こじらせ王子とその妃【完】

makojou

文字の大きさ
上 下
72 / 94

第3王子も拗らせぎみですわ

しおりを挟む
エリックはキャサリンの手を引いてズンズンと進んでいく。

『っ痛い!痛いですわ!』

キャサリンがエリックを睨みつけるとエリックは我に返ったように手を話し


『すまない、力が入りすぎたようだ。』

申し訳なそうにしょんぼりする。流石は末っ子王子様。なんとも庇護欲をそそる表情だ。


『駄目ですよ!そんか可愛いらしい顔をしたって!』

キャサリンが手首を擦りながらエリックを見ると


『…可愛い?』

エリックが真っ赤になって汗をかいている。


…?まぢで?


『それで?お話しとは?』



エリックは思い出したかのように

『兄上とあの女はどこでどうなりあぁなったのですか?』


…。

『どういう事かしら?』


不思議そうに顎に手をやり考えるキャサリンに

『兄上は私と一緒にある研究をしている。時間はいくらあっても足りぬ。最近、兄上の進捗が芳しくないので帰国してみれば、アレです。

そもそも兄上は研究に没頭できるように形ばかりの妃を設けるはずでしたが?あの女はいったいいつの間に湧き出てきたのですか?』

憤るエリックにキャサリンは冷たい視線を送ると

『何ですか?要はお兄様が盗られるのがさみしいいという事ですね?』


エリックは目を見開くと

『お前、私の話を聞いていたのか?ったくどいつもこいつも!』


『あの、それでは私はこれで。』

キャサリンが踵を返すと


『待て待て待て!』

キャサリンはおもむろににため息を付くと


『まだ何か?』


『まだ何か?も何も、まだ何も聞いていないではないか?』



…エリック・ムヌク。こいつもまた拗らせてるわ。ここの王子にまともなのは誰も居ないわね。



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:106,650pt お気に入り:1,268

愛なんて初めからありませんでした。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:24,651pt お気に入り:383

貴方に嫌われたくなくて

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:40

第二王女の婚約破棄

恋愛 / 完結 24h.ポイント:132,877pt お気に入り:4,497

あわよくば好きになって欲しい【短編集】

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:24,822pt お気に入り:1,707

婚約者は聖女を愛している。……と、思っていたが何か違うようです。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:5,339pt お気に入り:9,047

転生令嬢、目指すはスローライフ〜イベント企画担当者ではないのよ!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:27,464pt お気に入り:2,432

あなたは知らなくていいのです

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:107,402pt お気に入り:3,163

あなたに愛や恋は求めません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:99,621pt お気に入り:8,992

処理中です...