どちらの王妃でも問題ありません【完】

mako

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やはり貴方でしたね。

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『デュアン!』

扉が開いたた同事にハインリッヒとテオドールがまず入ってきた。

『殿下!違うのです!』
ソフィア嬢が口を開くもテオドールはいつもと違い冷たい視線を送る。
ハインリッヒはリデュアンネに駆け寄り抱き起こす。

『デュアン、大丈夫か?』

顔を覗き込むハインリッヒにリデュアンネは不貞腐れた様に

『一歩、あと一歩遅いですわ!初めから見ていらしたくせに!』


驚くソフィア嬢。

『あの馬車ですわ。あの御者は殿下でしょう。以前西国での脱走劇の際も感じておりましたが殿下が手綱を持たれると馬も緊張するのですかね?とても穏やかに走ります。普段乗り慣れているからこそ、手綱を握る者の人間性などよくわかりますもの。今回も穏やかな揺れ、御者の人柄がよくわかるひとときでしたわ。』


『‥そうか。』


二人だけの甘いひととき‥

そこへアルフレッドが入ってきた。

『アルフレッド様。聞いて下さい。妃殿下が、妃殿下が謹慎中にも関わらず、大切なお話しがあるとおっしゃって。それで私とアルフレッド様の婚約は認めないと、私に殴りかかって来られましたの。私、とても怖くて振り払おうとしたら妃殿下が‥これは事故、事故ですのよ殿下!』

アルフレッドからハインリッヒに向き直し必死に弁明する姿にリデュアンネは何故か涙が溢れてきた。

これが東国1の才女と言われる令嬢なのか、余りに浅はかでは?この令嬢とアルフレッドが結婚してアルフレッドが幸せになる姿が想像出来ない。

本当は自分の誤解であって欲しいと、今日ここまでノコノコと付いてきたのだ。一つ、たった一つでも良い。素敵なソフィア嬢の心が見たかった‥確かめたかった‥

その思いは無惨にも崩れ落ちた。


『殿下そろそろ。』
テオドールが外を見ながら声を掛けた。

『デュアン行こう。』

リデュアンネが立ち上がると、先にアルフレッドがソフィア嬢を連れて、アルフレッドとテオドールが乗ってきた馬車にソフィア嬢を乗せた。アルフレッドは馬車を降り、カギを掛けて3人の元へ戻る。


『お手間をお掛けしました‥』
親しき仲にも礼儀あり。アルフレッドは礼を取る。


『全くだよ。しっかり仮面を付けておったではないか?』テオドールはリデュアンネを見ながら呟く。
ここでも安定のテオドール。

ハインリッヒはニヤリと笑い、リデュアンネと自分が手綱を引いてきた馬車に乗り込む。

アルフレッドはテオドールに、

『では、後ほど‥』

と言い残し馬車に乗り込もうとするところを、ガッチリと腕のを掴まれた。

『待て!この馬車はだれが?御者はいないだろう?』


『テオしかいないでしょ?それとも私が代わりましょうか?』

テオドールは一瞬考え、ソフィア嬢の乗る馬車を見る。

『いや、それは遠慮する。』

『ならば?』


『‥そもそもハインリが御者の真似事をしてこんな所まで来るからだろう?帰りも真似事をすれば良いのでは?』


『それでテオとリデュを乗せるの?殿下が?』

『‥させられないな。』







ガタンガタンガッタン!馬車は激しく揺れる。


『おい!テオ!何とかならないのか?』
ハインリッヒが馬車の中から声を上げる。


『‥慣れておりませんので。何で私が。』
テオドールは激しく手綱を振った。


ガタンガッタン!
ハインリッヒにしがみつくリデュアンネ。ハインリッヒは
リデュアンネを抱え込みながら


『‥まあ、悪くないか‥。』


テオドールに手綱を握られた馬は、必死に宮殿を目指し走り続けた。







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