婚約破棄から始まる物語【完】

mako

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修道院での日常

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ステファニーは元来持つ自分を取り戻しつつある毎日を送っていた。

自分自身でも知らなかった自分と出会い毎日が充実している。


思えばメープル王国に居た頃のステファニーは、食事も家族で取る事は無く、いつも家庭教師の先生と一緒だった為、常にテストされ食事が終わればダメ出しされ、味など感じた事すらなかった。

日常でも立ち居振る舞いを見られダメ出しされ、夜会での振る舞いや茶会での振る舞い、全てが見られダメ出しの連続であった。


その成果として、今のステファニーはどこの国でも通用する淑女と成長していた。

ここには、様々な事情を持つ者が集まっているが、ステファニーの様な境遇の者は居ない、というか此処でなくてもどの国にも、いつ王妃になってもおかしくない令嬢がそもそも修道院では生活していない。

それでも自分の立ち場など関係なく、一人の人として扱われる環境にステファニーはとても嬉しく離し難いものである。

それなのに、国王自らが面会に訪れた事に、危機感を覚えたステファニー。

メープル王国に戻されるのであろうか?

メープル王国では伯爵令嬢が王妃教育を受けているだろう。
おそらくは、音を上げるのも時間の問題。ステファニーとて、自分の環境があれでは無ければとっくに音を上げていた事だろう。


メープル王国に連れ戻される前に自立してここを出なければならない。

ステファニーはそんなことを考えながら眠りについた。
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