいか分からない幼馴染の副団長とチビ獣師のラブ。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ」「カクヨム」にも掲載しています。
『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。
カヨワイさつき
恋愛
「えっ?ない?!」
なんで?!
家に帰ると出し忘れたゴミのように、ビニール袋がポツンとあるだけだった。
自分の誕生日=中学生卒業後の日、母親に捨てられた私は生活の為、年齢を偽りバイトを掛け持ちしていたが……気づいたら見知らぬ場所に。
黒は尊く神に愛された色、白は"色なし"と呼ばれ忌み嫌われる色。
しかも小柄で黒髪に黒目、さらに女性である私は、皆から狙われる存在。
10人に1人いるかないかの貴重な女性。
小柄で黒い色はこの世界では、凄くモテるそうだ。
それに対して、銀色の髪に水色の目、王子様カラーなのにこの世界では忌み嫌われる色。
独特な美醜。
やたらとモテるモブ顔の私、それに気づかない私とイケメンなのに忌み嫌われている、不器用な公爵様との恋物語。
じれったい恋物語。
登場人物、割と少なめ(作者比)
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
【完結】 「運命の番」探し中の狼皇帝がなぜか、男装中の私をそばに置きたがります
廻り
恋愛
羊獣人の伯爵令嬢リーゼル18歳には、双子の兄がいた。
二人が成人を迎えた誕生日の翌日、その兄が突如、行方不明に。
リーゼルはやむを得ず兄のふりをして、皇宮の官吏となる。
叙任式をきっかけに、リーゼルは皇帝陛下の目にとまり、彼の侍従となるが。
皇帝ディートリヒは、リーゼルに対する重大な悩みを抱えているようで。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる