27 / 55
#25 たまに時間差で来ることがある
しおりを挟む
こんにちは、給料日です。
「はい、おつかれさま。助かったよ。また機会があったらぜひ来てね」
「ありがとうございます」
わーい、やっとお金が手に入ったよー! 宿代と食事代天引きされるし短期だからそんなに額があるわけじゃないけど、帰りにさっそくラアルさまの帽子と服を手に入れた。これでやっと普通の格好ができる。
(あれから変なちょっかいを受けることもなくなったし)
うきうきとわたしは考える。
白昼堂々、コセムくんが盛大に懲らしめてくれたからなのか、おかげで気持ちよく短期労働契約を完走できました。されど、人づてに情報が伝わるということは、当然アレクくんの耳にも入るわけで。
「習熟適性が四つ……?」
「うん、そう言ってたよ」
「……」
何かを言おうとするように一度だけ口を開いて、けれど結局アレクくんはうつむいてしまう。宵の口ということもあって、あちこちから香ってくる焼き物や香辛料のにおいが空腹にしみるようだった。アレクくんの横顔を見、わたしはふと思いだす。
(そういえばアレクくんの友だちの話って聞いたことなかったな)
村を出て二年一人で旅をしていると言っていた。そのときちょっとあれ? とは思ったんだよね。ほら、ゲームとかだとだいたいパーティ組むじゃんね。コセムくんも勇者と行動してるって言ってたし。
(コセムくんのこと、知ってるのかな?)
詮索はよくないと思いつつも、じっと物思いにふけるような彼についわたしは考えてしまう。ふと自分がアレクくん自身のことについてほとんど知らないことに気づいた。
(お互いに避けてたからなあ)
わたしは自分の、こと悪役令嬢であることを彼に知られたくなかったし、アレクくんも必要以上に自分のことについて話そうとはしなかった。
――俺は弱いけど……勇者としてはゴミで、どうしようもなくちっぽけで、使えないのかもしれないけど。きみの盾くらいには、なれるよ
五番聖都でも思ったけど、アレクくんてちょっと自己評価低いとこあるよね。すごい治癒魔法を使えるんだからもっとそれを誇ればいいのにと思う。やさしいところとか物を大事にするところとか、話も上手だし料理だって上手だ。身長もあるし、目立たないだけで実は結構整った顔だちをしている。
(それだ!)
勢いわたしは手を鳴らした。渋るアレクくんをなんとか説き伏せて先に宿に戻ってもらうと、目指すお店に向かう。
素材屋という、武器・防具専門のお店だ。冒険者たちが持ち込んだ素材を買い、その素材で強力な武器や防具を作る。テイラーと呼ばれているようだ。
(ずっとお世話になってるんだし、この機会にプレゼントしてもいいよね)
通りに面しているお店のなかはランタンで照らされて、所狭しと品物が置かれている。イドの町では一人でずっと爆笑してる剣とか目玉がぎょろぎょろしてるリボンとかがあって怖くなって出ちゃったんだけど、ここは普通の品物が多いようだった。熱心に短剣を物色している冒険者らしきお客さんの後ろを通り、わたしは小物コーナーに向かう。
「うれしいなあ、一般のお客さんってめったに来てくれないんだよねー。こわがっちゃって」
さっそく金額の桁にびっくりしてたら、お店の人に話しかけられた。
「毎日同じ素材が入ってくるとは限らないからどうしても時価になっちゃうんだよねー」
曰く、テイラーの仕入れは完全に冒険者任せで、その日に持ち込まれた素材がすべてなのだそうだ。だから店頭に並ぶ商品も日替わりになるし、価格も安定しない。
何かお探しですか? と問われ、わたしは答えた。
「えっと、邪魔にならない程度の装身具的な」
あと価格がお手頃だとうれしいです。
とは言わないでおく。それでも察してくれたようで、お店の人がくすっと笑った。たぶんそういうお客さんが多いんだろう。
「それなら、フィブラとかどう?」
「フィブラ?」
「マントの留め具って言ったらわかるかなー。素材の余りで作ってあんの。なるべく余りがでないようにするのもテイラーとしての腕なんだけどねー」
