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しおりを挟む「あ、あの!婚約解消とかそんな・・・。どうして・・・。」
簡単に婚約解消と言い出した二人に私は混乱してしまい、思わず二人の間に口をだしてしまった。
乙女ゲームでも、二人はこんなに簡単に婚約解消なんてしなかった。
アルフレッド様と私が互いに惹かれあい、それをよく思わなかったメリーチェが私に嫉妬して陰湿ないじめをしてきたはずだ。
そして泥沼の最後に、アルフレッド様がやりすぎたメリーチェを追放するという形でやっと婚約破棄をおこなえたはずなのだ。
こんな、愛していないから婚約破棄しましょうだなんて、そんなにすんなり事は進まなかったはずなんだけれども。
「いいのよ。これで。」
にっこりとメリーチェが微笑んだ。
「私としては不満だがな。私はメリーチェを愛しているし。本当は婚約解消などしたくない。」
「なら、どうして?」
アルフレッド様はメリーチェを愛していたようだ。
それは、今までの言動からも想像はできたが、いざ言われてみるとやっぱり驚いてしまう。
私の知っている乙女ゲームとはまるっきり違うからだ。
「そういう約束でしたの。私に愛する人ができたのならば婚約は解消しましょう。と、お父様やお母様、それに国王陛下も王妃様とお約束したのですわ。」
「そうだ。私たちは仮の婚約者だったんだよ。」
「は、はあ・・・。」
もう。なにがなんだかわからない。
どうして国王陛下も許可しているんだろうか。
「それに、皆勘違いしているけれど、私たちは男同士だからね。」
「それでも、私はメリーチェを愛していたのだがなぁ。」
「はぁ!?」
え?あれ?
今、メリーチェがなんか爆弾発言をしなかっただろうか。
え?
アルフレッド様とメリーチェが婚約解消をする。
その理由はメリーチェがアルフレッド差を愛せないからで、しかも男同士ってことはメリーチェは男?
え?
「この国は同性婚が許されるのでしたっけ?」
乙女ゲームの中では確かにメリーチェは女だったはずだ。
それに、乙女ゲームの中では同性婚は許されていなかったはず。
「ん?まあ、正式には許しはでないけれどもかなりゆるゆるだよ。今さら何を言っているんだ?」
日本人の時の記憶とごっちゃになっていたからか、この世界でも日本の時と同じように同性婚は認められていないものと思っていた。
だから、メリーチェが男だなんて思いもしなかったのだ。
「そうよ。可愛いアリーチェ。貴女のご両親も同性婚だったはずよ。」
「えっ!?」
メリーチェのもたらした事実に私は硬直してしまった。
お母様とお父様が同性ですって・・・?
なに、それ。
私、知らなかった。ずっと一緒にいたのに。
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