54 / 94
妃殿下の目論見
しおりを挟む
リッカルドは執務室に戻るとギャレットが申し訳無さそうに言う。
『リッカルド、驚いたよ!どうして話してくれなかったんだ?君が妃殿下を護衛していただなんて知らなかったから、妃殿下が行方不明ときいて君が妃殿下を‥と最悪の事態が頭を過ぎったよ。』
ギャレットの奇想天外な思考に驚いたのはむしろキャサリンであった。
『リッカルドがそんな事にする訳ないって、まぁ私も偉そうには言えないのだけど‥』
歯切れの悪いキャサリンにリッカルドは
『その通りですよ妃殿下。それで?何故あの者たちをお守りに?』
意味のわからないギャレットは目を見開きキャサリンを見る。
『別に守ったつもりはないわ?』
『では何故捕らえず帰したのですか?妃殿下が真相を話せば奴らは極刑です。』
キャサリンはリッカルドを真っ直ぐ見つめて
『リッカルド。極刑の意味は?』
驚いた様にキャサリンを見つめるリッカルド。
『今回あの者たちは私に指一本触れてはいないの。もちろん彼らの企みが明るみに出れば、王太子妃の拉致。国に対しての謀反。処刑よね。
でもねあの者たちを処刑にした所で何も変わらないわ。無駄死によ?それなら死ぬまでそれ相応の働きをしてもらう方がよっぽど有益だと思わない?』
‥。
『つまり、あの者たちは悪人にさえなれなかったって事。』
そう言うとキャサリンは事の詳細を2人に話した。
『暇な金勘定しか出来ない貴族のようだ。』
ギャレットがポツリと呟くとリッカルドは深く頷き
『間違いない。しかしよろしいのですか?このまま野放しにしておいて‥』
『あら、野放しだなんて。彼らは直に孤児院の件で問い詰められるわ。処刑が頭に霞んでいるのだから大人しく協力的に何でも話すはずよ?でなければ‥』
キャサリンはニヤリと口角を上げた。
ギャレットは思わず
『こわっ!』
キャサリンは振り返りギャレットを睨み付けた。
『ご存知だったのですね?私が護衛をしているのを。』
キャサリンは一瞬固まりすぐに微笑むと
『リッカルドは私の護衛騎士ですもの。』
その様子を扉の向こうでノブに手を掛けたままのカールトンは柔らかい笑みを浮かべ黙って踵を返して執務室へ戻って行った。
『リッカルド、驚いたよ!どうして話してくれなかったんだ?君が妃殿下を護衛していただなんて知らなかったから、妃殿下が行方不明ときいて君が妃殿下を‥と最悪の事態が頭を過ぎったよ。』
ギャレットの奇想天外な思考に驚いたのはむしろキャサリンであった。
『リッカルドがそんな事にする訳ないって、まぁ私も偉そうには言えないのだけど‥』
歯切れの悪いキャサリンにリッカルドは
『その通りですよ妃殿下。それで?何故あの者たちをお守りに?』
意味のわからないギャレットは目を見開きキャサリンを見る。
『別に守ったつもりはないわ?』
『では何故捕らえず帰したのですか?妃殿下が真相を話せば奴らは極刑です。』
キャサリンはリッカルドを真っ直ぐ見つめて
『リッカルド。極刑の意味は?』
驚いた様にキャサリンを見つめるリッカルド。
『今回あの者たちは私に指一本触れてはいないの。もちろん彼らの企みが明るみに出れば、王太子妃の拉致。国に対しての謀反。処刑よね。
でもねあの者たちを処刑にした所で何も変わらないわ。無駄死によ?それなら死ぬまでそれ相応の働きをしてもらう方がよっぽど有益だと思わない?』
‥。
『つまり、あの者たちは悪人にさえなれなかったって事。』
そう言うとキャサリンは事の詳細を2人に話した。
『暇な金勘定しか出来ない貴族のようだ。』
ギャレットがポツリと呟くとリッカルドは深く頷き
『間違いない。しかしよろしいのですか?このまま野放しにしておいて‥』
『あら、野放しだなんて。彼らは直に孤児院の件で問い詰められるわ。処刑が頭に霞んでいるのだから大人しく協力的に何でも話すはずよ?でなければ‥』
キャサリンはニヤリと口角を上げた。
ギャレットは思わず
『こわっ!』
キャサリンは振り返りギャレットを睨み付けた。
『ご存知だったのですね?私が護衛をしているのを。』
キャサリンは一瞬固まりすぐに微笑むと
『リッカルドは私の護衛騎士ですもの。』
その様子を扉の向こうでノブに手を掛けたままのカールトンは柔らかい笑みを浮かべ黙って踵を返して執務室へ戻って行った。
0
あなたにおすすめの小説
【短編】記憶を失っていても
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
7年以上前の記憶のない平民出身のラチェルは、6年前に娘のハリエットを生んでからグリオス国のアンギュロスの森付近の修道院で働きながら暮らしていた。
そんなある日ハリエットは見たことのない白銀色の大樹を見つけたと、母ラチェルに話すのだが……。
これは記憶の全てを失ったラチェル──シェシュティナが全てを取り戻すまでのお話。
※氷雨そら先生、キムラましゅろう先生のシークレットベビー企画開催作品です( ´艸`)
【完結】どうやら時戻りをしました。
まるねこ
恋愛
ウルダード伯爵家は借金地獄に陥り、借金返済のため泣く泣く嫁いだ先は王家の闇を担う家。
辛い日々に耐えきれずモアは自らの命を断つ。
時戻りをした彼女は同じ轍を踏まないと心に誓う。
※前半激重です。ご注意下さい
Copyright©︎2023-まるねこ
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
[完結]私を巻き込まないで下さい
シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。
魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。
でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。
その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。
ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。
え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。
平凡で普通の生活がしたいの。
私を巻き込まないで下さい!
恋愛要素は、中盤以降から出てきます
9月28日 本編完結
10月4日 番外編完結
長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
私の初恋の男性が、婚約者に今にも捨てられてしまいそうです
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【私の好きな人が婚約者に捨てられそうなので全力で阻止させて頂きます】
入学式で困っている私を助けてくれた学生に恋をしてしまった私。けれど彼には子供の頃から決められていた婚約者がいる人だった。彼は婚約者の事を一途に思っているのに、相手の女性は別の男性に恋している。好きな人が婚約者に捨てられそうなので、全力で阻止する事を心に決めたー。
※ 他サイトでも投稿中
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる