おばけ長屋へようこそっ!!

晴海りく

文字の大きさ
5 / 5

幕を閉じる

ようやく長屋の修繕作業が落ち着き、家でそれぞれがゆったりといつもの暮らしを楽しんでいる。
千世となつの家では、朝御飯の用意をしていた。
千世は、化け物のねねと遊んでいるなつに
「なつ~?そろそろ朝御飯だから、みんなを呼んでくれる?」
「うん、わかった!」
なつは、ねねの頭を一撫でしてから戸の方へ行き

ガラッ

「みんな~!!!!ご飯、できたよ~~!!!!!!」

スパーン 

「…相変わらず、なつの声は…大きいね…」
と乙女がまだ眠たそうな顔をして出てくる。
栄とまだ眠っている一之丞も顔を出し
「おはよう!」
「…ムニャ」
綾や水面、古里もまだ眠そうだ。
「…おはよう、なつ…元気ね…」
「きゅうりきゅうりきゅうりきゅうりきゅうり…」
「痩せてしまう…俺の腹…」
新右衛門は、大きな声で
「みんな!!飯だぞ!!千世さん!今日の朝飯は、何だ?」
千世は、戸を開けて
「皆さんが入って座ってから、いいますよ?」
そして千世となつの家にぞろぞろと入っていき、皆が好きなところに座ると
千世は、改まった声で
「ではっ本日の朝御飯は、茄子と揚げのお味噌汁・麦飯の上にとろろ芋・お漬物は、たくあんです。どうぞ?お食べくださいな?」
妖怪達は、大きな声で
「「「「「いただきまーーす!!!!」」」」」


ハグハグ

モグモグ  モグモグ

モグモグ  モグモグ   モグモグ


新右衛門は、豪快に
「千世殿!最高にうまかったぞ!!ありがとう!」
千世は、ご飯を一口食べてから
「新右衛門殿?たくあんは、食べないので?」
「ぐっ…すっ少し苦手でな?」
「新右衛門殿?あなたは長屋で、一番お強い方なのですよ?それなのに…たくあんに負けるのですか?」
乙女は、手で口をおさえて噴き出すのをたえている。
新右衛門は、千世の顔に怯えながら
「この何ともいえぬ匂いがだな…ヒッ…食べるぞ!儂は、食べる…」

ポリっ

滝汗を流しながら、たくあんを食べている新右衛門をみて、皆は笑っていた。
栄は、
「ハッハッハッ!やはり千世殿は、強いな!」
乙女は、
「ぐっ!もう、笑っていいよね?」
綾は、冷たい味噌汁を飲みながら
「新右衛門って、身体は大きいのに嫌いな食べ物、多いよね~」
と話していた。

一方なつは、いつも、ひとつ目小僧のもんの隣でご飯を食べている。
「もんちゃん、おいしいね?」
そう言うともんは、首を力強く振る。
もんは、なつの着物の袖を引っ張る。
「ん?どうしたの?」
もんは、なつの顔を見ながら、モジモジして顔を赤くしながら小声で
「…みんなと一緒のご飯は、格別おいしいよ?」
なつは、初めてもんの声を聞いて驚きながらも
「うん!本当に、そうだね!」
と言った。


ご飯を全て食べてから、足音が聞こえてきた。

タッタッタッタッ


「なっちゃん!!!遊ぼう!」
と家の戸が開く。
なつは、立ち上がりながら
「うん、遊ぼう!こまりちゃん!!」
妖怪達は、こまりをみて
「「「「「「おはよう!こまり!!」」」」」
「おはようございます!」
と挨拶をしていた。
なつは、千世や妖怪達に
「行ってきます!!」
そう言って、こまりと手を繋ぎ遊びに出かけた。
なつは、こまりに聞いてみる。
「長屋の皆のこと、怖くない?」
こまりは、笑いながら
「怖くないよ~~」
なつは、安心しながら
「そっか!!」
と言った。


妖怪が怖い?
えっ!それは、話したことがないからだよ~
一ツ柳長屋(おばけ長屋)へ遊びに来て、皆と話してみたら?
私、人間だけど全然怖くないよ!!フフッ
暇なら、どうぞ!



【終】










































感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。