そういえばおかみさんのお店でも「まかない」と称して食材の余りでごはんを作ってもらったななどとわたしは思いだす。ぐう、とおなかが鳴った。
「たとえばこれ。法賢の血っていう、ようは魔力の塊なんだけど、それを埋め込んであるから一回だけ誰でも魔法が使えます」
お店の人が一つ一つ手に取って説明してくれた。土台パーツは主に金属や鉱石、木材などで、たまに骨や皮でも作るそうだ。デザインはシンプルなものが多くて、わたしはアレクくんを思い浮かべながら商品を見ていく。そのうちに一つが目に留まった。
「それはね、一度だけ持ち主の身代わりになってくれる効果があるよ。もしお守り替わりに贈るなら一番おすすめ。今なら特別におまけしちゃうよー」
「じゃあこれ、ください」
わたしが選んだのは銀の土台パーツにこまかな細工装飾が入った一番シンプルなフィブラだった。ほかにも綺麗な石がちりばめられたものや羽がついたもの、ロココな感じのデザインなんかもあったけれど、シンプルな方がアレクくんに似合うような気がしたのだ。
お店を出、ほくほくと帰途につく。なんだかんだでテイラーに長居してしまったので、道行く人はまばらだった。アレクくんたち心配してるかなと思いながら歩いていたときだった。突然横から腕を引かれ、わたしは見覚えのある赤い髪の男と対面する。
「アウス」
「悪いな、これで全部だ」
ド、と胸を打たれたような衝撃があって。
気づくとわたしは暗い路地裏に倒れていた。ぼやけていく視界に、じわじわと広がっていく赤い血だまりが見える。それから、アレクくんのために買ったフィブラが。
やがてわたしの意識はフェイドアウトしていったのだった。
――BAD END――
▽オートセーブ地点からスキップしますか?
(ちょっと待てええええええいッ!)
あああぁーーーー油断したーーーーーッッ!
「はい、おつかれさま。助かったよ。また機会があったらぜひ来てね」
「ありがとうございます」
わーい、やっとお金が手に入ったよー! 宿代と食事代天引きされるし短期だからそんなに額があるわけじゃないけど、帰りにさっそくラアルさまの帽子と服を手に入れた。これでやっと普通の格好ができる。
(あれから変なちょっかいを受けることもなくなったし)
うきうきとわたしは考える。
白昼堂々、コセムくんが盛大に懲らしめてくれたからなのか、おかげで気持ちよく短期労働契約を完走できました。されど、人づてに情報が伝わるということは、当然アレクくんの耳にも入るわけで。
「習熟適性が四つ……?」
「うん、そう言ってたよ」
「……」
何かを言おうとするように一度だけ口を開いて、けれど結局アレクくんはうつむいてしまう。宵の口ということもあって、あちこちから香ってくる焼き物や香辛料のにおいが空腹にしみるようだった。アレクくんの横顔を見、わたしはふと思いだす。
(そういえばアレクくんの友だちの話って聞いたことなかったな)
村を出て二年一人で旅をしていると言っていた。そのときちょっとあれ? とは思ったんだよね。ほら、ゲームとかだとだいたいパーティ組むじゃんね。コセムくんも勇者と行動してるって言ってたし。
(コセムくんのこと、知ってるのかな?)
詮索はよくないと思いつつも、じっと物思いにふけるような彼についわたしは考えてしまう。ふと自分がアレクくん自身のことについてほとんど知らないことに気づいた。
(お互いに避けてたからなあ)
わたしは自分の、こと悪役令嬢であることを彼に知られたくなかったし、アレクくんも必要以上に自分のことについて話そうとはしなかった。
――俺は弱いけど……勇者としてはゴミで、どうしようもなくちっぽけで、使えないのかもしれないけど。きみの盾くらいには、なれるよ
五番聖都でも思ったけど、アレクくんてちょっと自己評価低いとこあるよね。すごい治癒魔法を使えるんだからもっとそれを誇ればいいのにと思う。やさしいところとか物を大事にするところとか、話も上手だし料理だって上手だ。身長もあるし、目立たないだけで実は結構整った顔だちをしている。
(それだ!)
