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しおりを挟む「すぴょー・・・。」
「すぴょー・・・。」
「すぴーっ・・・。」
三びきの健やかな寝息が辺りに響き渡る。
そんなマーニャたちを見つめる人間が4人。
このキャティーニャ村の山にあるというダンジョンにやってきた熟練冒険者4人組だ。
「・・・猫様だな。」
「ええ。猫様だわ。」
「ぐっすり眠っているな。」
「・・・寝顔が可愛いわね。」
冒険者たちは立ち止まり各々寝ているマーニャたちをじっくりと見つめた。
ダンジョンがある山の小道で気持ち良さそうにすぴょすぴょ眠る3匹の猫様たち。
猫様というのは、このレコンティーニ王国では神聖視されており、猫様は神に等しい生き物でもあるのだ。
故にこの国では猫様が崇拝されていたりもする。
猫様を見たら愛でる。
それが、この国の習慣でもある。
「・・・可愛いなぁ。」
「そうねぇ。可愛いわ。この右前足を枕にして眠っているところなんて、なんて可愛いんでしょう。」
「いやいやいや。黒い猫様が2匹で寄り添って眠っている姿もかわいいぞ。」
そう言って、冒険者の一人はクーニャとボーニャを指指した。
そこにはボーニャのお腹に頭を乗せて眠っているクーニャがいた。
ボーニャはちょっと苦しそうにも見えるが、クーニャをどかそうともせず、熟睡している。
ボーニャのお腹が息をするたびに上下し、その上下運動でクーニャの頭が上下する。
「・・・ぐっ。どっちも可愛い。」
冒険者の一人が両手で鼻を押さえた。
なにやら、出してはいけないものが出てきそうになったのだ。
「それにしてもなんだって、猫様たちがこんなところで寝ているんだ?」
「さあ?まさかダンジョンに向かってるわけでもあるまいし。」
「こんにゃに可愛い猫様たちですよ。きっと保護主がどこかにいるのではないでしょうか?」
「そうだよな。こんなに可愛いんだもんな。もう誰かに保護されているだろうな。羨ましいな。こんなに可愛い猫様を保護できる保護主は・・・。」
「ほんとうに・・・。羨ましいことだ。」
冒険者たちは、それぞれに羨ましいとマーニャたちを眺めていた。
その時間軽く1時間は経っていただろう。
「おっ!キジシロの猫様の耳がぴくぴくと動いたぞ。」
冒険者の一人がマーニャの耳がぴくぴくと動いたのに気づいて声をあげる。
「あら、目元もぴくぴくしているわね。」
「ほんとうだ。可愛いなぁ。」
「うん。可愛い可愛い。」
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