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新装備と、黒金の軍師
照りつける夏の陽射しがアスファルトを焼く昼下がり。
さすがの暑さに、新調した魔銀のスーツをバッグに仕舞ったひよりは、神楽坂の駅前で待ち合わせをしていた。
「おまたせ。なかなか今日も暑いな……」
現れたのは、薄着のスポーティな服にマジックバッグを背負った透だった。
「ほんとだね。病室にいると外の気温とか感じないでしょ?」
「ふふ、そうだね。でも、この熱気すら今は心地いいよ」
そんな雑談をしながら、ひよりたちは小林鍛冶店へと向かった。
.........
「小林さん! 取りにきました。鬼灯は……どうですか?」
店内に踏み込むなり問いかけるひよりに、小林さんは新聞から目を上げ、不敵に笑った。
「心配そうな顔するな坊主。ちゃんと仕上げたぞ」
差し出された愛刀を受け取り、ゆっくりと鞘から抜く。
――息を呑んだ。 黒みがかった刃に、光の加減で燃えるような赤が浮かび上がる。
「銘は『鬼灯 焔(ほむら)』だ。火属性も付加してある。気に入ったか?」
「気に入るなんてもんじゃないです……凄い。小林さん、一生大事にします!」
「はは、自分でも手入れはしろよ。あとは定期的にもってこい」
深くお辞儀をするひよりに、小林も満足げな笑顔を浮かべていた。
………
そのままダンジョンへと向かう。受付には妃那がいた。
「三上さん、お久しぶりです! 結局デートすっぽかされてるんですけど、連れて行ってくれないんですか?」
「えっ、デート!? い、いや、大学が忙しくて……攻略に来れなかっただけで……」
「あはは、わかってますよ。……んで、そちらのお連れ様は?」
「新しく仲間になった、透です」
「白鷺 透です。お話は伺っています。西川嬢の妹さんですよね?」
「姉をご存知なんですね! 姉妹共々、よろしくお願いします」
挨拶を交わしていると、聞き慣れた声が響いた。
「三上さん、お久しぶりです!」
刀使いの林田さんだ。
「林田さん! 攻略はどうですか?」
「今はレベル5になって、2層で修行してます! あ、僕は三上さんの一個下なんで敬語はやめてください。三上さんと涼さんは師匠ですから!」
「そんな……俺は仲間だと思ってるから。じゃあ、敬語は抜きで!」
「やった! ……それより、この方は?」
林田君が透を見る。透は涼しげな顔で微笑んだ。
「白鷺 透。林田君、私も今年20歳だから、同い年同士頑張ろうね」
「お、マジか! 頑張ろうな!」
他の探索者たちとも交流を終え、二人は更衣室で装備を整えた。
バッグから出した魔銀の防刃スーツ。
袖を通すと、黒地の中に鈍い銀の光が走り、身が引き締まる。
ホルスターには、強化した『銀月 (朔)』と、進化した『鬼灯 (焔)』。
準備を終えて出てきた透を見て、ひよりは思わず足を止めた。
真っ黒な黒金の防刃スーツに、知的な煌めきを放つ片眼鏡(モノクル)。
そして背中には、身長を大きく超える魔銃『Alligator』。
「どう? 似合うかい?」
「……モデルみたいで、綺麗だよ」
「ありがとう。君もいつも通り可愛いよ、ひよりん」
「やめろって!」
ふざけ合いながら受付に戻ると、周囲がざわついた。
「三上君の後ろは誰だ?」
「イケメン……お友達かな?」
林田が興奮した様子で駆け寄ってくる。
「透! 凄い似合ってるな、かっこいいよ!」
「ありがとう。……だけど林田君、女性には『綺麗だよ』の方がモテるぞ?」
「えっ!? 女……性……!?」
石化した林田を横目に、透がいたずらっぽく笑う。
「ちなみに、うちのボスは見てすぐに正解を出していた。ねえ? ボス」
「ちょ、透……!」
周りの女性探索者たちからも「えっ、女性!?」「綺麗すぎる……推したい」と熱い視線が飛んでくる。
「私はわかってましたよ? 免許見ましたし」
妃那が茶目っ気たっぷりに言うと、ドッと笑いが起きた。
「じゃあ妃那さん、行ってくるね」
「気をつけて! 無事戻ってきてくださいね!」
この送り出しがないと始まらない。
そして二人は手を振り、ゲートを潜った。
.........
