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妖怪退治
綾となつは、長屋の中にある小さな鳥居に逃げ込んでいた。
綾は、心の中で
“あれは、もう人間じゃない…悪霊だ…新右衛門じゃないと太刀打ちできない!でも、今はいないから私が守らなきゃ”
と手を固く握りしめていた。
綾の手に小さな手が重なった。
「大丈夫だよ!綾!綾は、私が守るね?」
となつが満面の笑みでこちらをみている。
泣きそうになった綾は、なつを抱き締める。
「なつがいてくれたら、私は…頑張れる!」
ドーン!!!!!!
乙女の家の屋根が壊れた。乙女は、吹っ飛ばされる。
「ぐっ!人の家を壊すんじゃないわよ!!」
浮いている陰陽師は、ずっとブツブツ言いながら、この町を暗い闇に染めていく。人々は、何が起こっているのかわからないまま倒れていった。
急いで綾となつは、乙女を立ち上がらせ安全な所に移動させようとするが陰陽師は、なつを捕らえていた。
なつは、上を見ながら「そうだ!」と考えを思いつく。綾と乙女から離れた。
「なつ!!」
「ダメよ!危ない!」
走って井戸の方へとたどり着く。
桶を井戸水の中に入れ水をくむ。いつもより水が少なく感じたが気にもしないで地面に水を撒く。
ふと、なつは思っていた。
“あの陰陽師のおじさんの草履の底の部分に、紙が貼り付いている。もしも…あれから悪霊を呼んでいる魔方陣だったら?本当かな?辺りを水浸しにしたら、陰陽師のおじさんの力が弱くなるはず!!!”
「早く!早く!!早く!!!」
ギッ ギッ ギッ
桶が急に重くなる!
「重っ!!って水面!?」
「よーす!!なんじゃ?大変そうだな?あの陰陽師やっべぇぞ?聞くか?」
「うん!上に陰陽師のおじさんが危ない靄を出してる!?」
「うっわあぁ!てぇへんだ!よしっ!なつ!!どうしようか?」
ズルッ
「とりあえず重いから、桶からおりてくれる?」プルプル)
「すまん!んで?」
「ここの地面を水浸しにしたいの!」
「あいよ!なつ!!危ない!」
ドン!!
「へっ…!?」
井戸の中へ落ちる瞬間、陰陽師は笑っていた。
“嫌だ!死にたくない!”
なつは、井戸の中に落ちた。
水面は、なつの手をとろうとするが掴めなかった。
「うわぁー!!!!」
落ちる衝撃に身体の全身に力を入れるが…
モフッ
「もふっ?」
後ろを振り返ると、狸の古里がいた。
「よぉっ!なつ!」
なつは、起き上がって
「古里!?なんで、そんなに身体が大きいの!?」
「井戸の水を飲みすぎてしまって…出れなくなっちまった…」
「だから井戸の水が少なかったんだ…」
“みんな…戦っている…早く、ここから出なきゃ!”
