ハチ切れ令嬢は、笑みを浮かべながら復讐する。

晴海りく

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ガサツに笑う奴(バイロンside)

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オーケストラの音楽が大きくなった。

もうそろそろ、パーティーも終わるだろう。
そして、今回のグレイ関連と殺人事件の黒幕も捕まって…この国も少しだけ平和になるだろう…
バイロン・ルメールは、自分の頭をかきながら
“疲れたー
めっちゃ疲れたー
目の下のクマ、すげぇー
書類仕事…誰か俺の代わりにやってくれ~!!
めっんどくせえぇぇぇー!!!!!!
聴取の時のアーロン・ハワードの顔をぶん殴りたくなるわ!殴ったけど!!殴ったけど!!!
んで、また…みたくもない顔を久しぶりにみて…
つっ疲れたーーーーーー!!!!!

絶対俺、今日老けたーーーー!!”

ふと前をみると、妹・アイナが父・ジョシュアと母・ハーミアに笑顔を向けていた。

バイロンは、胸に手をおさえて
“アイナちゃん、可愛い!!
やっと笑顔になってくれた!!
お兄様、アイナちゃんのために…がんばれる!!”

チョコタルトをフォークに突き刺して、一口食べる。
「うん、うまっ!
これ、サブリナのチョコタルトだな…
あと…ゲロ甘ケーキは…
あっ!チョコケーキ!!」


パク


「うんまっ!!」
とおいしく食べ、チョコケーキの上に乗っているチョコをかじり幸せオーラを放っていた。

するとアイナの舞台に、ちゃっかり出ていたロイ・ヒューストンがチョコマシュマロを食べながらバイロンに
「…チョコケーキ、おいしいですか?」
と言うとバイロンはニカッと笑いながら、自分のケーキをテーブルに置き、新しいチョコケーキを取ってロイの目線にあわせて座る。
「これ、うめぇ~ぞ!!食っとけ!食っとけ!」
「うん!!食う!!」
「おいしいから、いっぱい食べろよ!!」
と笑うと、ロイが
「…笑顔が素敵なおじちゃんだね?」
そういって走っていった。
「笑顔が素敵か…俺…おっさんなんだな…」

“これもアーロン・ハワードのせいだ!!!
こんな老け顔になったのが…”


よしっ!体験型舞台のその後を振り返ってみようと思う。
アーロン・ハワードが捕まって一緒に馬車の中に入る。
ため息を吐きながらアーロンをみると、白目を向き鼻から血が出ていてブツブツとうわ言を言っていた。
「…俺は、アイナ・ルメールを殺した…
なぜ生きているんだ…なぜ?なぜ?
…知らない間に、薬を盛られたか?いや違う。薬の味は、私が一番知っている…
しくじった…しくじった…こんな失敗は、私はしない…」
バイロンは、
「ハハッ!!お前今日で…アイナにしてやられたじゃないか!!
お前に…なにか隙があったんじゃね?
んでも…バレるのは、時間の問題…誰かが捕まえていたと俺は思う。」
アーロンはブツブツと独り言を言うのをやめ、バイロンを睨み付ける。
「…お前、最初に店へ来た時、職業を偽ったよな?
この詐欺師が!!!!!」
バイロンは、鼻で笑いながら
「詐欺師ね…お前も俺と変わらないじゃないか!
法にふれているかふれていないか…
おっ?警察に着いたぞ?」

馬車がとまり、警察署へ入り取調室に入っていった。

バイロンは、アーロンを椅子に座らせる。
ニヤッと口角をあげて
「さて!俺の取り調べは、キツいぞ?」
アーロンは、目を光らせて
「バイロン・ルメール…あなたは、笑うことでなにかを誤魔化している。
なぜ笑う?
笑わないとこの仕事は、やっていけないのか?
教えてくれよ?
私は人が悲鳴をあげているのが好きだ!
何が私と違うんだ?」
バイロンは、バインダーで挟んでいる紙を見ながら
「ふ~ん、俺はどちらかと言うと人の気持ちがわからない方でな…だから外交官と言う職業をしながら人が困っている時、泣いている時、楽しい時…どう立ち回ればいいか必死に学んだ。あとは、妹や友達のおかげかな?
だがお前は、学ばないまま…殺しや薬に手を染めた。しっかりと檻に入っている時に、被害者のことをわからないなりに考えて…」
アーロンは、ブツブツ言う。
バイロンは、舌打ちをしてアーロンの右頬を殴り付ける。

バシッ

「おい、無視すんなよ?」
アーロンは笑う。
「アイナ様を殺したかった!
絶望の目を一瞬だけ見えたのに…
殺せなかった!!」

ゴッ!!!!!