勢いわたしは手を鳴らした。渋るアレクくんをなんとか説き伏せて先に宿に戻ってもらうと、目指すお店に向かう。
素材屋という、武器・防具専門のお店だ。冒険者たちが持ち込んだ素材を買い、その素材で強力な武器や防具を作る。テイラーと呼ばれているようだ。
(ずっとお世話になってるんだし、この機会にプレゼントしてもいいよね)
通りに面しているお店のなかはランタンで照らされて、所狭しと品物が置かれている。イドの町では一人でずっと爆笑してる剣とか目玉がぎょろぎょろしてるリボンとかがあって怖くなって出ちゃったんだけど、ここは普通の品物が多いようだった。熱心に短剣を物色している冒険者らしきお客さんの後ろを通り、わたしは小物コーナーに向かう。
「うれしいなあ、一般のお客さんってめったに来てくれないんだよねー。こわがっちゃって」
さっそく金額の桁にびっくりしてたら、お店の人に話しかけられた。
「毎日同じ素材が入ってくるとは限らないからどうしても時価になっちゃうんだよねー」
曰く、テイラーの仕入れは完全に冒険者任せで、その日に持ち込まれた素材がすべてなのだそうだ。だから店頭に並ぶ商品も日替わりになるし、価格も安定しない。
何かお探しですか? と問われ、わたしは答えた。
「えっと、邪魔にならない程度の装身具的な」
あと価格がお手頃だとうれしいです。
とは言わないでおく。それでも察してくれたようで、お店の人がくすっと笑った。たぶんそういうお客さんが多いんだろう。
「それなら、フィブラとかどう?」
「フィブラ?」
「マントの留め具って言ったらわかるかなー。素材の余りで作ってあんの。なるべく余りがでないようにするのもテイラーとしての腕なんだけどねー」
そういえばおかみさんのお店でも「まかない」と称して食材の余りでごはんを作ってもらったななどとわたしは思いだす。ぐう、とおなかが鳴った。
「たとえばこれ。法賢の血っていう、ようは魔力の塊なんだけど、それを埋め込んであるから一回だけ誰でも魔法が使えます」
お店の人が一つ一つ手に取って説明してくれた。土台パーツは主に金属や鉱石、木材などで、たまに骨や皮でも作るそうだ。デザインはシンプルなものが多くて、わたしはアレクくんを思い浮かべながら商品を見ていく。そのうちに一つが目に留まった。
「それはね、一度だけ持ち主の身代わりになってくれる効果があるよ。もしお守り替わりに贈るなら一番おすすめ。今なら特別におまけしちゃうよー」
「じゃあこれ、ください」
わたしが選んだのは銀の土台パーツにこまかな細工装飾が入った一番シンプルなフィブラだった。ほかにも綺麗な石がちりばめられたものや羽がついたもの、ロココな感じのデザインなんかもあったけれど、シンプルな方がアレクくんに似合うような気がしたのだ。
お店を出、ほくほくと帰途につく。なんだかんだでテイラーに長居してしまったので、道行く人はまばらだった。アレクくんたち心配してるかなと思いながら歩いていたときだった。突然横から腕を引かれ、わたしは見覚えのある赤い髪の男と対面する。
「アウス」
「悪いな、これで全部だ」
ド、と胸を打たれたような衝撃があって。
気づくとわたしは暗い路地裏に倒れていた。ぼやけていく視界に、じわじわと広がっていく赤い血だまりが見える。それから、アレクくんのために買ったフィブラが。
やがてわたしの意識はフェイドアウトしていったのだった。
――BAD END――
▽オートセーブ地点からスキップしますか?
(ちょっと待てええええええいッ!)
あああぁーーーー油断したーーーーーッッ!
0
あなたにおすすめの小説
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波@ジゼルの錬金飴③発売中
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる