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カイザルの苦悩
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『ファビウス、どうにかしてくれ。』
ファビウスは珍しく荒れた酒を飲むカイザルを眺め
『何をでございますか?』
こちらは優雅にグラスを傾けている。
『何故、俺の縁談はあんなのばかりなのだ?』
『…あんなのって、ねえ?』
『あんなのだろ?1人はいかにも高飛車な王女で頭空っぽで。1人は脳内花畑を演じる謎の王女だぞ?』
『演じる?』
『そうだ。だから余計に始末に負えん。』
ファビウスを少し頭を巡らせてから
『であれば何故帰されないのですか?しかも今からそのご報告に南帝国に行かれるのでしょう?』
『…。マリラン王国の企みを探るのと、兄上が欲しがる王女だぞ?みすみす逃すのは勿体無いであろう?』
ファビウスはニヤリと笑うと
『皇帝らしくなられて…戦場で剣を操る殿下とはまるでお人が違うようだ。』
『人の事は言えんだろ?ってかさ…俺だって命を掛けて戦っていた訳だ。いくら北帝国が南帝国に劣っていたとしてもだな?極寒だとしてもだな?だれか居ないのか?妃になりそうなまともな令嬢らは。』
ファビウスはじっとカイザルを見つめると
『かなりのスペックですがね?殿下は。』
…。
『もう少しエマニュエル殿下のように、にこやかな笑顔を振り撒くられては?』
カイザルはグラスを一気に空けると
『誰が振り撒くか!』
2人のテントの側から漏れてくる脳天気な笑い声にカイザルはまたも頭を抱えながらファビウスを睨みつけると
『本当、勘弁してくれ…』
主の姿を楽しそうに見つめるファビウスであった。
ファビウスは珍しく荒れた酒を飲むカイザルを眺め
『何をでございますか?』
こちらは優雅にグラスを傾けている。
『何故、俺の縁談はあんなのばかりなのだ?』
『…あんなのって、ねえ?』
『あんなのだろ?1人はいかにも高飛車な王女で頭空っぽで。1人は脳内花畑を演じる謎の王女だぞ?』
『演じる?』
『そうだ。だから余計に始末に負えん。』
ファビウスを少し頭を巡らせてから
『であれば何故帰されないのですか?しかも今からそのご報告に南帝国に行かれるのでしょう?』
『…。マリラン王国の企みを探るのと、兄上が欲しがる王女だぞ?みすみす逃すのは勿体無いであろう?』
ファビウスはニヤリと笑うと
『皇帝らしくなられて…戦場で剣を操る殿下とはまるでお人が違うようだ。』
『人の事は言えんだろ?ってかさ…俺だって命を掛けて戦っていた訳だ。いくら北帝国が南帝国に劣っていたとしてもだな?極寒だとしてもだな?だれか居ないのか?妃になりそうなまともな令嬢らは。』
ファビウスはじっとカイザルを見つめると
『かなりのスペックですがね?殿下は。』
…。
『もう少しエマニュエル殿下のように、にこやかな笑顔を振り撒くられては?』
カイザルはグラスを一気に空けると
『誰が振り撒くか!』
2人のテントの側から漏れてくる脳天気な笑い声にカイザルはまたも頭を抱えながらファビウスを睨みつけると
『本当、勘弁してくれ…』
主の姿を楽しそうに見つめるファビウスであった。
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