ビュン
と風が吹いた。
古里が
「新右衛門達が帰ってきたな!よしっ!早く二人で出ないとな!」
井戸の上の方から一之丞の声が
「なつ~!なつ!無事か!」
「一之丞!大丈夫だよ!大きくなった古里と一緒にいる!」
「なつ!古里の腹を使って脱出しろ!」
千里は、なつに
「なつ!思いっきり飛べ!」
「うぇっ?!うん、せーの!」
ぴょ~~~~~~~ん
「うわあぁぁぁああー!!!!!!!」
なつは、思った。
“狸の腹でこんなに飛べるなんて思わなかったと…”
上へ行くと、一之丞が、なつを捕まえてくれた。
「よかった!水面から聞いて、どうしようかと思って…怪我はないな?」
「うん、それよりも陰陽師は?」
「あぁ…今は、新右衛門と栄と水面が戦っている!あの陰陽師…妖怪の血で自分を強くして自分を化け物にしたんだ…」
「…そこまでして、お母ちゃんと私を…」
上を見ながら、戦っているのをずっと眺めている。
「一之丞…あの陰陽師の草履の底に紙が貼り付いているの…あれってさ…」
一之丞は草履の底をみて
「あれは…そうか…水で濡らせばあいつの力が弱くなる!」
「うん!そう!そうと決まれば、ここを水浸しにしないと!綾ちゃん呼んでくる!」
「おう!って、えっ!なつ!また一人でチョロチョロと!もう、見えない…」
井戸の中を覗いて
「古里!作戦、聞いてたな?頑張って出てこい!」
「あいよ!」
と底から聞こえた。
古里は、悩んでいた。
「身体がつっかえて、それどころじゃないのだが?」
なつは、神社まで走ると乙女と綾と千世とこまりの姿が見えた。
千世とこまりは、なつの姿をみて笑顔になる
「「なつ!/なっちゃん!」」
なつは、二人に気づいて二人を抱き締める。
「うわぁー!会いたかったよ!!」
ギュッ
バッ
二人にさっと離れ
「感動は、もう少し待って!今ね、地面をどうやったら水浸しにするか悩んでいるの?」
綾は、平然と
「凍らせようか?それで、栄に手伝ってもらって…あっ…」
なつは、こまりを見ながら
「あっ…」
千世と乙女も
「「あっ…」」
こまりは、笑いながら
「知ってるよ!たまに、狸さんが話してるのみたことあったし!イヒヒ!河童さんが目の前を通った時は、すごく驚いたけど…いつ、なっちゃんは言うのかな?って思ってたよ!」
なつは、こまりに
「本当?私、ここの人は…いい人達!だけど他の人は、妖怪をみて怖いと言う…その…だからね…」
「そんなことで、長屋の人達を怖がらないよ!でっ!何したらいい?」
なつに言う。
なつは、考えながら
「古里は今、井戸の中で水の飲みすぎでパンパン出し…とりあえず綾ちゃんに、少しだけ地面を凍らせてもらう!」
綾は、
「はいよ!」
と言い走る。
なつは、新右衛門と陰陽師が戦っている乙女の家の付近まで行き陰陽師に向かって石を投げる。
陰陽師の顔に石があたり
「おい!陰陽師!私は、ここよ!長屋を壊さないで!」
新右衛門は、
「なつ!危険だ!」
陰陽師は、黒い靄を出しながら
「人間…妖怪に近い人間…愚か…愚かなり…」
なつに近づく。
一之丞は、大きな髑髏になり
「お前の方が妖怪だよ!!」
と言い刀をふる。
陰陽師は、一之丞に
「滅さなければ…ならぬ。」
懐から呪符を取り出し投げる。
斬ろうと構えた時、新右衛門が一之丞を体当たりし風で呪符を飛ばす。
「こいつの呪符は、強い!死ぬぞ!」
一之丞が
「すまない!…新右衛門!なつから伝言!陰陽師の草履に紙が貼り付いている!あいつを地面に叩きつけてくれと!」
新右衛門は、難しい顔から豪快に笑いだす。
「まったくあの、じゃじゃ馬娘は、最高に良い案だ!」
栄は、チラリと様子を見ながら
「水が出ればいいが…よしっ!古里を手伝うか!」
なつは、大声で新右衛門達に
「伝わった?」
と叫ぶ。
新右衛門は、なつに
「危ないから、離れなさい!」
陰陽師は、なつに執着している。
なつは、走りながらかわしていくがその時に転んでしまう。
「イタッ」
背後にいると感じているなつ。
“もう、だめかもしれない”
と目をつぶった時に手に何かザラッとしたものを感じ触って舐めてみる。
少しだけでも隙があれば逃げれると思い、手に塩を握りしめ引き付けて陰陽師の顔に投げた。
「ぐうわあぁぁぁああー!!!」
なつは、走る。
井戸の所まで行き、古里に話しかける。
「古里~?まだ?」
「うっ動けない…ハッ!?なつ!後ろ!」
陰陽師は、もう一度なつを井戸の中へ息の根を止めようと刀でなつを斬った。
他のみんなは、
「「「「「「なつー!!!!!」」」」」
なつは、井戸の中へ落ちていき、陰陽師は言った。
「娘は、斬ったぞ!!!アハハハハハハハ!!」
千世は座り込みながら
「嘘よ…なつ…」
ブッシュア~ー~ーーーー~!!!!!
