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我慢の限界
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うわぁ、こんな小さなお部屋にテーブルから何から何まで詰まっているわ!素敵♡
ログハウスに目をキラキラさせているリデュアンネに冷たい視線が注がれる。
『これだからお飾りは‥殿下もさぞやお嘆きの事。私が貴方を初めて見たのは西国の夜会。
留学先の初めての夜会でみた貴方とアルフレッド様はおとぎ話の王子様とお姫様のようだったわ。
世間知らずの令嬢がにこやかに微笑むだけで各国の王子様は溜息を漏らしていた。そんな様子にご満悦の王太子。
笑えたわ。脳内お花畑とはこんな2人の事だと思ったわ。東国と西国の差が歴然となり安堵もした。』
‥
『それなのに、それなのに貴女は‥いつの間にか東国王太子妃となり再び私の前に現れた。私が学びに日々没頭し全てを捧げてきた間に貴女は‥
私が才女と呼ばれるようになり東国に戻ってきた理由、それはオリビア帝国の皇后となるためよ!』
!!!
皇后って、偏差値でなれたりするの?んな、アホな。
っていうか私が出会う東部(元東国)の令嬢はみんな話が噛み合わない‥
『何故それ程までにオリビア帝国の皇后に?』
ソフィア様は大きく溜息をついた。
『そんな事もわからないの?オリビア帝国はオリビア大陸を治める国。その一歩を踏み出す歴史上初の皇后は才女でなければならないわ。』
‥だから何で?そろそろ我慢も限界だわ。
『貴女の話はそれだけかしら?貴女の勝手な妄想にこれ以上付き合いきれないわ。単刀直入に問う。あなたは今はどうであれ婚約者のアルフレッドと共に愛を育んでいくつもりでいるのかしら?』
『愛?』
『貴女の理想は置いておいて、公爵夫人としてアルフレッドを支えて覚悟はあるかと聞いているの。』
『偉そうに!』
だって、偉いもの。私。
『それで貴女は何がしたいの?アリア王妃まで持ち出して。』
『今頃わかったの?』
呆れた表情で眉を下げた。
『いいえ、初めからわかってたわよ。だって貴女はアリア王妃とお話しなんて出来ていないもの。』
目を大きく見開いた、ソフィア様。
『!何てこと。』
『孤児院での時から気づいてわ。だって王妃はあんなに手土産をご用意出来ないもの。』
鼻で笑うように
『貴女は‥何も知らないのね。アリア王国はとても裕福な国。それもアリア王妃は小さいながら富裕国の王女なのよ』
『だから?』
『‥』
『アリア王妃はオリビア帝国復活を強く待ち望んでいた一人なの。だから何があってもオリビア帝国復権の日には、オリビア帝国の地に立っていたいと思ってらしたのね。何があっても』
『だからなに?』
『王妃は今、お腹の中に、小さないのちを宿しているわ。そんな中、アリア王国からオリビア帝国までの距離は長く遠い。
それでも此処まで来た。オリビア帝国の復権に立ち会う為に。
出来るだけ早くアリア王国に帰りたい王妃が貴女と会う時間なんて取れるはずもない。申し訳ないけれど貴女はただの候爵令嬢。』
悔しいそうに唇を噛み締め
『デタラメだわ。あんな少しの時間をカタコトの言葉しか話せない貴女に何がわかるの?』
『カタコトだなんて、あなたにどうしてわかるの?確かに流暢ではないけれど貴方よりは話せるわ。これでも一応元公爵令嬢の、現皇后よ。それにね、アリアの言語はニュアンスが大切なのよ。隠喩を多く用いるから。』
ワナワナと震えだすソフィア様に追い打ちを掛ける。
『ソフィア様?私は貴方を才女だと感じた事は一度も無いわ。だって貴女は‥オリビア帝国の皇后になるつもりだったと言うけれど、オリビア帝国の歴史を全然理解しておられない。
そしてまた自国の東国の王族の事すら理解出来ていない。
外ばかり見て大きな鎧を付けた気でいるけれど、
中身は空っぽ。違うかしら?』
『空っぽ‥』
『そう、空っぽ。オリビア帝国の皇后を語る前に貴女はもっとオリビア帝国を学ぶべきだわ。未来を夢見るのは素敵な事。でもそれ以上に歴史から学ぶべきよ。』
私を睨み、吐き捨てるように言う。
『オリビア帝国の歴史書なんて誰も理解できないわ。意味も無いから口語訳にもなっていないの。貴女は知らないだろうけど。』
『そうかしら?貴女は理解出来なくても、貴女がバカにしたアルフレッドは歴史的仮名遣いのまま理解出来ていたわ。
貴女は視野が狭すぎる。それにね、外ばかりに向けて鎧を被っているから自国の事も知らないのね。
貴女の孤児院での立ち居振る舞い。こちらを睨み付けていたけれど、貴女の睨み付けていた相手は、東国第一王子なのよ。そんな事も知らないで何が才女なの?』
我慢の糸が切れた私の口は止まらない‥
『貴女のお父様の事もそう。親の心子知らずとはこの事ね。
貴女が沢山経験を積んだ留学。いったいどのくらいの費用が掛かるのかご存知?それにね認められた家門でなければ留学は認められないのよ。
マーサ候爵の功績の元、積ませてもらえた経験を貴女は無駄にしているわ!
