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側妃アナスタージア
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レイモンドは数日で側妃候補として候爵令嬢を連れてきた。
驚きを隠せないアレクセイに
『アレク、私はそんなに無能ではないよ?知らなかった?
ステファニー嬢が戻って来ないと分かってから準備をしていたんだ。さあ、待たせているから準備をして。』
話についていけないアレクセイは
『待て待て、候爵令嬢とな?何か訳ありなら話してくれ。』
慎重になるアレクセイに
『いや、特に訳ありではないよ。ずっと留学していたからね。帰ってきた頃がちょうどアレクが真実の愛に侵されていた頃と合致しているだけだよ。』
嫌なことを思い出させられたアレクセイは
『ヴィラ候爵は?』
『候爵には予め話してあるよ。彼の王家への忠誠は本物だからね、そこは大丈夫。』
『令嬢の頭の中は?』
『既に王太子妃教育は終えている。とは言え公爵令嬢であったステファニー嬢とは比べてはならないよ?』
『当たり前だ。そこまでは期待していない。花が咲いて無ければ大丈夫だ。で?何が問題点なのだ?』
『だからさ、問題点なんて無いよ。アレク、お前はアレを基準に考えるからおかしくなるのだよ。元々はメープル王国王太子に嫁ぐ令嬢なのだからこれくらいが妥当だと思うけど?』
アレクセイの表情が久々に明るくなり
『レイ、お前は流石だね!』
『今更かよ‥』
2人は令嬢の待つ部屋へと向かった。
『待たせたね、王太子のアレクセイだ』
久々の完全無欠の王子様モードのアレクセイに
『アナスタージア・ヴィラと申します。』
候爵令嬢は美しいカーテシーをすると
『楽にしてくれ。』
アレクセイの声を聞き顔を上げた。
アナスタージアは令嬢とは思えない素朴な笑顔で笑った。
整った顔立ちでありながら、化粧っ気が無いのか幼く見えた。
『アナスタージア嬢は、側妃についてきちんと理解出来ているのかな?』
心配そうに問うアレクセイに
『はい、理解しております。失礼ながら、私が留学する前から王太子妃にはステファニー様と皆の周知の所でした。
しかし帰国してみればヴィクトリア様が王太子妃となられるとの事でした。無知の己を戒める為にヴィクトリア様の事を調べられるだけ調べてみました。
正直驚愕いたしました。私が国の事を語るのは烏滸がましい事でございますが、それでも私にとっての唯一の国。帰るべき国ですもの。誇れる国であって欲しいと願う事は罪ではないでしょう?
そんな時、レイモンド様よりお話しを頂きました。
殿下さえ、お嫌でなければ誠心誠意努めたく存じます。』
風貌からは予想も出来ない回答にアレクセイは目を見開いた。
『君は、私で良いのか?』
アナスタージアは首を傾げ
『殿下?何をおっしゃるのですか?この国、いえ私の留学していた国でも殿下の王子様ぶりに黄色い声を上げる令嬢は山程いらっしゃいましたよ?』
笑いをこらえていたレイモンドが
『我が国の王太子は、心の病に侵されご自分を見失っていらっしゃるのだ。』
アレクセイは2人を交互に見つめ、
『では、これからよろしく頼む。』
2人は最上級の礼を取った。
仕事の早いレイモンドの力を知ることになるのは直ぐにであった。
翌週には側妃が正式に発表され、アナスタージアは離宮へ入った。
国王と王妃への挨拶も済ませヴィクトリアに挨拶に向うアナスタージアにアレクセイは声を掛けた。
『アナスタージア、大丈夫?』
アナスタージアはキョトンとし
『何がですか?』
アナスタージアは才女ではあるが、天然の所もあるらしい。
その小さく華奢な背中を見送りアレクセイは小さく微笑んだ。
驚きを隠せないアレクセイに
『アレク、私はそんなに無能ではないよ?知らなかった?
ステファニー嬢が戻って来ないと分かってから準備をしていたんだ。さあ、待たせているから準備をして。』
話についていけないアレクセイは
『待て待て、候爵令嬢とな?何か訳ありなら話してくれ。』
慎重になるアレクセイに
『いや、特に訳ありではないよ。ずっと留学していたからね。帰ってきた頃がちょうどアレクが真実の愛に侵されていた頃と合致しているだけだよ。』
嫌なことを思い出させられたアレクセイは
『ヴィラ候爵は?』
『候爵には予め話してあるよ。彼の王家への忠誠は本物だからね、そこは大丈夫。』
『令嬢の頭の中は?』
『既に王太子妃教育は終えている。とは言え公爵令嬢であったステファニー嬢とは比べてはならないよ?』
『当たり前だ。そこまでは期待していない。花が咲いて無ければ大丈夫だ。で?何が問題点なのだ?』
『だからさ、問題点なんて無いよ。アレク、お前はアレを基準に考えるからおかしくなるのだよ。元々はメープル王国王太子に嫁ぐ令嬢なのだからこれくらいが妥当だと思うけど?』
アレクセイの表情が久々に明るくなり
『レイ、お前は流石だね!』
『今更かよ‥』
2人は令嬢の待つ部屋へと向かった。
『待たせたね、王太子のアレクセイだ』
久々の完全無欠の王子様モードのアレクセイに
『アナスタージア・ヴィラと申します。』
候爵令嬢は美しいカーテシーをすると
『楽にしてくれ。』
アレクセイの声を聞き顔を上げた。
アナスタージアは令嬢とは思えない素朴な笑顔で笑った。
整った顔立ちでありながら、化粧っ気が無いのか幼く見えた。
『アナスタージア嬢は、側妃についてきちんと理解出来ているのかな?』
心配そうに問うアレクセイに
『はい、理解しております。失礼ながら、私が留学する前から王太子妃にはステファニー様と皆の周知の所でした。
しかし帰国してみればヴィクトリア様が王太子妃となられるとの事でした。無知の己を戒める為にヴィクトリア様の事を調べられるだけ調べてみました。
正直驚愕いたしました。私が国の事を語るのは烏滸がましい事でございますが、それでも私にとっての唯一の国。帰るべき国ですもの。誇れる国であって欲しいと願う事は罪ではないでしょう?
そんな時、レイモンド様よりお話しを頂きました。
殿下さえ、お嫌でなければ誠心誠意努めたく存じます。』
風貌からは予想も出来ない回答にアレクセイは目を見開いた。
『君は、私で良いのか?』
アナスタージアは首を傾げ
『殿下?何をおっしゃるのですか?この国、いえ私の留学していた国でも殿下の王子様ぶりに黄色い声を上げる令嬢は山程いらっしゃいましたよ?』
笑いをこらえていたレイモンドが
『我が国の王太子は、心の病に侵されご自分を見失っていらっしゃるのだ。』
アレクセイは2人を交互に見つめ、
『では、これからよろしく頼む。』
2人は最上級の礼を取った。
仕事の早いレイモンドの力を知ることになるのは直ぐにであった。
翌週には側妃が正式に発表され、アナスタージアは離宮へ入った。
国王と王妃への挨拶も済ませヴィクトリアに挨拶に向うアナスタージアにアレクセイは声を掛けた。
『アナスタージア、大丈夫?』
アナスタージアはキョトンとし
『何がですか?』
アナスタージアは才女ではあるが、天然の所もあるらしい。
その小さく華奢な背中を見送りアレクセイは小さく微笑んだ。
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