追放された聖女は毎夜金貨を数える~神の加護は本物です~

葉柚

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Side:ライラ・ハーン




Side:ライラ・ハーン



「おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。」

 私は狂ったように、自室でブツブツと独り言を唱える。
 明らかにおかしいのだ。
 なにが、おかしいって?
 すべてがおかしいのだ。
 信者の数が近年稀にみるほど落ち込んでいる。それに、比例するかのようにお布施の量まで減っている。減っているなんてものではない。激減していると言っていいだろう。
 
「まずいわ。まずいわ。まずいわ。まずいわ。まずいわ。」

 狂ったように私は繰り返す。
 これは実にまずい状況なのだ。
 お布施が今まで通り入ってこないと私は契約をした神様へ契約した金額をお渡しすることができなくなる。
 つまり契約不履行で私はやっとの思いで手にした神のご加護を失うことになってしまうのだ。
 それだけはどうにか避けたい。
 
 サラス・ヴァーディがいた頃からは考えられないほど信者の数が減った。
 半減どころの話ではない。
 1/3……いや、1/4にまで減ってしまった可能性がある。
 私に入る大聖堂からのお給金もかなり減った。
 サラス・ヴァーディが聖女であった頃の私の聖女見習いのお給金よりも減ってしまっている。
 聖女のお給金は信者からのお布施で決まってくるのだ。
 よってお布施の量が減った今、私のお給金はかつてないほど減っている。
 これは由々しき事態だ。
 今までの聖女見習いとしていただいたわずかばかりのお給金はすべて使い切ってしまっている。
 聖女になることでお給金が跳ね上がるという見込みだったし、聖女になれたことのお祝いとして他の聖女見習いたちにご馳走を振舞ってしまったのだ。
 盛大にパーッと今までのお給金を使ってしまった私の手元にはほとんどお金が残っていない。
 
「……どうしろというの。」

 どうして、こんなにも信者が急激に減ってしまったのか。
 どうして、こんなにもお布施の額が急激に減ってしまったのか。
 
 このままでは神様に渡すお金が足りないのは明白だ。
 そこで、私は一大決心をした。
 信者から直接渡されるお布施の額をいつわって大聖堂に報告しようと決意した。
 本来信者から直接渡されたお布施は金額を大聖堂に伝え、その半分の額が聖女の手取りとなる。つまり、大聖堂に伝えるお布施の額を減らしてしまえばいいのだ。
 私は良いことを思いついたと安堵の息をついた。
 これで、神様への貢ぎ物は確保できる、と。
 
 信者の数も、お布施の量も日を追うごとに減っていくので最初はいただいたお布施の8割の金額を大聖堂に報告していたが、その額が日を追うごとに減っていく。
 8割が7割になり、6割になるのもすぐのことだった。
 それでも、神様へ捧げる金額には足りなくて。
 最終的にはいただいたお布施の3割の額を大聖堂に伝えるような事態になってしまっていた。
 そして、減りすぎたお布施の額は教皇様の知ることになり、私は教皇様の部屋に呼び出されることになってしまったのだ。
 
 

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