どちらの王妃でも問題ありません【完】

mako

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衝撃的な出会い

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西国3大公爵家の長女であるリデュアンネ・フォン ・トゥモルデンは、明日東国留学を終え国に戻る事となる。



あっという間の、半年間。
西国からの初めての東国への交換留学。
不安がないといったら嘘になるが、来てみれば文化も同じ、言葉も同じ、何てことはなかったわ。

違いと言えば‥そうね、王太子の質かしら(笑)
私はこう見えて、西国王太子アルフレッド様の
婚約者。アル様とは5歳の頃に婚約が結ばれ
好きも嫌いもなく、王太子妃になるべく育てられ
た私にとっては当たり前の事。アル様はおとぎ話からそのまま出てきた様な白馬に乗った王子様。
令嬢からの人気で彼は常に口角を上げ微笑んでいる。そんな彼に恋い焦がれる令嬢は多く、その敵意は私に向けられる。が、しかし私は強い。
気も強いけれど、立場も強い。表立っての批判こそ無いけれど陰で散々な言われようだとか。
まっ、そんなことよくある話。

ともかく我が国の王太子は大人気なのである。



一方の東国王太子、名前は確かハインリッヒ様。
こちらも絶大な人気を誇るお方ではあるが、彼が笑みを浮かべているのを私は見たことがない。って、もちろん私はただの留学生なのであちらはこちらを知る由もないが(笑)お顔は流石の王族。分裂した帝国の末裔だからなのか、アル様に似てイケメンはイケメン。ただ、氷のように冷たい印象なのは、アル様が金髪碧眼なのに対して銀髪碧眼だからだろうか、あの鋭い目に睨まれたら足がすくんでしまうだろう。なのに、この国ではキャーキャー騒がれている。‥よくわからん。

それに加え学園では王族専用の部屋があり
毎日令嬢を連れ込み、事をなしているとかいないとか。こいつに、いや失礼。この方に婚約者は居ないようだか、サルの様な男。これが我が国との違いかしら‥両国の違いを頭に巡らせながらそろそろ、特等席の木の上から下りようと上体を起こした時だった。



『ですから、私以外の方と体を重ねるのは止めて頂きたいのです!』

リデュアンネは咄嗟に身を隠した。ただの留学生とはいえ、西国の公爵令嬢だ。木登りし横になっている醜態を晒すわけにはいかない。
『約束して頂けますね?』
有無を言わさぬ言いようで凄む令嬢。

リデュアンネからは令嬢の髪色しか見えない。
相手のおそらくは男であろう人物もリデュアンネからは見えない。

(修羅場か‥他所でやってよ‥)
身を動かせないリデュアンネは大人しく息を潜めていた。

『くだらないな』

(!開き直ったわ、この男。ここは謝って宥める所だろうが。)


『そうですか、ですが私はあなたのお子をこのお腹に宿しておりますのよ。』


(えぇ~!妊娠してんの?こんな男の。こうなったら責任をとらなきゃだわ。)


『ほぉ‥』
(ほぉ‥ではない。お前の子どもだろうが)

『産んでもよろしいですね?』
『産むがよい』  
『では、私を‥』
女の話を遮り男が口を開く

『黙ってきいておれば‥
無礼な言動に対しては目をつむろう。
しかし私は嘘は許さぬ。どんな小さな嘘も許さぬ。まして今のはわたしの後継に関わる事だ。嘘だとしたら極刑は免れん。その覚悟があって言っているのだな?』

(‥‥?)

『‥殿下』

(!殿下ぁ~?)
思わず木から落ちそうになったリデュアンネだが必死に手を伸ばし支えこらえた。

(え?殿下?あの?待て待て待て待て、え?)

『あの、その、女性の月のものは不安定でして、
その、あの、確実にわかりましたらご報告申し上げます』
女は急いで去って行った。


静まり返る森に暖かな風が流れている。
木の上のリデュアンネは少しの音も出せない状況で必死に息を殺し耐えている。

(頑張れ私。今バレたら確実に殺されるわ)


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