どんなドレスよりもどんな宝石よりも素晴らしい経験をさせてもらえた貴女が、マーサ候爵に感謝こそしても侮辱などできるはずないのよ。』
座り込むソフィア様にもう一度問う。
『貴女は‥アルフレッドを支える覚悟はおありなの?』
‥
ログハウスに目をキラキラさせているリデュアンネに冷たい視線が注がれる。
『これだからお飾りは‥殿下もさぞやお嘆きの事。私が貴方を初めて見たのは西国の夜会。
留学先の初めての夜会でみた貴方とアルフレッド様はおとぎ話の王子様とお姫様のようだったわ。
世間知らずの令嬢がにこやかに微笑むだけで各国の王子様は溜息を漏らしていた。そんな様子にご満悦の王太子。
笑えたわ。脳内お花畑とはこんな2人の事だと思ったわ。東国と西国の差が歴然となり安堵もした。』
‥
『それなのに、それなのに貴女は‥いつの間にか東国王太子妃となり再び私の前に現れた。私が学びに日々没頭し全てを捧げてきた間に貴女は‥
私が才女と呼ばれるようになり東国に戻ってきた理由、それはオリビア帝国の皇后となるためよ!』
!!!
皇后って、偏差値でなれたりするの?んな、アホな。
っていうか私が出会う東部(元東国)の令嬢はみんな話が噛み合わない‥
『何故それ程までにオリビア帝国の皇后に?』
ソフィア様は大きく溜息をついた。
『そんな事もわからないの?オリビア帝国はオリビア大陸を治める国。その一歩を踏み出す歴史上初の皇后は才女でなければならないわ。』
‥だから何で?そろそろ我慢も限界だわ。
『貴女の話はそれだけかしら?貴女の勝手な妄想にこれ以上付き合いきれないわ。単刀直入に問う。あなたは今はどうであれ婚約者のアルフレッドと共に愛を育んでいくつもりでいるのかしら?』
『愛?』
『貴女の理想は置いておいて、公爵夫人としてアルフレッドを支えて覚悟はあるかと聞いているの。』
『偉そうに!』
だって、偉いもの。私。
『それで貴女は何がしたいの?アリア王妃まで持ち出して。』
『今頃わかったの?』
呆れた表情で眉を下げた。
『いいえ、初めからわかってたわよ。だって貴女はアリア王妃とお話しなんて出来ていないもの。』
目を大きく見開いた、ソフィア様。
『!何てこと。』
『孤児院での時から気づいてわ。だって王妃はあんなに手土産をご用意出来ないもの。』
鼻で笑うように
『貴女は‥何も知らないのね。アリア王国はとても裕福な国。それもアリア王妃は小さいながら富裕国の王女なのよ』
『だから?』
『‥』
『アリア王妃はオリビア帝国復活を強く待ち望んでいた一人なの。だから何があってもオリビア帝国復権の日には、オリビア帝国の地に立っていたいと思ってらしたのね。何があっても』
『だからなに?』
『王妃は今、お腹の中に、小さないのちを宿しているわ。そんな中、アリア王国からオリビア帝国までの距離は長く遠い。
それでも此処まで来た。オリビア帝国の復権に立ち会う為に。
出来るだけ早くアリア王国に帰りたい王妃が貴女と会う時間なんて取れるはずもない。申し訳ないけれど貴女はただの候爵令嬢。』
悔しいそうに唇を噛み締め
『デタラメだわ。あんな少しの時間をカタコトの言葉しか話せない貴女に何がわかるの?』
『カタコトだなんて、あなたにどうしてわかるの?確かに流暢ではないけれど貴方よりは話せるわ。これでも一応元公爵令嬢の、現皇后よ。それにね、アリアの言語はニュアンスが大切なのよ。隠喩を多く用いるから。』
ワナワナと震えだすソフィア様に追い打ちを掛ける。
『ソフィア様?私は貴方を才女だと感じた事は一度も無いわ。だって貴女は‥オリビア帝国の皇后になるつもりだったと言うけれど、オリビア帝国の歴史を全然理解しておられない。
そしてまた自国の東国の王族の事すら理解出来ていない。
外ばかり見て大きな鎧を付けた気でいるけれど、
中身は空っぽ。違うかしら?』
『空っぽ‥』
『そう、空っぽ。オリビア帝国の皇后を語る前に貴女はもっとオリビア帝国を学ぶべきだわ。未来を夢見るのは素敵な事。でもそれ以上に歴史から学ぶべきよ。』
私を睨み、吐き捨てるように言う。
『オリビア帝国の歴史書なんて誰も理解できないわ。意味も無いから口語訳にもなっていないの。貴女は知らないだろうけど。』
『そうかしら?貴女は理解出来なくても、貴女がバカにしたアルフレッドは歴史的仮名遣いのまま理解出来ていたわ。
貴女は視野が狭すぎる。それにね、外ばかりに向けて鎧を被っているから自国の事も知らないのね。
貴女の孤児院での立ち居振る舞い。こちらを睨み付けていたけれど、貴女の睨み付けていた相手は、東国第一王子なのよ。そんな事も知らないで何が才女なの?』
我慢の糸が切れた私の口は止まらない‥
『貴女のお父様の事もそう。親の心子知らずとはこの事ね。
貴女が沢山経験を積んだ留学。いったいどのくらいの費用が掛かるのかご存知?それにね認められた家門でなければ留学は認められないのよ。
マーサ候爵の功績の元、積ませてもらえた経験を貴女は無駄にしているわ!
どんなドレスよりもどんな宝石よりも素晴らしい経験をさせてもらえた貴女が、マーサ候爵に感謝こそしても侮辱などできるはずないのよ。』
座り込むソフィア様にもう一度問う。
『貴女は‥アルフレッドを支える覚悟はおありなの?』
‥
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