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016
祖父の誕生日が終わり、僕は理光と両親を連れて都会に戻った。
母はすんなり受け入れてくれたが、父だけは理光を見るたびにどうしても気に入らない様子だった。
理光は、当然のように僕と同じ部屋で寝るつもりで荷物を運び込もうとしていた。
しかし、父が茶碗を手に冷たい顔で僕の部屋の前を通り、隣の客間を開けると——
「客人が来るんだ。どうして一緒に寝る必要がある!」
父の視線を一瞥した理光は、瞬時に軍人のように背筋をピンと伸ばし、荷物を持って素直に客間へ向かっていった。
母は肩をすくめ、僕は思わず笑ってしまった。
夜、リビングで水を注ごうとした時、台所から母が父を諭している声が聞こえてきた。
「理光くん、いい子なのよ。男の子だから子供は産めないけど、今はもう跡継ぎとか気にしなくてもいいじゃない。
子供が幸せなら、それでいいの。私たちがずっと口を出せるわけじゃないし、いつかは独り立ちするんだから。」
父は冷たい顔で横に立ち、布巾で皿を拭きながら答えた。
「理屈は分かる。
でもあの子がどうも気に入らないんだ。二十年以上育てた息子が、あの子に簡単に騙されるなんて許せない。
目を離せない。息子の部屋に忍び込ませるわけにはいかない。」
そう言い残して布巾を投げ、リビングに向かおうとした父を母が引き止めた。
「じゃあ客間に泊まればいいじゃない!」
父は振りほどき、真剣な顔で言った。
「男の人のことは分からんからな! 俺たちが付き合ってた頃だって、毎日お前について回りたかったんだ。
今同じ屋根の下にいるんだから、息子に近づくなって言う方が無理だ!」
外で聞きながら、僕は笑いをこらえ、部屋に戻った。
しばらくすると、父は予想どおり、二つの牛乳カップを持ってやってきた。
部屋に入ると、まず中の様子を素早く確認し、隣の部屋へ移動する。
理光が客間の扉を開けるのを見て、ようやく安心して自分の部屋に戻っていった。
父が戻った直後、携帯が鳴る。
——「早く! 彼氏、緊急!」
ゆっくり返信する。
——「父が一緒に住むのを許してくれない」
即座に返事が来る。
——「今、扉の外にいる。いつ見つかるか分からない! 彼氏、助けて!」
スリッパを履き、ゆっくり扉へ向かう。
扉を開けた瞬間、影が素早く僕の横から飛び込み、手に持った枕をベッドに叩きつけた。
逆手で僕を扉に押さえつけ、飢えた狼のように唇を奪ってくる。
しばらくして、理光は息を整えながら僕の顔を両手で包んだ。
「不思議だね、一日中一緒にいたのに。
でもやっぱり、すごく会いたかった。」
頭上の灯りが輪を描き、理光の瞳に僕が映り、その中には満点の星のような愛情が溢れていた。
僕は初めて彼の首に腕を回し、唇を重ねる。
「僕もだよ。」
母はすんなり受け入れてくれたが、父だけは理光を見るたびにどうしても気に入らない様子だった。
理光は、当然のように僕と同じ部屋で寝るつもりで荷物を運び込もうとしていた。
しかし、父が茶碗を手に冷たい顔で僕の部屋の前を通り、隣の客間を開けると——
「客人が来るんだ。どうして一緒に寝る必要がある!」
父の視線を一瞥した理光は、瞬時に軍人のように背筋をピンと伸ばし、荷物を持って素直に客間へ向かっていった。
母は肩をすくめ、僕は思わず笑ってしまった。
夜、リビングで水を注ごうとした時、台所から母が父を諭している声が聞こえてきた。
「理光くん、いい子なのよ。男の子だから子供は産めないけど、今はもう跡継ぎとか気にしなくてもいいじゃない。
子供が幸せなら、それでいいの。私たちがずっと口を出せるわけじゃないし、いつかは独り立ちするんだから。」
父は冷たい顔で横に立ち、布巾で皿を拭きながら答えた。
「理屈は分かる。
でもあの子がどうも気に入らないんだ。二十年以上育てた息子が、あの子に簡単に騙されるなんて許せない。
目を離せない。息子の部屋に忍び込ませるわけにはいかない。」
そう言い残して布巾を投げ、リビングに向かおうとした父を母が引き止めた。
「じゃあ客間に泊まればいいじゃない!」
父は振りほどき、真剣な顔で言った。
「男の人のことは分からんからな! 俺たちが付き合ってた頃だって、毎日お前について回りたかったんだ。
今同じ屋根の下にいるんだから、息子に近づくなって言う方が無理だ!」
外で聞きながら、僕は笑いをこらえ、部屋に戻った。
しばらくすると、父は予想どおり、二つの牛乳カップを持ってやってきた。
部屋に入ると、まず中の様子を素早く確認し、隣の部屋へ移動する。
理光が客間の扉を開けるのを見て、ようやく安心して自分の部屋に戻っていった。
父が戻った直後、携帯が鳴る。
——「早く! 彼氏、緊急!」
ゆっくり返信する。
——「父が一緒に住むのを許してくれない」
即座に返事が来る。
——「今、扉の外にいる。いつ見つかるか分からない! 彼氏、助けて!」
スリッパを履き、ゆっくり扉へ向かう。
扉を開けた瞬間、影が素早く僕の横から飛び込み、手に持った枕をベッドに叩きつけた。
逆手で僕を扉に押さえつけ、飢えた狼のように唇を奪ってくる。
しばらくして、理光は息を整えながら僕の顔を両手で包んだ。
「不思議だね、一日中一緒にいたのに。
でもやっぱり、すごく会いたかった。」
頭上の灯りが輪を描き、理光の瞳に僕が映り、その中には満点の星のような愛情が溢れていた。
僕は初めて彼の首に腕を回し、唇を重ねる。
「僕もだよ。」
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