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105 フェナンテス王国からの使者
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それは突然の出来事だった。
フェナンテス王国から使節団がやって来た時の事。
使者に銀色の髪の俳優をしている人物に会わせて欲しいと言われたのだ。
フレデリクがレイに連絡をし、レイが王宮に呼ばれた。
「おお! 見事な白銀ですな。それに行方不明中の王女様の面影もあります。お母様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「はぁ……マリアナと申します」
「マリーアネルド様に名前が似ておりますな! では、お父上の名前はカインではないでしょうか?」
「はい。そうですが……」
「すぐに会わせて頂けないでしょうか?」
レイは困った顔をした。
農業をしているので、王都に来る事は難しい事を伝えると、使者は迎えに行くと言い出したのだった。
現在、王宮にある一室でローサとフレデリクとレイが話し合いをしている。
「えっ? どう言う事ですか?」
ローサはたった今、話を聞いて驚いた顔をしている。
「フェナンテス王国の使者の方がレイのお母様に会いたいらしい」
「何故ですか?」
「それは……実は今フェナンテス王国は今、大変な事になっているみたいで、二十年程前に行方不明になった王女様を探しているんだ」
「えっ、今さらですか?」
ローサとレイは顔を見合わせた。
フレデリクの話はこうだった。
少し前の事。
フェナンテス王国で王位継承権の争いが起こった。
第二王子が第一王子の王太子を毒殺して王位を得ようとしたが、第二王子が犯人と言う証拠が出て来た。
よって、現在第二王子は幽閉中。
困った事にフェナンテス国王の子どもは、男児が二人だった。
フェナンテス国王には、二十年程前に王宮から逃げ出した妹のマリーアネルドが居た。
マリーアネルドが何処かで生きていて、男の子のを生んでいれば、彼が王位継承権第一位となる。
しかし、王になる者は銀色の髪ではならない。銀髪はこの国では特権階級の証だからだ。
王族だけではなく、貴族も銀髪にこだわるこの国では、別の髪の色の人間が王になれば暴動が起こるだろう。
もし、マリーアネルドが男児を生んでいなければ、次の王位継承権がかなり遠い親戚の伯爵家の人物となる。
そしてマリーアネルド失踪から、ずいぶんと月日が経った今、かなりの人数をの人を使い、捜索を始めた。
使者はマリーアネルドを探しに旅に出た人物の一人で、他国に居る時にエナンセア王国の舞台俳優が銀髪でかっこいいと言う噂を耳にして、ここまでたどり着いたようだ。
「……なるほど。分かりました。では、レイは王子様って事ですか」
「その可能性は高いんじゃないかな?」
ローサとフレデリクはレイの顔を見た。
レイは戸惑った顔をしている。
「ちょっ、ちょっと待てよ。かーちゃんは農作業をしているんだぞ。王女様に農作業が出来ると思うか?」
「……確かに。でも、レイの髪の色ってとても珍しいんだって。銀髪同士で結婚をしないと中々生まれないって、フレデリク殿下が昔言っていたわよ」
「うーん。父ちゃんも銀髪だからな……」
レイは腕を組んで困った顔をした。
「それにしても、フェナンテス王国でないのに、銀髪同士で巡り会ってレイが生まれるなんて奇跡よね。ほら、今は銀髪の人間はほとんどフェナンテス王国にしかいないって、言っていたでしょう?」
ローサは目をキラキラさせてフレデリクを見た。
「もし……レイのお母様がマリーアネルド様だったら不思議な事ではないんだ」
フレデリクは使者から聞いた話を語り始めた。
フェナンテス王国から使節団がやって来た時の事。
使者に銀色の髪の俳優をしている人物に会わせて欲しいと言われたのだ。
フレデリクがレイに連絡をし、レイが王宮に呼ばれた。
「おお! 見事な白銀ですな。それに行方不明中の王女様の面影もあります。お母様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「はぁ……マリアナと申します」
「マリーアネルド様に名前が似ておりますな! では、お父上の名前はカインではないでしょうか?」
「はい。そうですが……」
「すぐに会わせて頂けないでしょうか?」
レイは困った顔をした。
農業をしているので、王都に来る事は難しい事を伝えると、使者は迎えに行くと言い出したのだった。
現在、王宮にある一室でローサとフレデリクとレイが話し合いをしている。
「えっ? どう言う事ですか?」
ローサはたった今、話を聞いて驚いた顔をしている。
「フェナンテス王国の使者の方がレイのお母様に会いたいらしい」
「何故ですか?」
「それは……実は今フェナンテス王国は今、大変な事になっているみたいで、二十年程前に行方不明になった王女様を探しているんだ」
「えっ、今さらですか?」
ローサとレイは顔を見合わせた。
フレデリクの話はこうだった。
少し前の事。
フェナンテス王国で王位継承権の争いが起こった。
第二王子が第一王子の王太子を毒殺して王位を得ようとしたが、第二王子が犯人と言う証拠が出て来た。
よって、現在第二王子は幽閉中。
困った事にフェナンテス国王の子どもは、男児が二人だった。
フェナンテス国王には、二十年程前に王宮から逃げ出した妹のマリーアネルドが居た。
マリーアネルドが何処かで生きていて、男の子のを生んでいれば、彼が王位継承権第一位となる。
しかし、王になる者は銀色の髪ではならない。銀髪はこの国では特権階級の証だからだ。
王族だけではなく、貴族も銀髪にこだわるこの国では、別の髪の色の人間が王になれば暴動が起こるだろう。
もし、マリーアネルドが男児を生んでいなければ、次の王位継承権がかなり遠い親戚の伯爵家の人物となる。
そしてマリーアネルド失踪から、ずいぶんと月日が経った今、かなりの人数をの人を使い、捜索を始めた。
使者はマリーアネルドを探しに旅に出た人物の一人で、他国に居る時にエナンセア王国の舞台俳優が銀髪でかっこいいと言う噂を耳にして、ここまでたどり着いたようだ。
「……なるほど。分かりました。では、レイは王子様って事ですか」
「その可能性は高いんじゃないかな?」
ローサとフレデリクはレイの顔を見た。
レイは戸惑った顔をしている。
「ちょっ、ちょっと待てよ。かーちゃんは農作業をしているんだぞ。王女様に農作業が出来ると思うか?」
「……確かに。でも、レイの髪の色ってとても珍しいんだって。銀髪同士で結婚をしないと中々生まれないって、フレデリク殿下が昔言っていたわよ」
「うーん。父ちゃんも銀髪だからな……」
レイは腕を組んで困った顔をした。
「それにしても、フェナンテス王国でないのに、銀髪同士で巡り会ってレイが生まれるなんて奇跡よね。ほら、今は銀髪の人間はほとんどフェナンテス王国にしかいないって、言っていたでしょう?」
ローサは目をキラキラさせてフレデリクを見た。
「もし……レイのお母様がマリーアネルド様だったら不思議な事ではないんだ」
フレデリクは使者から聞いた話を語り始めた。
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