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HO1.天啓の拒絶(3話)
1.天啓の夢
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ハローワークか転職サイトか。
と言うところで迷いながら、結局は両方で求人票を見ている神林杏は、この日はハローワークに来て求人票を見ていた。自分と同じように、求人票を探しに来た無職か、あるいは現職にうんざりした人々が、キーボードを叩いたり、マウスをクリックする音が響く。ブースでは相談している求職者と職員のやりとりが聞こえてきていたが、聞き耳でも立てなければ何を話しているかはわからないし、その必要はない。
(この会社、去年も求人票出してたな)
仕事自体には前から嫌気が差していた杏は、退職を決意する前からハローワークの求人票をインターネットから閲覧していた。確かこの会社の求人票は去年も出ていた筈だ。全く同じ職種、条件かは覚えていないが。あまりにも長い間、あるいは頻繁に求人票を出している会社は離職率が高い、と言われている。実際にそうだろうとも思う。まさしく今の会社がそうだから。
杏は有給休暇消化中である。色々あって、現在も籍のある会社に退職届を出し受理されたが、次を決める前に退職の決断をしてしまったので現在もっぱら就職活動中なのだ。
(高望みしなければすぐ決まるだろうけど)
また、似たような会社に入ってしまったら……と思うと二の足を踏んでしまう。生活のこともあるから給料や待遇のことも気になる。そういう意味では、転職サイトやエージェントを利用した方が良いのだろうが、だからと言って合っている会社に必ず入れる訳でもない。そもそも、面接した人事や所属長と相性が良くても、実際に一緒に仕事をする先輩社員と気が合わないなんて事はいくらでもあるので。
ひとまず求人票を何枚か印刷して、自宅でじっくり調べようと杏はハローワークを出た。
「こんにちは」
そこで声を掛けられる。またか。杏はうんざりした。
ハローワークの前には、保険の勧誘が立っていると聞いたことはあるが、まさしく杏はここのところ、ハローワークに来る度に勧誘されている。これから職を失うと言うのに保険に入っている場合ではない。既に加入している保険にも保険料を支払うと言うのに。その上、退職日前に次の仕事が決まらなければ社会保険から国民健康保険に切り替わり、そちらも支払いが発生する。
しかし、この日、杏に声を掛けてきたのは、スーツの保険外交員ではなかった。私服の、身なりの良い男性だった。ぽかん、として相手を見てしまう。
「仕事がないんですよね?」
「え、ええ、まあ」
厳密にはこれからなくなるのだが、似たような物だ。あまり相手をしない方が良い予感を覚える。杏が去就に迷っている間に、相手は一歩前に進み出て、
「自分は転職エージェントなんです。仕事がない人を救ってあげたくて」
「とてもそうは見えませんが」
思わず言ってしまった。服装もそうだが、どう見ても「相談」と言うか、双方向のコミュニケーションが取れるタイプに見えない。
「これからなるんです」
「どういう意味でしょう」
明らかに何かがおかしい。こちらと同じ常識で話していないような、そんな印象を受ける。本能的に恐怖を感じた。
「どんなお仕事に興味がおありでしょうか? 私の使命として、お手伝いをさせてください」
笑顔のまま、更に一歩こちらに向かってくる。
「考え中です」
杏はその場から逃げ出した。
アパートの自室に帰ると、まだ胸に恐怖の芯が残っている様な気分だった。
(もしかして、何か悩みでもあるのだろうか)
悩みに悩んだ結果、解決からほど遠い手段に走ってしまうことはある。ストレスでそうなってしまい、退職した同僚も見てきた。杏も、そうなる前に辞めた、と言うのが正しい。二十八年生きてきたが、こんなのはまだ序の口なのだろう。
次に会ったらハローワークから注意して貰おう。敷地内でやっているわけだし。そういえば、保険の外交員のことも言っていなかったな。ついでだから報告しておこう。杏はそんな決意をして、目を閉じる。
そんなことを考えながら寝たのがいけなかったのだろうか。杏はおかしな夢を見た。
渋谷のスクランブル交差点、そのちょうど真ん中辺りにいる。こんなところに立っていて良いはずはないのだが、周りは杏には目もくれず、お構いなしで足早に歩いて行く。一人だけこんな所に立っていれば、何人かはこちらを見そうなものだが、まるで誰も杏が見えていないかの様だ。「都会の人は他人に無関心」だけでは説明が付かないほどに、見られていない。
よく晴れていたが、不思議と暑さは感じなかった。だからと言って寒くもない。ビルに切り取られた青空はすがすがしい水色だ。
杏が呆けて周り
を見回していると、不意に空から声がした。
『あなたに使命を与えます』
男とも、女とも付かない声だ。そもそも、日本語であるか、否、人間の言葉であるかどうかも怪しい。
「使命?」
『あなたに使命を与えます』
声は囁く。杏は途方に暮れながらもその声に耳を傾けた。
「使命とは何ですか?」
『地球の人類は実に愚かです。一度リセットせねばなりません』
ずいぶんと大きな話だ。
けれど、人間がかなり愚かであることは杏も同意する。もちろん自分も含めて。
『だからあなたに使命を与えます』
『人類を滅ぼしなさい』
『それが、人類に対する救済になるのですから』
『我々の代行として人類を滅ぼし、救済なさい』
いつの間にか、周りに人はいなくなっていた。
ああ、そうか。腑に落ちる感覚を覚えて、杏は感心した。
それはとても正しい。
滅べばこんなに苦しまなくて済む。
