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巻き込まれるカールトン
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交流会も最終日となりダリス大王国では夜会の準備が進む中、王族らは中庭で開かれている茶会に出ていた。のこりわずかとなった社交に繰り出す面々を観察しながらキャサリンは疲れ果ててテーブルに腰を下ろした。
夫であるカールトンもにこやかに仮面を被って社交を行う姿を遠巻きに眺めお茶を飲んでいると目の前の席にマキシミリアン王太子が腰を下ろした。
『お疲れかな?』
視線の先のマキシミリアンは少し口角を上げた。
‥怖いくらいの美男子だわ。
キャサリンはマキシミリアンに微笑むもその後方にステファニーとその夫であるヴェルヴァス王国国王のウィリアムを捕らえた。
ウィリアムは先日の件があったからか、しっかりステファニーの腰をホールドし微笑んでいる。
‥真実の愛でしたっけ?
その視線を確かめマキシミリアンは
『ステファニー殿か。大変であったな。そもそも夫人達の関心事はくだらんな。ステファニー殿もステファニー殿だがな。』
マキシミリアンの思考はキャサリンと全く同じである。それでもキャサリンは
『まあ、そう思われるのは殿下が生まれながらの王族だからですわ。』
マキシミリアンは眉をひそめ
『お前もであろう?』
キャサリンは小さく微笑み
『だからこそですわ。我々が思う事とステファニー様が思う事では隔たりがあるのは当然。』
眺める先の幸せそうな2人を見てキャサリンは心が温かくなるのを覚えた。
‥。
じっと見つめるキャサリンの前方では先日ステファニーに絡んでいた王妃が夫妻でカールトンに絡みだしている。
‥うわっ、面倒に巻き込んでしまったわ!
顔を顰めるキャサリンにマキシミリアンは
『心配か?』
ニヤリと笑う。
席を立とうとするキャサリンの腕を捕まえ
『お手並み拝見としよう』
面白がるマキシミリアンを睨み付けるもキャサリンは渋々席に付いた。
『カールトン殿。夫人の教育が行き届いておらぬようだが?』
投げられ付けた妻への苦情にカールトンは
『教育ですか?』
とぼけるカールトンに夫人が
『そうですわ!王太子妃であろうお方が自国の事をご存知ないとは教育以外に何がございますの。』
扇を大きく振りカールトンに詰め寄る。
カールトンは王子スマイルのまま
『ここだけの話ですが、彼女はあぁ見えて私の知らないムヌク王国を知っているのですよ?恥ずかしながら2人でやっと一人前なのです』
王妃の耳元で囁くと王妃は真っ赤になり
『カールトン様はお優しいのですね』
‥色仕掛けでいきよった。
そこへ別の王妃らも加勢してきた。その夫人たちの後ろで国王らが不安気で見つめる。
‥カカア天下だわ。
『お優しいのは結構。ですが王族のプライドはしっかり持っていて頂きませんと。キャサリン様は元王女。王族出身のプライドを持って交流会にご参加頂きませんとこちらが迷惑被りますわ!』
‥この前のボスだわ。
王子スマイルのカールトンが一瞬いつもの無表情になりすぐに王子スマイルで口を開いた。
『それは私への苦言でしょうか?それとも妻への?』
ボスは扇で口を覆い外方を向きながら
『もちろんキャサリン様にですわ』
『そうですか。今回の件はあいにく私はその場におりませんでしたので詳細は分かりかねますが妻の言動に失礼があったのであれば私から謝罪いたしますので教えて頂けますか?』
カールトンの歩み寄りに気をよくした王妃が全貌を話しだした。
『ありがとうございます。では、王妃は王女という後ろ盾こそが国王の妻となる力の大きさとおっしゃるのですね?』