井戸から、水が出てきた。
水の影から、二つ。
「おいっ!陰陽師!斬れてもないし!死んでないっての!」
「やっと出れたぞ!!」
千世は、なつの顔をみて安堵する。
新右衛門達は、ポカンとしていたが、それよりも陰陽師を倒すために戦う。
もう一度上へ行こうとするのを古里が陰陽師の足に縄を巻きつけ引っ張る。なつも手伝い、水面や乙女や綾、千世とこまりも引っ張っている。
栄は金棒で陰陽師を叩きつけ、新右衛門も風で地面に着かせようと誘導していた。
新右衛門は、大きな声で
「綾!め~いっぱい吹雪けーーーーー!!!!!」
綾は、縄をはなし
パキパキ パキ パキパキ
「いい加減…この長屋から出ていってよ。私達が何したのよ?何かしたのは、あなたよ?」
フウゥゥウゥゥーーーー
陰陽師の両足が、凍った。
身動きも出来なくて、動いている。
なつは井戸の桶に水を入れ、栄に
「栄!温度を上げてもらっていい?」
栄は、片指を桶に入れる。お湯になった。
なつは、その水を陰陽師の足にかける。
氷が溶け、魔方陣の紙も溶けていった。
陰陽師を纏っている黒い靄がなくなり、普通の人間の顔立ちになっていた。
目が覚めた陰陽師は
「ここは…」
千世が陰陽師に近寄り襟元を掴む。
「長屋よ!あなた!私となつを探していたのよね?いるわよ?そしてよくも、こんなことをしてくれたわね!なつを…大切な娘も危ない目に合わせて…今度は私が殺してやる!九尾様の仇よ!あなたは、陰陽師というよりも人間として失格よ!!他の人が許しても、私が許さないわよ!死んで償いなさい!」
そう言うと新右衛門が千世に
「千世殿!おやめなさい。あなたは、手を汚してはいけないよ?その手は、慈愛に満ちた手なのだから…」
「しかし!」
新右衛門は、陰陽師の刀で陰陽師の首に突き立て
「おいっ!陰陽師、儂らの住まいを荒らしたのだ。そして我ら家族を傷つけた。この償いをいかがする?」
「…死して償いを…」
「そうだな…だが、ここでは死なせぬ。行くぞ!」
そう言い新右衛門は片手に陰陽師を持ち、飛んでいった。
なつ達は、新右衛門と陰陽師の方向をみている。
そして千世と乙女は、なつに
「なつ!危ないことをして!」
「大人の言うことを聞きなさい!」
「「心配したのだから!!」」
なつは、驚きながらも涙がポロポロと流しながら
「だってぇ~私がやらなきゃ、みんな殺されてたかもしれないし!九尾のお父ちゃんの時みたいに、もう逃げたくなかったんだもん~~!!」
と言い大泣きをした。千世は、なつを抱き締める。
「そうよね…そっか…」
乙女は、ため息を吐きながら
「もう怒れないよ!」
そう言って、その日は終わったのである。
皆で再会を分かち合った。
一方、新右衛門と陰陽師は、見晴らしのいい山にいる。
陰陽師は自分で刀を持ち切腹をしようとしていた。
新右衛門は
「何か言うことは?」
陰陽師は笑いながら
「フッ妖怪に何かを言う?愚かな!しかし…人間の小娘には出し抜かれたのが悔いだ。」
「ハッハッハッ!!あの、じゃじゃ馬娘を操るのは妖怪の儂でも難しいわ!!」
陰陽師は、刀を腹に突き刺した。
「ただ…妖怪を祓いたかった…それだけなのに、御上は…信用してくれなんだ…だから、邪道を極めたのに…ぐっ…うっ…」
新右衛門は、
「人間も妖怪も…邪道に落ちたら、終わりよ…」
山をみながら、風を感じた。
綾は、心の中で
“あれは、もう人間じゃない…悪霊だ…新右衛門じゃないと太刀打ちできない!でも、今はいないから私が守らなきゃ”
と手を固く握りしめていた。
綾の手に小さな手が重なった。
「大丈夫だよ!綾!綾は、私が守るね?」
となつが満面の笑みでこちらをみている。
泣きそうになった綾は、なつを抱き締める。
「なつがいてくれたら、私は…頑張れる!」
ドーン!!!!!!
乙女の家の屋根が壊れた。乙女は、吹っ飛ばされる。
「ぐっ!人の家を壊すんじゃないわよ!!」
浮いている陰陽師は、ずっとブツブツ言いながら、この町を暗い闇に染めていく。人々は、何が起こっているのかわからないまま倒れていった。
急いで綾となつは、乙女を立ち上がらせ安全な所に移動させようとするが陰陽師は、なつを捕らえていた。
なつは、上を見ながら「そうだ!」と考えを思いつく。綾と乙女から離れた。
「なつ!!」
「ダメよ!危ない!」
走って井戸の方へとたどり着く。
桶を井戸水の中に入れ水をくむ。いつもより水が少なく感じたが気にもしないで地面に水を撒く。
ふと、なつは思っていた。
“あの陰陽師のおじさんの草履の底の部分に、紙が貼り付いている。もしも…あれから悪霊を呼んでいる魔方陣だったら?本当かな?辺りを水浸しにしたら、陰陽師のおじさんの力が弱くなるはず!!!”
「早く!早く!!早く!!!」
ギッ ギッ ギッ
桶が急に重くなる!
「重っ!!って水面!?」
「よーす!!なんじゃ?大変そうだな?あの陰陽師やっべぇぞ?聞くか?」
「うん!上に陰陽師のおじさんが危ない靄を出してる!?」
「うっわあぁ!てぇへんだ!よしっ!なつ!!どうしようか?」
ズルッ
「とりあえず重いから、桶からおりてくれる?」プルプル)
「すまん!んで?」
「ここの地面を水浸しにしたいの!」
「あいよ!なつ!!危ない!」
ドン!!
「へっ…!?」
井戸の中へ落ちる瞬間、陰陽師は笑っていた。
“嫌だ!死にたくない!”
なつは、井戸の中に落ちた。
水面は、なつの手をとろうとするが掴めなかった。
「うわぁー!!!!」
落ちる衝撃に身体の全身に力を入れるが…
モフッ
「もふっ?」
後ろを振り返ると、狸の古里がいた。
「よぉっ!なつ!」
なつは、起き上がって
「古里!?なんで、そんなに身体が大きいの!?」
「井戸の水を飲みすぎてしまって…出れなくなっちまった…」
「だから井戸の水が少なかったんだ…」
“みんな…戦っている…早く、ここから出なきゃ!”
ビュン
と風が吹いた。
古里が
「新右衛門達が帰ってきたな!よしっ!早く二人で出ないとな!」
井戸の上の方から一之丞の声が
「なつ~!なつ!無事か!」
「一之丞!大丈夫だよ!大きくなった古里と一緒にいる!」
「なつ!古里の腹を使って脱出しろ!」
千里は、なつに
「なつ!思いっきり飛べ!」
「うぇっ?!うん、せーの!」
ぴょ~~~~~~~ん
「うわあぁぁぁああー!!!!!!!」
なつは、思った。
“狸の腹でこんなに飛べるなんて思わなかったと…”
上へ行くと、一之丞が、なつを捕まえてくれた。
「よかった!水面から聞いて、どうしようかと思って…怪我はないな?」
「うん、それよりも陰陽師は?」
「あぁ…今は、新右衛門と栄と水面が戦っている!あの陰陽師…妖怪の血で自分を強くして自分を化け物にしたんだ…」
「…そこまでして、お母ちゃんと私を…」
上を見ながら、戦っているのをずっと眺めている。
「一之丞…あの陰陽師の草履の底に紙が貼り付いているの…あれってさ…」
一之丞は草履の底をみて
「あれは…そうか…水で濡らせばあいつの力が弱くなる!」
「うん!そう!そうと決まれば、ここを水浸しにしないと!綾ちゃん呼んでくる!」
「おう!って、えっ!なつ!また一人でチョロチョロと!もう、見えない…」
井戸の中を覗いて
「古里!作戦、聞いてたな?頑張って出てこい!」
「あいよ!」
と底から聞こえた。
古里は、悩んでいた。
「身体がつっかえて、それどころじゃないのだが?」
なつは、神社まで走ると乙女と綾と千世とこまりの姿が見えた。
千世とこまりは、なつの姿をみて笑顔になる
「「なつ!/なっちゃん!」」
なつは、二人に気づいて二人を抱き締める。
「うわぁー!会いたかったよ!!」
ギュッ
バッ
二人にさっと離れ
「感動は、もう少し待って!今ね、地面をどうやったら水浸しにするか悩んでいるの?」
綾は、平然と
「凍らせようか?それで、栄に手伝ってもらって…あっ…」
なつは、こまりを見ながら
「あっ…」
千世と乙女も
「「あっ…」」
こまりは、笑いながら
「知ってるよ!たまに、狸さんが話してるのみたことあったし!イヒヒ!河童さんが目の前を通った時は、すごく驚いたけど…いつ、なっちゃんは言うのかな?って思ってたよ!」
なつは、こまりに
「本当?私、ここの人は…いい人達!だけど他の人は、妖怪をみて怖いと言う…その…だからね…」
「そんなことで、長屋の人達を怖がらないよ!でっ!何したらいい?」
なつに言う。
なつは、考えながら
「古里は今、井戸の中で水の飲みすぎでパンパン出し…とりあえず綾ちゃんに、少しだけ地面を凍らせてもらう!」
綾は、
「はいよ!」
と言い走る。
なつは、新右衛門と陰陽師が戦っている乙女の家の付近まで行き陰陽師に向かって石を投げる。
陰陽師の顔に石があたり
「おい!陰陽師!私は、ここよ!長屋を壊さないで!」
新右衛門は、
「なつ!危険だ!」
陰陽師は、黒い靄を出しながら
「人間…妖怪に近い人間…愚か…愚かなり…」
なつに近づく。
一之丞は、大きな髑髏になり
「お前の方が妖怪だよ!!」
と言い刀をふる。
陰陽師は、一之丞に
「滅さなければ…ならぬ。」
懐から呪符を取り出し投げる。
斬ろうと構えた時、新右衛門が一之丞を体当たりし風で呪符を飛ばす。
「こいつの呪符は、強い!死ぬぞ!」
一之丞が
「すまない!…新右衛門!なつから伝言!陰陽師の草履に紙が貼り付いている!あいつを地面に叩きつけてくれと!」
新右衛門は、難しい顔から豪快に笑いだす。
「まったくあの、じゃじゃ馬娘は、最高に良い案だ!」
栄は、チラリと様子を見ながら
「水が出ればいいが…よしっ!古里を手伝うか!」
なつは、大声で新右衛門達に
「伝わった?」
と叫ぶ。
新右衛門は、なつに
「危ないから、離れなさい!」
陰陽師は、なつに執着している。
なつは、走りながらかわしていくがその時に転んでしまう。
「イタッ」
背後にいると感じているなつ。
“もう、だめかもしれない”
と目をつぶった時に手に何かザラッとしたものを感じ触って舐めてみる。
少しだけでも隙があれば逃げれると思い、手に塩を握りしめ引き付けて陰陽師の顔に投げた。
「ぐうわあぁぁぁああー!!!」
なつは、走る。
井戸の所まで行き、古里に話しかける。
「古里~?まだ?」
「うっ動けない…ハッ!?なつ!後ろ!」
陰陽師は、もう一度なつを井戸の中へ息の根を止めようと刀でなつを斬った。
他のみんなは、
「「「「「「なつー!!!!!」」」」」
なつは、井戸の中へ落ちていき、陰陽師は言った。
「娘は、斬ったぞ!!!アハハハハハハハ!!」
千世は座り込みながら
「嘘よ…なつ…」
ブッシュア~ー~ーーーー~!!!!!
井戸から、水が出てきた。
水の影から、二つ。
「おいっ!陰陽師!斬れてもないし!死んでないっての!」
「やっと出れたぞ!!」
千世は、なつの顔をみて安堵する。
新右衛門達は、ポカンとしていたが、それよりも陰陽師を倒すために戦う。
もう一度上へ行こうとするのを古里が陰陽師の足に縄を巻きつけ引っ張る。なつも手伝い、水面や乙女や綾、千世とこまりも引っ張っている。
栄は金棒で陰陽師を叩きつけ、新右衛門も風で地面に着かせようと誘導していた。
新右衛門は、大きな声で
「綾!め~いっぱい吹雪けーーーーー!!!!!」
綾は、縄をはなし
パキパキ パキ パキパキ
「いい加減…この長屋から出ていってよ。私達が何したのよ?何かしたのは、あなたよ?」
フウゥゥウゥゥーーーー
陰陽師の両足が、凍った。
身動きも出来なくて、動いている。
なつは井戸の桶に水を入れ、栄に
「栄!温度を上げてもらっていい?」
栄は、片指を桶に入れる。お湯になった。
なつは、その水を陰陽師の足にかける。
氷が溶け、魔方陣の紙も溶けていった。
陰陽師を纏っている黒い靄がなくなり、普通の人間の顔立ちになっていた。
目が覚めた陰陽師は
「ここは…」
千世が陰陽師に近寄り襟元を掴む。
「長屋よ!あなた!私となつを探していたのよね?いるわよ?そしてよくも、こんなことをしてくれたわね!なつを…大切な娘も危ない目に合わせて…今度は私が殺してやる!九尾様の仇よ!あなたは、陰陽師というよりも人間として失格よ!!他の人が許しても、私が許さないわよ!死んで償いなさい!」
そう言うと新右衛門が千世に
「千世殿!おやめなさい。あなたは、手を汚してはいけないよ?その手は、慈愛に満ちた手なのだから…」
「しかし!」
新右衛門は、陰陽師の刀で陰陽師の首に突き立て
「おいっ!陰陽師、儂らの住まいを荒らしたのだ。そして我ら家族を傷つけた。この償いをいかがする?」
「…死して償いを…」
「そうだな…だが、ここでは死なせぬ。行くぞ!」
そう言い新右衛門は片手に陰陽師を持ち、飛んでいった。
なつ達は、新右衛門と陰陽師の方向をみている。
そして千世と乙女は、なつに
「なつ!危ないことをして!」
「大人の言うことを聞きなさい!」
「「心配したのだから!!」」
なつは、驚きながらも涙がポロポロと流しながら
「だってぇ~私がやらなきゃ、みんな殺されてたかもしれないし!九尾のお父ちゃんの時みたいに、もう逃げたくなかったんだもん~~!!」
と言い大泣きをした。千世は、なつを抱き締める。
「そうよね…そっか…」
乙女は、ため息を吐きながら
「もう怒れないよ!」
そう言って、その日は終わったのである。
皆で再会を分かち合った。
一方、新右衛門と陰陽師は、見晴らしのいい山にいる。
陰陽師は自分で刀を持ち切腹をしようとしていた。
新右衛門は
「何か言うことは?」
陰陽師は笑いながら
「フッ妖怪に何かを言う?愚かな!しかし…人間の小娘には出し抜かれたのが悔いだ。」
「ハッハッハッ!!あの、じゃじゃ馬娘を操るのは妖怪の儂でも難しいわ!!」
陰陽師は、刀を腹に突き刺した。
「ただ…妖怪を祓いたかった…それだけなのに、御上は…信用してくれなんだ…だから、邪道を極めたのに…ぐっ…うっ…」
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