目覚めたら、婚約破棄をされた公爵令嬢になっていた

ねむ太朗

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69 生還

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 それからさらに歩く事一時間程。

「あっ、あれ……? 何か聞こえて来ませんか」

 立ち止まるローサとフレデリク。
 二人が耳を澄ますと聞こえて来たのは足音だった。

「足音だ!」

「護衛の方達でしょうか」

「たぶんそうだ。ローサさん見……コホン。ローサさん見えたか? 護衛達の姿が」

 ローサさん見守り隊かもしれないと言いかけて、慌てて言い直したフレデリク。

「まだ見えませんね。もう少し音がする方に行ってみましょう」

「ああ」

 歩く事数分。

「フレデリク殿下! ご無事で! 申し訳ごさいませんでした」

「いや、私達も悪かった。気にする必要はない」

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。私のせいなんです」

 無事に護衛達と合流する事が出来た二人は、離宮に帰って来る事が出来た。

「姉さん、フレデリク殿下、おかえりなさい」

「ジョンウィル、体調が良くなったのね」

「いや、今は体がだるくて……ゲホッッ」

「そうなのね……」

 あまりにも暗い顔をしたローサにジョンウィルは慌てた。

「で、でも、熱は出なかったし夕食は一緒に食べられるよ」

「まあ、そうなの! お昼ご飯を食べていないからすごくお腹が空いているの。ジョンウィルと一緒に食べられるの嬉しいわ」

「えっ! 姉さんお昼食べてないの? もう夕方だよ」

「あーうん。壺の岩洞窟で迷子になってしまったの」

「どうやったら観光地で迷子になるのさ。護衛もフレデリク殿下もいたんだよね」

 訝しげな顔でローサを見たジョンウィル。

「えーと……幻のマドンナリリーを求めて、フレデリク殿下の手を引いて洞窟の奥深へ駆け出したのよ」

「…………。かっこよく言ってるみたいだけど、姉さんの勝手な行動で、フレデリク殿下と護衛の方達を巻き込んで迷子になったって事でしょ」

「迷子になったのは、私とフレデリク殿下だけよ」

「偉そうに言わない。はあ……」

「お嬢様! 羽目をはずしすぎないようにと申し上げましたのに」

 話を聞いていたリタが声を上げた。

「えっと……」

「えっとではありません! ですから、私はお嬢様の側に付き添うと言ったのです。最近のお嬢様は、楽しくなると周りが………………聞いていますか? ですから、私が言いたいのは…………」

 リタのお説教がしばらく続いたのは言うまでもない。

 次の日の朝になった。
 ローサは食堂でジョンウィルとフレデリクに会った。

「まだ体が辛いのね……」

「うん。今日も休むよ。ゲホッッ」

「分かったわ。明日は帰る日だけど、無理そうならフレデリク殿下にお願」

「姉さん! 僕……明日は元気になる気がする。体のだるさだけだから」

 ジョンウィルはローサの話を遮って、明日は帰れる事を伝えた。

「そう。ならいいのだけれど……今日は看病をするわね」

「大丈夫だよ。体のだるさと軽い咳だけだから」

「そう、分かったわ」

「うん。リタを今日も…………」

 ジョンウィルはリタの顔を見た途端に言葉が出て来なくなった。

「お坊ちゃま。私の仕事はお嬢様を見守る事です。いいですか? 羽目を外しすぎないように見守る事です」

「……はい。今日は一人でゆっくりするよ。リタ。姉さんの事をよろしくね」

「かしこまりました」

 朝食と支度を済ませたローサ達。
 ローサとフレデリクとリタを乗せた馬車が走り出した。
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