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【第1章】

真実

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『ピピッピピッ、ピピッピピッ』




アラームが鳴った。


(え……)



ふと、腕を見てみた。






【 60% 】



(夢じゃなかったんだ………)


親友のユウは、あれから音信不通になり行方不明になった。


学校に行くと、そこには杏が居た。 


ケイ「おはよう~」
アン「…………。」



杏は知らない人を見るかのように、返事をしなかった。



ケイ(え…シカト?なんで??)



思わず感情的になってしまった。



ケイ「おい、シカトすんなよ!」

 
『ビビビビビーーー!!!』



(えっ!!!)



すぐに腕時計を見た。






【  30%  】



(やばい…あと1回で死んでしまう……)

(あんな事で反応するの?……何かいい事をしないと…)  


ケイは杏に近づいてこう言った。


「俺に何か手伝ってほしい事とか、なんか…なんでもいいから。俺に何かできない?」


(あっ……)



ユウの事を思い出した。



アン「ちょっといいですか…?」

ケイ「なんだい……」



すると杏は言った。



「まだ気付かないの?あなたが生きようとすれば死ぬ人もいるし、あなたが死ねば生きれる人もいるって事を。」



ケイは全身が震えた。



(まさか……自分以外の人も俺と同じく選ばれてたってこと……)



すると杏は、続けてこう言った。



「あなたは【感謝】を求めている。親友のユウ君は【敬い】を求めていた。人それぞれ違うんだよ。」


すると杏は全身の力が抜け、地面に倒れこんだ。


ユウ「おい!!!!!!武家井さん!大丈夫!?」




杏は完全に意識が無くなっていた。



(まさか……)



ユウは気付いてしまった。

自分以外も全員手紙が届いていたことに。

そして、それぞれの感情の種類も違う。

他人に話しても、0%になっても死んでしまう事を。



(これって……)


ユウは今までの事を思い出した。 



空き缶を捨てた時……
ぶつかって、ハンカチを渡した時……
知らないおじさんに怒られた時……
親友と電話した時……
杏が秘密を言った時…… 


全てが繋がった。


(だからあの時……)


ユウは怖くなって走って家に向かった。


その途中ゴミ拾いのおじさんが居た。


おじさん「おっ、あの時ゴミを捨てた子じゃねーか。あの時はありがとな。ゴミは捨てちゃダメだぜ?笑」

不気味な笑みを浮かべている。


ユウは気付いていた。あの時ゴミを拾っているおじさんが近くにいた事を。


ユウ(くそっ。みんな欲にまみれてやがる…)



思わず近くに落ちていた空き缶を蹴ってしまった。





『ビビビビビーーー!!!』



おじさん「ひゃあハッハッハ!!!ありがとよ、小僧~!!」




【  0%  】




ユウは意識が無くなっていった…。












『ピピッピピッ、ピピッピピッ』








アラームが鳴った。




 



(んーー、朝か…)








いつもと変わらない朝が始まった。










(今日から東京で一人暮らしか~。東京人多すぎじゃん!)


(なんか初めてじゃない気がするな~笑)



【  END  】
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