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110 真実
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「人を殺してまで手に入れた王位に何の意味があるんだ。兄上はそこまで王位に魅力を感じるのか?」
「確かに、フレデリクの言う通りだな。だか、私が王にならねば母上が報われないんだ」
「母上? ビアンカ様が? ビアンカ様は兄上が王になる事を望んだのか」
「いや。望んだのは私だ。しかし、母上を見ていると私が王にならなければと思った」
フレデリクは不思議そうな顔をしてアルカインを見た。
「母上は私を生む為に王家に嫁いで来たのに、フレデリクが生まれた後は父上に冷遇されていた」
「えっ……」
初めて知った事実にフレデリクは言葉を失った。
「だからどうしても私が王にならなければと思った」
「待って。冷遇って……何をされていたんだ?」
「公の場ではさり気なく、廊下ですれ違った時には堂々と母上を睨んでいた」
「……それって……ビアンカ様も父上を睨んでない?」
「ああ。母上は強いからな。母上が父上を睨み返す姿を見て、一人王宮で戦う母を見たら胸が痛くなった。なんの為に母は嫁いで来たんだろうって」
フレデリクは頭を抱えた。
「えっと……何処から誤解を解いたらいいのか分からないけど……結論から言うと、父上とビアンカ様が睨み合っているのは、恋のライバルだから」
「は?」
アルカインは、ぽかんとした顔をした。
「子ども頃にあまりにも母上とビアンカ様が仲が良いから、母上や父上に聞いたんだ。母上は曖昧に答えたけれど、父上はこう答えたんだ。アマリリスとの時間をビアンカにたくさん与える条件で嫁いで来てもらったって」
アルカインは首を傾げた。
「子どもの頃は理解出来なかったが、ある程度大人になったら理解出来た。ビアンカ様は父上が好きで結婚をしたのではなく、母上が好きで父上と結婚をしたんだ」
アルカインは目を見開いた。
「ビアンカ様も母上もうまく隠しているから気付けなかったのは分かるけれど……」
フレデリクは親のいざこざが原因で、ローサフェミリアが亡くなったと思うとやるせない気持ちになった。
「母上が好きなのはアマリリス様……父上は恋のライバル……」
「そう。だから、兄上が王になったらビアンカ様は喜ぶとは思うけど、冷遇うんぬんとはまた別の話と言うか、私が知ってるビアンカ様は、毎日に母上との時間をとても充実して過ごしていると言うか……私はあの二人が一緒にいるのを見るのが嫌で定期的に自分の屋敷に逃げているのだが……」
アルカインはフレデリクの話を聞いているのか、魂が抜けたように座っていた。
「兄上は王になりたい?」
「王に? なりたくない。……と言うかどうでも良くなった。私が王太子になれば母上は今より王宮で暮らしやすくなると思ったが……」
「うん。兄上が王太子になってもならなくてもビアンカ様は、母上と充実した毎日を過ごすだろうね」
フレデリクは遠い目をした。
「フレデリク……私を殺してくれ」
「えっ……」
「それしか償い方が分からない」
「ローサさんはそんな事望まない。ローサフェミリアもそうだと思う。それに私が兄上を殺せば、兄上の婚約者が悲しむ。もちろんビアンカ様も」
「だが……しかし……」
フレデリクは悲しそうな目をしてアルカインを見た。
「兄上……生きて償え。幸い、悪魔さんが娯楽の為にやった事でローサフェミリアは別の世界で生きている。だから、兄上は国の為に働け。死んで償うのは私が許さない」
「……分かった」
後日。アルカインはローサに謝罪をした後に王位継承権を放棄した。
これには国中の貴族達が驚いた。
そして、フレデリクが王太子となった。
アルカインは寿命が来るその時まで国の為に必死になって働いた。
アルカインは結婚をし、ルチアナとの間に一人娘を授かる。
しかし、思いの外寿命が短く、娘が成人をする姿を見たかったと言い残し、三十六歳の若さでこの世を去った。
「確かに、フレデリクの言う通りだな。だか、私が王にならねば母上が報われないんだ」
「母上? ビアンカ様が? ビアンカ様は兄上が王になる事を望んだのか」
「いや。望んだのは私だ。しかし、母上を見ていると私が王にならなければと思った」
フレデリクは不思議そうな顔をしてアルカインを見た。
「母上は私を生む為に王家に嫁いで来たのに、フレデリクが生まれた後は父上に冷遇されていた」
「えっ……」
初めて知った事実にフレデリクは言葉を失った。
「だからどうしても私が王にならなければと思った」
「待って。冷遇って……何をされていたんだ?」
「公の場ではさり気なく、廊下ですれ違った時には堂々と母上を睨んでいた」
「……それって……ビアンカ様も父上を睨んでない?」
「ああ。母上は強いからな。母上が父上を睨み返す姿を見て、一人王宮で戦う母を見たら胸が痛くなった。なんの為に母は嫁いで来たんだろうって」
フレデリクは頭を抱えた。
「えっと……何処から誤解を解いたらいいのか分からないけど……結論から言うと、父上とビアンカ様が睨み合っているのは、恋のライバルだから」
「は?」
アルカインは、ぽかんとした顔をした。
「子ども頃にあまりにも母上とビアンカ様が仲が良いから、母上や父上に聞いたんだ。母上は曖昧に答えたけれど、父上はこう答えたんだ。アマリリスとの時間をビアンカにたくさん与える条件で嫁いで来てもらったって」
アルカインは首を傾げた。
「子どもの頃は理解出来なかったが、ある程度大人になったら理解出来た。ビアンカ様は父上が好きで結婚をしたのではなく、母上が好きで父上と結婚をしたんだ」
アルカインは目を見開いた。
「ビアンカ様も母上もうまく隠しているから気付けなかったのは分かるけれど……」
フレデリクは親のいざこざが原因で、ローサフェミリアが亡くなったと思うとやるせない気持ちになった。
「母上が好きなのはアマリリス様……父上は恋のライバル……」
「そう。だから、兄上が王になったらビアンカ様は喜ぶとは思うけど、冷遇うんぬんとはまた別の話と言うか、私が知ってるビアンカ様は、毎日に母上との時間をとても充実して過ごしていると言うか……私はあの二人が一緒にいるのを見るのが嫌で定期的に自分の屋敷に逃げているのだが……」
アルカインはフレデリクの話を聞いているのか、魂が抜けたように座っていた。
「兄上は王になりたい?」
「王に? なりたくない。……と言うかどうでも良くなった。私が王太子になれば母上は今より王宮で暮らしやすくなると思ったが……」
「うん。兄上が王太子になってもならなくてもビアンカ様は、母上と充実した毎日を過ごすだろうね」
フレデリクは遠い目をした。
「フレデリク……私を殺してくれ」
「えっ……」
「それしか償い方が分からない」
「ローサさんはそんな事望まない。ローサフェミリアもそうだと思う。それに私が兄上を殺せば、兄上の婚約者が悲しむ。もちろんビアンカ様も」
「だが……しかし……」
フレデリクは悲しそうな目をしてアルカインを見た。
「兄上……生きて償え。幸い、悪魔さんが娯楽の為にやった事でローサフェミリアは別の世界で生きている。だから、兄上は国の為に働け。死んで償うのは私が許さない」
「……分かった」
後日。アルカインはローサに謝罪をした後に王位継承権を放棄した。
これには国中の貴族達が驚いた。
そして、フレデリクが王太子となった。
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アルカインは結婚をし、ルチアナとの間に一人娘を授かる。
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