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第十三章 亜紀を襲った病魔
大学時代の同級生 看護師三船あやか
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「刈谷さんから聞いたんだけど、水本さんも否定はしなかったわよ」
「そうなんだ」
「やだ、三角関係?」
三船は口角を上げてニヤッと微笑んだ。
やばい、こいつに知られた事は次の瞬間に広まる。
情報を聞き出すのには都合いい存在だが、情報を知られると厄介な存在だ。
「違うよ、俺の片想いだ」
「そうなんだ、へえ」
「検査の結果がわかったら教えてくれ、あと、亜紀と話をしたい、だからあいつがいない時間を調べてくれないか」
「あいつって刈谷さん?」
「ああ」
「恋人がいない間に奪っちゃうの?」
「お前、本当に変わらないな、人の恋の話が大好きだよな」
「そうよ、もう、自分の事は諦めてるから」
三船にしては珍しい反応だった。
「珍しいな、そんなお前久しぶりに見たよ」
「失礼ね、私だって悩みはあるんだから、まだ真央のこと忘れられないの、もう五年以上前の事だよ」
「なんだよ、急に」
「水本さんが救急搬送されて来た時、真央が生き返って来たのかと思って心臓止まりそうだった、水本さんを好きって、まさか真央の代わりじゃないよね」
「馬鹿言うなよ、違うよ、俺は亜紀を愛している」
「なんか複雑みたいね、まっいいわ、東條くんに協力してあげる」
「よろしく頼むよ」
俺は三船から刈谷がいない時を教えて貰い、亜紀と話をすると決めた。
健は俺からの状況説明が待てず、亜紀が入院している病院へ向かっていた。
「すみません、水本亜紀さんの病室はどこでしょうか」
「失礼ですが、水本亜紀さんは現在ご家族以外の方の面会はお断りする様に承っておりますので、病室をご案内する事は出来ません」
「そんなに悪いんですか」
「病状に関してもお応え出来かねます」
そこへ三船が通りかかった。
「東條健くん、私、三船あやか、覚えてる?」
「三船?お前、この病院の看護師なのか」
「もしかして、水本亜紀さんに会いに来たの?」
「ああ、でも家族以外は面会出来ないと断られた」
「東條くんに聞いてないの?」
「まだ、何も聞いていない、僕が居ても立っても居られなくて、来ちゃったんだ」
「そう言えば、東條健くんも真央が好きだったよね」
その言葉に健は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「全くわかりやすいんだから」
「亜紀は大丈夫だよな、命に別状はないよな」
「東條くんにも説明したけど、検査の結果次第だから、もう少し待ってて」
「一目でも亜紀に会えないかな」
「今は無理よ、今日は帰って、また東條くんに連絡する約束してるから」
「わかった、じゃ、また来るよ」
健は仕方なく病院を後にした。
それからまもなくして、三船から連絡が入った。
「東條くん、刈谷さんが仕事で夜までいないみたいよ」
「サンキュー、これから亜紀の病室に向かうよ」
俺は亜紀に会う為、三船に同行して貰い、病室へ向かった。
「水本さん、体調はどうですか」
「大丈夫です」
「熱と血圧を測りますね」
「あのう、秀は仕事に行きましたか」
「はい、夜まで戻ることが出来ないので、水本さんをくれぐれもよろしくお願いしますって何度も頭を下げていましたよ」
「そうですか、私、彼にすごく迷惑かけていますよね」
「水本さんは刈谷さんと東條くんとどっちが好きなの?」
「えっ?」
亜紀の顔色が変わった。
「私、実は東條理樹くんと大学時代の同級生なの」
「理樹さんと同級生、そうなんですか」
「どうしても水本さんと話をしたいと頼まれて、今廊下にいるんだけど、病室に入って貰ってもいいかしら」
「えっ?理樹さんが来ているんですか」
亜紀の表情は明るくなった。
その表情の変化に気づき、三船は俺を病室に迎え入れてくれた。
俺は病室に入り、亜紀の姿を確認すると、気持ちが抑えきれずに亜紀を抱きしめた。
「亜紀、すごく心配したんだぞ、会いたくて堪らなかった」
「理樹さん、ごめんなさい、心配かけてしまって」
「亜紀、愛理お嬢さんが何を言ったか察しがつくが、そんな事は信じるな、