ざわつく会場に王妃は
『そのような事でなく‥』
『ではどのような意図が?』
被せる様に問うカールトンに目を泳がせる王妃。
『私は妻の後ろ盾がヘリンズ王国の王女という事ならばそんなもの要りませんよ?そのお考えは我々国を治める者への愚弄としか思えません。
それに王妃の力が王女としての過去の後ろ盾しか無いならば何とも残念な事だ。
王国にとって王妃は国母。国の為、民の為に力を注ぐ事こそが大事であり、元など王妃になるまでの力であり王妃になった後にまで光る力ではありませんよ。』
優しく語りかけるカールトンであるが内容は厳しいものであった。見守る会場の王族らも大きく頷く。
そこへボス率いる夫人らの後ろに控えていた夫ら中でも1番若いと思われるランダ国王が
『カールトン殿。愚妻がご迷惑をお掛けし申し訳ありません。』
そう言うとボスの斜め後ろに控えていたランダ王妃の手を引き、部屋に戻って行った。その行動を目で追い他国の国王や王太子も夫人を連れて部屋に戻り出した。
唯一残されたボスとその夫。大陸では大王国を除いた王国の中ではムヌク王国と同じ位大きな王国である。国王はカールトンより10歳は年上であろうその男は妻の肩を抱きカールトンを睨み付け
『覚悟はあるな?』
あろう事か交流会、それもダリス大王国での徴発に一同息を飲む。
カールトンは臆する事なく言い放つ。
『それは我が国への徴発ですか?』
あからさまな一言に国王は真っ赤になり感情を露わにする。
『貴様!ムヌク王国など怖くもないわ!ほら見てみろ、貴様の妻は自国の力の弱さ故に今も大王国に取り入っておるわ!』
会場の視線がキャサリンとマキシミリアンに向けられた。
‥いや取り入ってないし、ってかこいつが勝手にここに来たんだけど?
マキシミリアンは小さく息を吐き立ち上がる。
カールトンはマキシミリアンが口を開く前に
『妻には何故かたくさんのファンとやらが付いておいでですので(笑)』
あくまでキャサリン主導ではないことを伝えながらも
『しかし貴殿にこのような誤解を招いたのは事実として真摯に受け止める所存であります。』
カールトンはあっさりとかわし安定の王子スマイルで微笑んだ。
誰がみても一目瞭然。2国の国王の器の大きさは比べようも無いほど明らかであった。
夫であるカールトンもにこやかに仮面を被って社交を行う姿を遠巻きに眺めお茶を飲んでいると目の前の席にマキシミリアン王太子が腰を下ろした。
『お疲れかな?』
視線の先のマキシミリアンは少し口角を上げた。
‥怖いくらいの美男子だわ。
キャサリンはマキシミリアンに微笑むもその後方にステファニーとその夫であるヴェルヴァス王国国王のウィリアムを捕らえた。
ウィリアムは先日の件があったからか、しっかりステファニーの腰をホールドし微笑んでいる。
‥真実の愛でしたっけ?
その視線を確かめマキシミリアンは
『ステファニー殿か。大変であったな。そもそも夫人達の関心事はくだらんな。ステファニー殿もステファニー殿だがな。』
マキシミリアンの思考はキャサリンと全く同じである。それでもキャサリンは
『まあ、そう思われるのは殿下が生まれながらの王族だからですわ。』
マキシミリアンは眉をひそめ
『お前もであろう?』
キャサリンは小さく微笑み
『だからこそですわ。我々が思う事とステファニー様が思う事では隔たりがあるのは当然。』
眺める先の幸せそうな2人を見てキャサリンは心が温かくなるのを覚えた。
‥。
じっと見つめるキャサリンの前方では先日ステファニーに絡んでいた王妃が夫妻でカールトンに絡みだしている。
‥うわっ、面倒に巻き込んでしまったわ!
