エルーシアの物語

ねむ太朗

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  やっとお姉様から話を聞く日になった。
  昼食後にお姉様が部屋に来た。
  今は部屋の中に私とお姉様の二人きり。

「なんだか緊張するわね」

「お姉様、はやく話して」

  お姉様の手には、ポトッと落ちて来た本があった。

  プラメル家にもあったのね!

  お姉様は全てを話してくれた。
  私の中で全てが繋がった瞬間だった。
  ディリック様達が陛下に呼ばれたのは、精霊エミリア様に聞かないと、願いが叶うのか分からない事を、説明する為だったらしい。
  この国の国民の私は、陛下の許可さえおりれば、誰から伝えても良かったから、身近にいたお姉様だったらしい。
  ディリック様の願いが叶うのかは、三日後にみんなでリーベル公爵家に行き、精霊エミリア様に聞いてみないと分からないらしい。

「だから、エルーシアも会いに行くわよ!」

「えっ!  私、関係ないわよ」

「関係あるでしょ。不思議探しをしていたんだから」

「うっ……確かに」

  残念な事にみんなとやに、私も含まれるらしい……
  きっと陛下とフォンダーン王国の国王がいるだろう……今から、憂鬱になってきた。

  それから、お姉様はここ最近見てきた笑顔の中で、一番うれしそうな顔をした。

「ようこそ!  嘘つきの仲間入りね」

「えっ、その表現全然うれしくないわ。いやよ、嘘つきなんて」

「仕方がないじゃない。ほとんどの人達が知らないんだから。大丈夫よ。大抵の事は、知らぬ存ぜぬでなんとかなるから」

「だから、嘘つきなのね……」

「うれしいわ。同世代の嘘つき仲間」

「だから、その表現なんか嫌」

  私の言葉を聞いたお姉様は、少し首をかしげてから続きを話した。

「うーん。人ならざるもの愛好会?」

「……嘘つきでいいです」

  それからお姉様は、図書室とかで本をいきなり落とすのはやめて欲しいわよねー。と言っていた。
  私の時も、精霊エミリア様の仕業らしい。

  ん?  なぜ精霊エミリア様が私を見ていたの?
  お姉様の場合は、審査をしていたらしい。

「お姉様、なぜ精霊エミリア様が私の近くにいたの?」

「あっ、あれ、えー!  なんででしょう。ふっしぎー」

  お姉様がそわそわしている。

「お姉様、何か知っているのね。私達、嘘つき仲間でしょう?」

「怒らないで聞いてくれる?」

  ほほう。私が怒りそうな事をしたのね。

「ええ、もちろんよ。だって私達、嘘つき仲間でしょう?」

  お姉様は安心したのか、笑顔で答えてくれた。

「実はね、エルーシアが家出をして、あまりにも見つからないから、精霊エミリア様に泣きついたのよ。最初は中々現れてくれなかったのだけれど、池のまわりで泣きながら呼んだら、出てきてくれたの」

  精霊エミリア様は、さぞかし困った事だろう……

「それで、エルーシアの様子を見に行ってもらったのよ。そうしたら、隣の国でお勉強中だって。それに、立派な護衛も二人いるから大丈夫よー。って教えてくれたのよ」

  ははーん。それが、お兄様が言っていた。エルーシアは成長する為に、頑張っているから応援しましょう。に繋がるのね。

  あれ?  それって……お姉様が信じたのは私じゃなくて、精霊エミリア様じゃない。

「でも心配で……定期的に様子を見に行ってもらっていたのよ」

  お姉様はスッキリした顔をしていた。

「ふーん。お姉様は、私の事信じて待っていてくれていたのではないのね」

「信じていたわよ。けれど、心配じゃない」

「精霊エミリア様を使って監視をしていたのね」

「監視じゃないわ。どきどき、様子を教えてもらっていただけ。それに、精霊エミリア様はいつも、元気にやっているわよー。しか教えてくれなかったもの。だから、ディリック様達の名前を知ったのも、エルーシアが帰って来てからよ」

  お姉様は少し焦っている。
  私は無言で、お姉様を見つめた。

「ごめんなさい」

「はー、もういいわ。私の事が心配だったのよね」

「そうなの」

「それに、ディリック様達とのんびり旅が出来たのは、お姉様のおかげだしね」

「そうでしょ!  私、いい仕事したのよ。必死で捜索打ちきりをお願いしたのよ」

  自慢げに言ったお姉様に、私は少し感謝をした。
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