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急がれる帝位継承
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それから間もなくしてリディアンネは皇太子妃教育の名目で皇宮での暮らしを強いられる事になった。
…これってお姉様たちの狙っていた皇太子妃の椅子って事よね。
慣れない皇宮での暮らしに不安を募らせるリディアンネの元にルイザとサーシャが、以前のように侍女の装いで現れた。
『な、なんで?』
リディアンネは戸惑いながら嬉しそうに2人を迎えると
『我々は元よりユリウス様にお仕えしておりましたので。』
微笑むルイザとサーシャは嬉しそうにリディアンネに膝を折った。
『これからは2人が私に付いてくれるの?』
にっこり頷く2人にリディアンネは歓喜を上げた。
…。
『でも、貴方たちは殿下の側に付いていたのよね?ならば何故侍女なの?』
リディアンネは頭を巡らせてから口に出した。
2人は顔を見合わせると頷き
『怪しまれない為にございます。』
リディアンネは益々分からない。
『…誰に?っていうか何のために?』
サーシャは少し声を低く
『リディアンネ様。こちらは大公家とは違います。』
…そりゃそうよ。この部屋一つを取ってもわかるわよ?
『ここには多くの目がございます。それは殿下の帝位継承に反対する者もございましてそれが誰だか分からないのが厄介なのです。』
『反対派って、殿下は皇太子よ?反対も何もないでしょう?』
『確かに。しかし帝国の歴史を振り返ると必ずや皇太子が継承しているとは限らないのも又事実。』
サーシャの言葉にリディアンネは食いつくように
『では、反対派が、担ぐはどなた?まさかアルフォンス様?』
『第2皇子、フレディック様でございます。』
リディアンネは頭を必死に回転させながら
『持って、フレディック様って…。』
その後の言葉を飲み込んだリディアンネはそれ以上は追求することなく2人へ視線だけで頷いた。
リディアンネの皇太子妃教育は問題なく進んでいた。いつものように帝国図書館へ足を運ぶリディアンネを珍しい男が、声を掛けた。
『リディアンネ様。』
リディアンネが、振り返るとそこには最も旬な話題であるフレディックが金髪を一つに結い、これまた金色の瞳を輝かせ立っていた。
…ゲッ!時の人だわ。
リディアンネはあからさまに固まった。
『リディアンネ様は勤勉だとききましたが、よくこちらへは?』
フレディックは自ら扉を開けるとリディアンネを図書館に促した。
『え、ええ。まあ、時間のある時は…』
…何の用かしら?
リディアンネの心を読み解いたかのようにフレディックは小さく笑うと
『用が無ければ声をお掛けしてはいけませんでしたか?』
『い、いえ。そういう訳では…』
リディアンネは敢えて後ろの本棚に視線を送りながら話をした。
『で?何かありました?』
フレディックに背を向けたまま問うと
『いえ、特には。ただリディアンネ様とは以前からお話ししてみたかっただけですよ。』
フレディックは敢えてリディアンネの前側へ移動しリディアンネを覗き込むと小さく微笑み
『ではまたゆっくりと…』
図書館を後にした。
…または結構ですが?
リディアンネは1人立ちすくんでいた。
…これってお姉様たちの狙っていた皇太子妃の椅子って事よね。
慣れない皇宮での暮らしに不安を募らせるリディアンネの元にルイザとサーシャが、以前のように侍女の装いで現れた。
『な、なんで?』
リディアンネは戸惑いながら嬉しそうに2人を迎えると
『我々は元よりユリウス様にお仕えしておりましたので。』
微笑むルイザとサーシャは嬉しそうにリディアンネに膝を折った。
『これからは2人が私に付いてくれるの?』
にっこり頷く2人にリディアンネは歓喜を上げた。
…。
『でも、貴方たちは殿下の側に付いていたのよね?ならば何故侍女なの?』
リディアンネは頭を巡らせてから口に出した。
2人は顔を見合わせると頷き
『怪しまれない為にございます。』
リディアンネは益々分からない。
『…誰に?っていうか何のために?』
サーシャは少し声を低く
『リディアンネ様。こちらは大公家とは違います。』
…そりゃそうよ。この部屋一つを取ってもわかるわよ?
『ここには多くの目がございます。それは殿下の帝位継承に反対する者もございましてそれが誰だか分からないのが厄介なのです。』
『反対派って、殿下は皇太子よ?反対も何もないでしょう?』
『確かに。しかし帝国の歴史を振り返ると必ずや皇太子が継承しているとは限らないのも又事実。』
サーシャの言葉にリディアンネは食いつくように
『では、反対派が、担ぐはどなた?まさかアルフォンス様?』
『第2皇子、フレディック様でございます。』
リディアンネは頭を必死に回転させながら
『持って、フレディック様って…。』
その後の言葉を飲み込んだリディアンネはそれ以上は追求することなく2人へ視線だけで頷いた。
リディアンネの皇太子妃教育は問題なく進んでいた。いつものように帝国図書館へ足を運ぶリディアンネを珍しい男が、声を掛けた。
『リディアンネ様。』
リディアンネが、振り返るとそこには最も旬な話題であるフレディックが金髪を一つに結い、これまた金色の瞳を輝かせ立っていた。
…ゲッ!時の人だわ。
リディアンネはあからさまに固まった。
『リディアンネ様は勤勉だとききましたが、よくこちらへは?』
フレディックは自ら扉を開けるとリディアンネを図書館に促した。
『え、ええ。まあ、時間のある時は…』
…何の用かしら?
リディアンネの心を読み解いたかのようにフレディックは小さく笑うと
『用が無ければ声をお掛けしてはいけませんでしたか?』
『い、いえ。そういう訳では…』
リディアンネは敢えて後ろの本棚に視線を送りながら話をした。
『で?何かありました?』
フレディックに背を向けたまま問うと
『いえ、特には。ただリディアンネ様とは以前からお話ししてみたかっただけですよ。』
フレディックは敢えてリディアンネの前側へ移動しリディアンネを覗き込むと小さく微笑み
『ではまたゆっくりと…』
図書館を後にした。
…または結構ですが?
リディアンネは1人立ちすくんでいた。
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