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しおりを挟む「にゃーん。にゃにゃにゃにゃーん。(はにゃーん。これがダンジョンなのー。)」
「にゃにゃーん。(いっぱい人がいるねー。)」
「にゃにゃにゃーんにゃあ。(みんな重装備だねー。)」
たどり着いたのは山の中腹付近にあるダンジョンの入口。
周りにはたくさんの重装備の冒険者がダンジョンの入口に並んでいた。
どうやら並ばないと入れないようである。
「にゃーにゃんにゃんにゃん。(結構ならんでるのー。列の最後尾に並ぶのー。)」
「にゃにゃ。(はーいなのー。)」
「にゃんにゃにゃ。(早く入りたいねー。)」
冒険者の最後尾に並ぶマーニャたちを並んでいた冒険者たちは驚いた目で見つめていた。
しかし、声をかけるのは恐れ多くてただ見つめるだけだった。
「ね、猫様がいる・・・。」
「しかも、3匹もだぞ。」
「ダンジョンに潜るのかな?」
「えっ!?猫様の保護者はいないのかっ!!」
「マジかっ!俺、保護者に立候補したいっ!」
「私が立候補したいくらいだわ!でも、冒険者なんてやっていると猫様をお家でお留守番させることになりかねないから、見ているだけがいいのかしら。」
猫様の保護者になりたくても、冒険者という危険と隣り合わせの職についているため、保護者になることを断念する冒険者たちだった。
「えっとぉ。君たちも入るのかい?保護者はどうしたのかな?」
マーニャたちの順番になると、ダンジョンの入口に立っていた男の人に声をかけられた。
「にゃあ?(誰なのー?)」
「にゃにゃんにゃぁ。(どうして邪魔するのー?)」
「にゃにゃー。(入りたいのー。)」
「こまったな。俺、猫様の言葉なんてわかんないんだけど・・・。」
「あら。この猫様たちダンジョンに入りたいって言っているわよ。」
困っていた男に横から助け船をだしたのは、マーニャたちの後ろに並んでいた金髪の女性だった。グラマラスな体系が悩ましい。
女性冒険者はマーニャたちの意をくみ取って男性に通訳して伝える。
「そうなのか。ごめんね、猫様たち。このダンジョンはギルドで管理しているんだ。一応。だから2階層から下に行くにはギルドへの登録が必要なんだよ。」
「にゃにゃにゃーん。(そんなー。)」
あきらかにしょんぼりと項垂れる、マーニャ、クーニャ、ボーニャ。
ダンジョンには楽しいことがいっぱい待っていたはずなのに。とぼやく。
そんな姿を見てしまったダンジョンの管理官の男性はおたおたと慌て始めた。
「ご、ごめんにゃー。ダンジョンの1階層は安全なんだけど、2階層以上は危険なんだよ。」
慌てふためくあまり語尾に「にゃー」をつけてしまう管理官だった。
「まあまあ。猫様だからダンジョンは危ないところじゃないんじゃないかしら?むしろ猫様だからどこにいても安全よ。」
「で、でもにゃー。規則だからなぁー。」
「じゃあ、今すぐギルドマスターに連絡なさい。念話、使えるんでしょ?」
「ま、まあな。わ、わかったよ。確認するから、ちょっとここで待っててくれにゃ。」
そういって管理官の男はギルドマスターに念話をし始めた。
この念話というもの実に便利なものであり、魔力を持っている人間であれば誰でも使用できる優れものだ。
頭の中で話したい相手に語り掛ければいいだけなのだから。
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