俺を好きになるな、お前を愛していない、極道の目覚めた独占欲

第九章 目覚めた独占欲

①

蓮也は加子をひどい言葉で追い出してから、途方にくれていた。

俺は加子を愛しているのに、どうしてあんなひどい言葉を言ってしまったんだ。

後悔してもしきれない。

でも、俺の側にいることが果たして幸せなのだろうか。

自問自答しても答えは見つからなかった。

そんな矢先、蓮也の表の顔である、三国コーポレーション社長に婚活パーティーの

招待状が届いた。

蓮也の様子を見かねて、三国会長に報告したのは若頭の若林だった。

「そうか、そろそろ蓮也も落ち着いてもいい年頃だろう、わかった見合いでもさせるか」

そして、知り合いの会長主催で婚活パーティーの段取りが組まれた。

もちろん、一般客にも募集をかけた。

「社長、こんなものが届きました」

蓮也に差し出されたのは一通の封書だった。

もちろん、婚活パーティーの招待状だ。

差出人は会長の知り合いと言うことで、蓮也も断ることが出来なかった。

「仕方ねえな、ちょっと行って、酒飲んで帰ってくるか」

「そうですよ、出席と返事しておきます」

若林は胸を撫で下ろした。