稲荷詣で

斐川 帙

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二、一時帰国

(四)

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 レンタカーも、借りているのは一台だけで、四人の間での共有とされていた。だから、四人で出社時間も帰宅時間も合わせないといけなかった。
 毎朝の出勤時に関しては、基本的に四人とも始業時間は同じなので、事前に打ち合わせることなく、駐車場の決まったところで待ち合わせと言うことにしていた。
 帰宅時に関しては、基本的に、仕事は定時で終わらせるのが暗黙の了解になっていたので、定時が来たら、作業をやめて、四人で車に乗ってアパートに向かった。そして、アパートに帰る途中、スーパーに寄って、夕食の食材など、日用品の買い物をするのが毎日のルーティンになっていた。
 仕事は定時で終わらせるのが暗黙の了解になっていたが、念のため、毎日、夕方近くになると、残業する人がいないか確認はしていた。万一、残業したい人がいると、その人を残して、残りの人数で車に乗って帰宅し、会社に残った人は、帰るときになったら、電話して迎えに来てもらうと言う面倒な方法をとっていた。だから、仕事が溜まって残業したいなと思っても、なかなか、やりづらいところがあった。
 また、休日に、どこかへ出かけようにも車抜きではどこへも行けないところなので、外出したい場合は、四人で相談して、どこに行くか決めておいて、同じ車に乗車して一緒に出かけると言うことになる。その際は、二人ずつで別居している状態なので、互いに連絡を取り合って、どちらかの家のリビングに行って、行先を相談していた。
 こんな調子なので、休日は、これまで一人で気の向くまま、あちこち出かけていた芳野には、至極不便で、出かけるとなると、必ず誰かと一緒になり、自分だけで自由に行先を決められないことは苦痛であった、その結果、休日は、外出の誘いを断ることが多くなっていった。
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