顔を顰めるキャサリンにマキシミリアンは
『心配か?』
ニヤリと笑う。
席を立とうとするキャサリンの腕を捕まえ
『お手並み拝見としよう』
面白がるマキシミリアンを睨み付けるもキャサリンは渋々席に付いた。
『カールトン殿。夫人の教育が行き届いておらぬようだが?』
投げられ付けた妻への苦情にカールトンは
『教育ですか?』
とぼけるカールトンに夫人が
『そうですわ!王太子妃であろうお方が自国の事をご存知ないとは教育以外に何がございますの。』
扇を大きく振りカールトンに詰め寄る。
カールトンは王子スマイルのまま
『ここだけの話ですが、彼女はあぁ見えて私の知らないムヌク王国を知っているのですよ?恥ずかしながら2人でやっと一人前なのです』
王妃の耳元で囁くと王妃は真っ赤になり
『カールトン様はお優しいのですね』
‥色仕掛けでいきよった。
そこへ別の王妃らも加勢してきた。その夫人たちの後ろで国王らが不安気で見つめる。
‥カカア天下だわ。
『お優しいのは結構。ですが王族のプライドはしっかり持っていて頂きませんと。キャサリン様は元王女。王族出身のプライドを持って交流会にご参加頂きませんとこちらが迷惑被りますわ!』
‥この前のボスだわ。
王子スマイルのカールトンが一瞬いつもの無表情になりすぐに王子スマイルで口を開いた。
『それは私への苦言でしょうか?それとも妻への?』
ボスは扇で口を覆い外方を向きながら
『もちろんキャサリン様にですわ』
『そうですか。今回の件はあいにく私はその場におりませんでしたので詳細は分かりかねますが妻の言動に失礼があったのであれば私から謝罪いたしますので教えて頂けますか?』
カールトンの歩み寄りに気をよくした王妃が全貌を話しだした。
『ありがとうございます。では、王妃は王女という後ろ盾こそが国王の妻となる力の大きさとおっしゃるのですね?』
ざわつく会場に王妃は
『そのような事でなく‥』
『ではどのような意図が?』
被せる様に問うカールトンに目を泳がせる王妃。
『私は妻の後ろ盾がヘリンズ王国の王女という事ならばそんなもの要りませんよ?そのお考えは我々国を治める者への愚弄としか思えません。
それに王妃の力が王女としての過去の後ろ盾しか無いならば何とも残念な事だ。
王国にとって王妃は国母。国の為、民の為に力を注ぐ事こそが大事であり、元など王妃になるまでの力であり王妃になった後にまで光る力ではありませんよ。』
優しく語りかけるカールトンであるが内容は厳しいものであった。見守る会場の王族らも大きく頷く。
そこへボス率いる夫人らの後ろに控えていた夫ら中でも1番若いと思われるランダ国王が
『カールトン殿。愚妻がご迷惑をお掛けし申し訳ありません。』
そう言うとボスの斜め後ろに控えていたランダ王妃の手を引き、部屋に戻って行った。その行動を目で追い他国の国王や王太子も夫人を連れて部屋に戻り出した。
唯一残されたボスとその夫。大陸では大王国を除いた王国の中ではムヌク王国と同じ位大きな王国である。国王はカールトンより10歳は年上であろうその男は妻の肩を抱きカールトンを睨み付け
『覚悟はあるな?』
あろう事か交流会、それもダリス大王国での徴発に一同息を飲む。
カールトンは臆する事なく言い放つ。
『それは我が国への徴発ですか?』
あからさまな一言に国王は真っ赤になり感情を露わにする。
『貴様!ムヌク王国など怖くもないわ!ほら見てみろ、貴様の妻は自国の力の弱さ故に今も大王国に取り入っておるわ!』
会場の視線がキャサリンとマキシミリアンに向けられた。
‥いや取り入ってないし、ってかこいつが勝手にここに来たんだけど?
マキシミリアンは小さく息を吐き立ち上がる。
カールトンはマキシミリアンが口を開く前に
『妻には何故かたくさんのファンとやらが付いておいでですので(笑)』
あくまでキャサリン主導ではないことを伝えながらも
『しかし貴殿にこのような誤解を招いたのは事実として真摯に受け止める所存であります。』
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