「……みんな、仕事だよ」
影と指輪から、軍団を召喚する。
涼、風雷コンビ、そして構成員たちは今や総勢45名。
黒いスーツの集団が、ダンジョンの冷たい空気の中に整列する。
「Aチーム:俺、透、構成員11名」
「Bチーム:涼、構成員12名」
「Cチーム:フウ、構成員11名」
「Dチーム:ライ、構成員11名」
「BからDは9層から10層でレベリング。Aチームは1層からスタートして、透のリハビリを兼ねる。……みんな、無理のないようにね。じゃあ、行こう!」
新生ひより組、その初陣の幕が上がった。
さすがの暑さに、新調した魔銀のスーツをバッグに仕舞ったひよりは、神楽坂の駅前で待ち合わせをしていた。
「おまたせ。なかなか今日も暑いな……」
現れたのは、薄着のスポーティな服にマジックバッグを背負った透だった。
「ほんとだね。病室にいると外の気温とか感じないでしょ?」
「ふふ、そうだね。でも、この熱気すら今は心地いいよ」
そんな雑談をしながら、ひよりたちは小林鍛冶店へと向かった。
.........
「小林さん! 取りにきました。鬼灯は……どうですか?」
店内に踏み込むなり問いかけるひよりに、小林さんは新聞から目を上げ、不敵に笑った。
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差し出された愛刀を受け取り、ゆっくりと鞘から抜く。
――息を呑んだ。 黒みがかった刃に、光の加減で燃えるような赤が浮かび上がる。
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深くお辞儀をするひよりに、小林も満足げな笑顔を浮かべていた。
………
そのままダンジョンへと向かう。受付には妃那がいた。
「三上さん、お久しぶりです! 結局デートすっぽかされてるんですけど、連れて行ってくれないんですか?」
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「姉をご存知なんですね! 姉妹共々、よろしくお願いします」
挨拶を交わしていると、聞き慣れた声が響いた。
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「そんな……俺は仲間だと思ってるから。じゃあ、敬語は抜きで!」
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他の探索者たちとも交流を終え、二人は更衣室で装備を整えた。
バッグから出した魔銀の防刃スーツ。
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ホルスターには、強化した『銀月 (朔)』と、進化した『鬼灯 (焔)』。
準備を終えて出てきた透を見て、ひよりは思わず足を止めた。
真っ黒な黒金の防刃スーツに、知的な煌めきを放つ片眼鏡(モノクル)。
そして背中には、身長を大きく超える魔銃『Alligator』。
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「やめろって!」
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「三上君の後ろは誰だ?」
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「透! 凄い似合ってるな、かっこいいよ!」
「ありがとう。……だけど林田君、女性には『綺麗だよ』の方がモテるぞ?」
「えっ!? 女……性……!?」
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そして二人は手を振り、ゲートを潜った。
.........
「……みんな、仕事だよ」
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涼、風雷コンビ、そして構成員たちは今や総勢45名。
黒いスーツの集団が、ダンジョンの冷たい空気の中に整列する。
「Aチーム:俺、透、構成員11名」
「Bチーム:涼、構成員12名」
「Cチーム:フウ、構成員11名」
「Dチーム:ライ、構成員11名」
「BからDは9層から10層でレベリング。Aチームは1層からスタートして、透のリハビリを兼ねる。……みんな、無理のないようにね。じゃあ、行こう!」
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