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三、伏見稲荷
(八)
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「稲が生えた」という部分は、原文では、「子生ひき」としているものもあるが、多くは「伊禰奈利生ひき」あるいは「伊奈利生ひき」とされていて、それを社の名前としたということで稲荷社となったということである。「伊禰奈利生ひき」とは「稲が生る」つまり「稲が生えた」という意味であり、この『いねなり』が『いなり』に転訛して、「稲荷」という漢字が当てられたようである。ちなみに、現在、社名は伏見稲荷大社であるが、これは昭和二十一年に改称されたもので、以前は稲荷社、あるいは稲荷神社と呼ばれていた。そもそも、今、伏見稲荷大社があるところは伏見ではなかった。昭和六年に京都市に編入されて伏見区になる以前は紀伊郡深草町であった。本来なら深草稲荷大社であったかもしれない。
また、逸文の末尾に「稲荷山の木を抜いて家に植えて育てば福が訪れる云々」という記述があるが、これは、現在でも二月の初午大祭の時に「しるしの杉」として杉の小枝が参詣者に授与されているが、その起源となる話であろう。
この「しるしの杉」については、蜻蛉日記や更級日記、大鏡でも触れられている。
台記別記には、内大臣藤原頼長が久安四年(一一四八)七月十一日丙申に稲荷詣でを行い、上社、中社、下社と奉幣して杉の枝を献上されている。
平治物語では、平治元年(一一六〇)、太宰大弐平清盛が熊野詣に向かう途中、切目の宿で権中納言藤原信頼謀反の知らせを受け、急遽、都に引き返すが、その途上、稲荷社に立ち寄り、杉の枝を折って鎧の袖に差している。
永久四年百首に採録されている源俊頼の詠歌に
いなりにも思ふ心のかなはすはしるしの杉のをられましやは
というのがある。
また、逸文の末尾に「稲荷山の木を抜いて家に植えて育てば福が訪れる云々」という記述があるが、これは、現在でも二月の初午大祭の時に「しるしの杉」として杉の小枝が参詣者に授与されているが、その起源となる話であろう。
この「しるしの杉」については、蜻蛉日記や更級日記、大鏡でも触れられている。
台記別記には、内大臣藤原頼長が久安四年(一一四八)七月十一日丙申に稲荷詣でを行い、上社、中社、下社と奉幣して杉の枝を献上されている。
平治物語では、平治元年(一一六〇)、太宰大弐平清盛が熊野詣に向かう途中、切目の宿で権中納言藤原信頼謀反の知らせを受け、急遽、都に引き返すが、その途上、稲荷社に立ち寄り、杉の枝を折って鎧の袖に差している。
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