俺を信じろ、俺が愛しているのは亜紀だ」
「でも、少し時間をください」
「わかった、毎日会いに来る」
「そうなんだ」
「やだ、三角関係?」
三船は口角を上げてニヤッと微笑んだ。
やばい、こいつに知られた事は次の瞬間に広まる。
情報を聞き出すのには都合いい存在だが、情報を知られると厄介な存在だ。
「違うよ、俺の片想いだ」
「そうなんだ、へえ」
「検査の結果がわかったら教えてくれ、あと、亜紀と話をしたい、だからあいつがいない時間を調べてくれないか」
「あいつって刈谷さん?」
「ああ」
「恋人がいない間に奪っちゃうの?」
「お前、本当に変わらないな、人の恋の話が大好きだよな」
「そうよ、もう、自分の事は諦めてるから」
三船にしては珍しい反応だった。
「珍しいな、そんなお前久しぶりに見たよ」
「失礼ね、私だって悩みはあるんだから、まだ真央のこと忘れられないの、もう五年以上前の事だよ」
「なんだよ、急に」
「水本さんが救急搬送されて来た時、真央が生き返って来たのかと思って心臓止まりそうだった、水本さんを好きって、まさか真央の代わりじゃないよね」
「馬鹿言うなよ、違うよ、俺は亜紀を愛している」
「なんか複雑みたいね、まっいいわ、東條くんに協力してあげる」
「よろしく頼むよ」
俺は三船から刈谷がいない時を教えて貰い、亜紀と話をすると決めた。
健は俺からの状況説明が待てず、亜紀が入院している病院へ向かっていた。
「すみません、水本亜紀さんの病室はどこでしょうか」
「失礼ですが、水本亜紀さんは現在ご家族以外の方の面会はお断りする様に承っておりますので、病室をご案内する事は出来ません」
「そんなに悪いんですか」
「病状に関してもお応え出来かねます」
そこへ三船が通りかかった。
「東條健くん、私、三船あやか、覚えてる?」
「三船?お前、この病院の看護師なのか」
「もしかして、水本亜紀さんに会いに来たの?」
「ああ、でも家族以外は面会出来ないと断られた」
「東條くんに聞いてないの?」
「まだ、何も聞いていない、僕が居ても立っても居られなくて、来ちゃったんだ」
「そう言えば、東條健くんも真央が好きだったよね」
その言葉に健は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
「全くわかりやすいんだから」
「亜紀は大丈夫だよな、命に別状はないよな」
「東條くんにも説明したけど、検査の結果次第だから、もう少し待ってて」
「一目でも亜紀に会えないかな」
「今は無理よ、今日は帰って、また東條くんに連絡する約束してるから」
「わかった、じゃ、また来るよ」
健は仕方なく病院を後にした。
それからまもなくして、三船から連絡が入った。
「東條くん、刈谷さんが仕事で夜までいないみたいよ」
「サンキュー、これから亜紀の病室に向かうよ」
俺は亜紀に会う為、三船に同行して貰い、病室へ向かった。
「水本さん、体調はどうですか」
「大丈夫です」
「熱と血圧を測りますね」
「あのう、秀は仕事に行きましたか」
「はい、夜まで戻ることが出来ないので、水本さんをくれぐれもよろしくお願いしますって何度も頭を下げていましたよ」
「そうですか、私、彼にすごく迷惑かけていますよね」
「水本さんは刈谷さんと東條くんとどっちが好きなの?」
「えっ?」
亜紀の顔色が変わった。
「私、実は東條理樹くんと大学時代の同級生なの」
「理樹さんと同級生、そうなんですか」
「どうしても水本さんと話をしたいと頼まれて、今廊下にいるんだけど、病室に入って貰ってもいいかしら」
「えっ?理樹さんが来ているんですか」
亜紀の表情は明るくなった。
その表情の変化に気づき、三船は俺を病室に迎え入れてくれた。
俺は病室に入り、亜紀の姿を確認すると、気持ちが抑えきれずに亜紀を抱きしめた。
「亜紀、すごく心配したんだぞ、会いたくて堪らなかった」
「理樹さん、ごめんなさい、心配かけてしまって」
「亜紀、愛理お嬢さんが何を言ったか察しがつくが、そんな事は信じるな、
俺を信じろ、俺が愛しているのは亜紀だ」
「でも、少し時間をください」
「わかった、毎日会いに来る」
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