次は、アーロンの左頬を殴った。
バイロンは、目を細くして
「アイナに何かあったら、俺が殺してやってたよ?
俺は…お前みたいな変態じゃない。
仕留める時は…」


ドン!!!!!

と拳を机に殴り付けて

「一瞬だ!!」

アーロンはバイロンの顔をみて、汗を出しながら全身を震わせた。
バイロンは、何事もなかったかのようにニカッと笑う。
「ガハハッ、とんだヒビリ野郎だな!!
これでお前の調書は終了!!
おつかれ!!
好きなように、刑務所を満喫しろよ~♪」


取調室から出て、担当の刑事に、調書を渡しバイロンが言う。
「刑務所の中に入っているグレイ・カールソンに面会の手続きをお願いしたい」
「はい、手配いたします。ルメール様。」
「じゃあな…」
再び、馬車に乗り刑務所へ向かった。



面会室へ入る。
バイロンとグレイの間には、鉄の棒が縦に何本か刺さってガラス越しになっていた。
グレイの顔は、疲れはて顔が腫れて髭をいっぱい蓄えていた。
バイロンは、グレイの顔を見ながら
「ハッ!ずいぶんと…顔がワイルドになったな…」
「…何しに来た?」
「ん~?とりあえず、お前の黒幕を捕まえたとご報告をしようと思ってね?
お前のお友達も、同じ刑務所で食事の時とかに会うだろ?言っといてくれよ?」
「ハワードは、【私は絶対に捕まらない…】と。」
「フフッおいおい、お前…アーロン・ハワードをボコボコにしたのは…我が妹のアイナだぜ?」
グレイは立ち上がり

「アイナだと!!!」

と叫ぶ。
バイロンは、低音で
「座れよ、グレイ。」
座りながらグレイは悪態をつく。
「…あの女は、まあ…血の気が多いから…」
フフッと笑うバイロンは、
「聴取の時は、俺もつい…ボコっちゃったけど…刑務所の中だと…もっと可愛がってくれると思うから…しなかったよ!これも…俺の優しさかな?」
「何が俺の優しさだ!!
お前、お前も…道を間違えたらコッチ側だったんだぞ?よかったな!!向こう側で!!」
「つくづく思うよ。妹の婚約者がお前じゃなくなって…
アイナは、俺を繋いでくれた…」
バイロンは、立ち上がりながら言う。
「ずっと一緒にいてくれたから、俺は…ここにいる。
お前も…その優しさを…振りはらったから檻の中にいるのだろう?」
と言って面会を終わらせた。




ガタガタ



ガタガタガタガタ



ルメールの別邸に着いた。
すると外には、サブリナが廊下を走っているのが見えてクスリと笑った。
“裏から、まわろう。”
台所のほうの裏口のドアへ行き、ドアをノックした。



ドン


ドン


中から、サブリナが
「どちら様ですか~?」
と聞かれ
「俺だ!バイロンだ!」


ガチャ



ドアを開ける音がした。
サブリナは驚きながらも、
「バイロン様!!会場の方へ行けばよろしかったのに…疲れてますね?
お水か紅茶でも飲みますか?」
「あぁ…紅茶を頼むよ」
そういうと木造の椅子に座って、息を吐く。

サブリナは、テキパキと用意をしながら
「何か食べますか?」
と言うとバイロンは、考える。
「ん~?疲れて甘いものも食べたいけど…腹も減っている。何を食べていいか…わからん…」
「フフッ、たくさん働いてましたものね?
う~ん?あっ!!」

バイロンは、サブリナが食事を用意してくれている間少しだけ目をつぶった。
“…眠たくなってきたな…
鍋の音やヤカンの音…オーブンの音…
バターの匂いやチョコレートの匂い…何か甘い匂い…”

すると肩を叩かれる。
「バイロン様!バイロン様!
起きてください!」
目を開けると、サブリナが心配そうに
「大丈夫ですか?ミルクティーをお作りしたので飲んでください!甘く仕上げたので…
あとはですね~焼いたワッフルに炒り卵とベーコンを挟んで、バターとメープルシロップがたまらなく…至福の気分になります…
今日は、お疲れですから…でもまだパーティーは終わってないです!!
力尽きるまでの時間稼ぎの食事です!!
もしよかったら、デザートもどうぞ?」



コト



「チョコレートクレープです!!
食べて下さいね!
あとは…会場の方がいっぱい食べれますよ?
では、私は仕事がありますので…離れますね?」
と言ってサブリナは、去っていった。
「ありがとな!」
とお礼をいった。
バイロンは、ワッフルサンドを食べて


パクッ


モグモグ


「うんまぁっ!!」


と大喜びをして、すべての食べ物を食べて落ち着く。
紅茶を飲みながら
「そろそろ行くか…」
そういって、台所を出て会場へ行った。








“さぁ、家族の元へ帰ろう…”








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