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メープル王国3
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『ヴィー、入るよ』
アレクセイが扉を開くと、侍女たちは慌てふためき奥に入っていく。
アレクセイとレイモンドがヴィクトリアの寝ている部屋に入るとヴィクトリアは
『あら、アレク!来てくれたのね。ありがとう』
取り繕う笑顔で言うと
『ヴィー体調はどうだい?』
心配そうにヴィクトリアを覗き込む。
『だいぶ良くなりましたわ。ですがまだ頭が重くて‥』
『それはいけない。横になっていた方がよいな。今日は取り急ぎ私の側近を紹介したくてな。』
ヴィクトリアはレイモンドをチラリと見て考えた。
ここは先にご挨拶かしら?いえ、王太子妃ならば後よね?
頭の中を巡らせていると
『レイモンド・グランチェスターです。』
レイモンドが礼を取る。
『ヴィクトリア・マーサですわ。以後お見知りおきを』
ヴィクトリアは優雅に微笑む。
『レイ、どうだ?ヴィクトリアは美しいであろう?』
『アレクは、あぁゆうのが好みなんだね。美しいというより、可愛らしいという方がしっくりくるな。』
2人は執務室に戻ると、お茶を飲みながらソフィアで寛いでいた。
『そうか?あっ、でもね笑顔なんかは花が咲いたように可愛らしいのだ。』
『花が咲いたね‥咲きすぎて頭ん中まで花だらけって所だよね?』
『うん?』
首を傾げるアレクセイに
『まあ、言えることは1つ。彼女には王太子妃は無理だね。』
『レイモンド!』
思わず立ち上がるアレクセイに
『落ち着け。何も彼女が気に入らないという訳ではない。』
静かに腰を下ろすアレクセイにレイモンドは諭す様に話す。
『下級貴族令嬢にしては、確かに珍しいタイプだよね?彼女は考える事を知っている。私も会うまでは、アレクぅ~と纏わりつく令嬢かと思っていたが、そっち系ではないな。』
『当たり前だ。』
『だけどね、やっぱり下級貴族は下級貴族だよ。差別とかではなくて、これは致し方ない。育った環境だから彼女が悪い訳でも無い。』
『‥』
『むしろ下手に考える頭がある分、始末に終えない。』
『どういうこと?』
いつしか真剣にレイモンドの話を前のめりで聞くアレクセイ。
『彼女はね、私を見て頭を巡らせていたよ。私より先に名乗るか否かをね。
これでも私は、この国の宰相である公爵の息子だ。私を知らない所でまずは有り得ないだろう?それに付けてまだ王太子妃候補というだけで、王太子妃の立ち場で頭を巡らせていた。
今回のことは、別にどうって事ないさ。でもねこれが社交の場であれば、事は大事になるであろう?』
アレクセイは黙ったまま返す言葉が見つからなかった。
『アレク、今すぐステファニー嬢を修道院から呼び戻すのだ!』
アレクセイは驚き
『レイ!ヴィクトリアはどうなるのだ?私の真実の愛だぞ!』
『殿下、そのような事はどうでもよいのです!国が王太子妃教育にどれほど莫大な費用がかかるがご存知ですか?』
『そのような金に困る程、我が国は弱ってはおらん!』
『そうではなくて、他国から見ていつでも王妃になれる令嬢が修道院に居たらどうしますか?
自国で育て上げる費用も時間も省かれて、更にあの聡明さ。どこの国も喉から手が出る程欲しい人材です。これが意味する所、お分かりになりますよね?』
目を見開き、固まるアレクセイを横目にレイモンドは静かに部屋を後にした。
アレクセイが扉を開くと、侍女たちは慌てふためき奥に入っていく。
アレクセイとレイモンドがヴィクトリアの寝ている部屋に入るとヴィクトリアは
『あら、アレク!来てくれたのね。ありがとう』
取り繕う笑顔で言うと
『ヴィー体調はどうだい?』
心配そうにヴィクトリアを覗き込む。
『だいぶ良くなりましたわ。ですがまだ頭が重くて‥』
『それはいけない。横になっていた方がよいな。今日は取り急ぎ私の側近を紹介したくてな。』
ヴィクトリアはレイモンドをチラリと見て考えた。
ここは先にご挨拶かしら?いえ、王太子妃ならば後よね?
頭の中を巡らせていると
『レイモンド・グランチェスターです。』
レイモンドが礼を取る。
『ヴィクトリア・マーサですわ。以後お見知りおきを』
ヴィクトリアは優雅に微笑む。
『レイ、どうだ?ヴィクトリアは美しいであろう?』
『アレクは、あぁゆうのが好みなんだね。美しいというより、可愛らしいという方がしっくりくるな。』
2人は執務室に戻ると、お茶を飲みながらソフィアで寛いでいた。
『そうか?あっ、でもね笑顔なんかは花が咲いたように可愛らしいのだ。』
『花が咲いたね‥咲きすぎて頭ん中まで花だらけって所だよね?』
『うん?』
首を傾げるアレクセイに
『まあ、言えることは1つ。彼女には王太子妃は無理だね。』
『レイモンド!』
思わず立ち上がるアレクセイに
『落ち着け。何も彼女が気に入らないという訳ではない。』
静かに腰を下ろすアレクセイにレイモンドは諭す様に話す。
『下級貴族令嬢にしては、確かに珍しいタイプだよね?彼女は考える事を知っている。私も会うまでは、アレクぅ~と纏わりつく令嬢かと思っていたが、そっち系ではないな。』
『当たり前だ。』
『だけどね、やっぱり下級貴族は下級貴族だよ。差別とかではなくて、これは致し方ない。育った環境だから彼女が悪い訳でも無い。』
『‥』
『むしろ下手に考える頭がある分、始末に終えない。』
『どういうこと?』
いつしか真剣にレイモンドの話を前のめりで聞くアレクセイ。
『彼女はね、私を見て頭を巡らせていたよ。私より先に名乗るか否かをね。
これでも私は、この国の宰相である公爵の息子だ。私を知らない所でまずは有り得ないだろう?それに付けてまだ王太子妃候補というだけで、王太子妃の立ち場で頭を巡らせていた。
今回のことは、別にどうって事ないさ。でもねこれが社交の場であれば、事は大事になるであろう?』
アレクセイは黙ったまま返す言葉が見つからなかった。
『アレク、今すぐステファニー嬢を修道院から呼び戻すのだ!』
アレクセイは驚き
『レイ!ヴィクトリアはどうなるのだ?私の真実の愛だぞ!』
『殿下、そのような事はどうでもよいのです!国が王太子妃教育にどれほど莫大な費用がかかるがご存知ですか?』
『そのような金に困る程、我が国は弱ってはおらん!』
『そうではなくて、他国から見ていつでも王妃になれる令嬢が修道院に居たらどうしますか?
自国で育て上げる費用も時間も省かれて、更にあの聡明さ。どこの国も喉から手が出る程欲しい人材です。これが意味する所、お分かりになりますよね?』
目を見開き、固まるアレクセイを横目にレイモンドは静かに部屋を後にした。
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