滅べば、社会がなくなれば、会社がなくなれば、労働がなくなれば。
助けてあげられなかった同僚や先輩たちも、苦しまなくて済む。
もちろん、僕も。
杏はそんな確信を強く抱いた。
心にじわじわと何かが染み入ってくる感覚。これが『使命』なのか。
この『使命』に従って人類を滅ぼす。
これは『救済』であるから後ろめたいことなどない。
そんな心地良さに身を委ねそうになったその時。
『私の使命として、お手伝いをさせてください』
昼に聞いた、あの自称転職エージェントの声が、不意に蘇る。
『使命』。
それは本当に正しいのだろうか。
『人類を滅ぼしなさい。これは救済なのですから』
彼に対して覚えた、強烈な違和感が、杏の心をとどめる。
同じく、その時の恐怖もまざまざと立ち上がり、杏と『使命』の間に割り込んだ。
恐怖に刺激されて、声に対する拒否感が惹起される。
「お断りします」
杏は『使命』を拒絶した。心の中に食い込んでいたそれがするすると抜け出していく感覚もある。
「他を当たってください」
他を当たって、その人が承諾してもまずいのではないか。そう思ったときには、杏は夢から覚めていた。
さほど汗を掻くような季節でもないのに、寝間着にしているスウェットが汗でびっしょり濡れていた。気持ち悪い。杏は顔をしかめながら起き上がると、着替えながら、おぼろげに記憶に残る夢を反芻する。
自分が人類の救済を託されるなんて、ずいぶんと大それた夢を見たものだ。苦笑いする。
よっぽど、あの自称転職エージェントのインパクトが強かったのだろう。
(やっぱり、次見かけたらちゃんとハロワに言わないとな……)
あの人にとっても、良くないのではないだろうか。夢に見た『使命』の、どこかこちらを蝕むような感覚を思い出して、杏は漠然とそんなことを思ったのだった。
印刷した求人票の会社を調べ、候補を絞り、履歴書と、その会社に適していそうな職務経歴書を作った杏は、数日後再びハローワークを訪れた。杏は相談ブースで、相談員に書類などを見て貰い、応募の決意が固まれば紹介状を出して貰う。その紹介状と必要な書類を郵送し、書類選考の結果を待つのだ。
「げ……」
ハローワークの入り口が見えてきたころ、杏は思わず顔をしかめた。
例の自称転職エージェントが、入り口近くに立っているのだ。こんな時間から……いや、どのみち、今度会ったらハローワークから注意して貰うように話すつもりだったのだ。それなら早いほうが良いだろう。
とはいえ、この前感じた恐怖や薄気味悪さの様なものを思い出して二の足を踏んでいると、中から誰かが出てきた。どうやら求職者らしい。自称エージェントはその人に声を掛ける。杏と同じく、既に何度か声を掛けていたらしく、求職者の方は「またあなたですか!」と声を荒げた。こちらには気付いていないらしい。杏は自転車置き場の自転車を探す振りをしながら少し近付いた。皆、なんて言って断っているんだろう。
夢の中で、『使命』を拒絶した成功体験が、杏にそういう生兵法のような自信を付けてしまっている。それに気付かないまま、彼は耳をそばだてた。
「だから結構ですって言ってるじゃないですか。あなたに頼まないからハロワに来てるんですよ」
求職者は毅然とした態度で断っている。声に苛立ちが滲んでいたが、それは得体の知れない相手に対する恐怖心もあるのだろう。気味が悪い。早くどこかに行って欲しい。そういう拒絶の態度だ。
「そう仰らず。これは私の使命です。将来の不安からあなたを救済したくて」
「『私の将来』の不安があなたにわかるんですかぁ!?」
求職者はいよいよ怒り出した。その時だった。
「その『使命』、誰から言われたんでしょうか?」
涼しげな女性の声が割り込んだ。
と言うところで迷いながら、結局は両方で求人票を見ている神林杏は、この日はハローワークに来て求人票を見ていた。自分と同じように、求人票を探しに来た無職か、あるいは現職にうんざりした人々が、キーボードを叩いたり、マウスをクリックする音が響く。ブースでは相談している求職者と職員のやりとりが聞こえてきていたが、聞き耳でも立てなければ何を話しているかはわからないし、その必要はない。
(この会社、去年も求人票出してたな)
仕事自体には前から嫌気が差していた杏は、退職を決意する前からハローワークの求人票をインターネットから閲覧していた。確かこの会社の求人票は去年も出ていた筈だ。全く同じ職種、条件かは覚えていないが。あまりにも長い間、あるいは頻繁に求人票を出している会社は離職率が高い、と言われている。実際にそうだろうとも思う。まさしく今の会社がそうだから。
杏は有給休暇消化中である。色々あって、現在も籍のある会社に退職届を出し受理されたが、次を決める前に退職の決断をしてしまったので現在もっぱら就職活動中なのだ。
(高望みしなければすぐ決まるだろうけど)
また、似たような会社に入ってしまったら……と思うと二の足を踏んでしまう。生活のこともあるから給料や待遇のことも気になる。そういう意味では、転職サイトやエージェントを利用した方が良いのだろうが、だからと言って合っている会社に必ず入れる訳でもない。そもそも、面接した人事や所属長と相性が良くても、実際に一緒に仕事をする先輩社員と気が合わないなんて事はいくらでもあるので。
ひとまず求人票を何枚か印刷して、自宅でじっくり調べようと杏はハローワークを出た。
「こんにちは」
そこで声を掛けられる。またか。杏はうんざりした。
ハローワークの前には、保険の勧誘が立っていると聞いたことはあるが、まさしく杏はここのところ、ハローワークに来る度に勧誘されている。これから職を失うと言うのに保険に入っている場合ではない。既に加入している保険にも保険料を支払うと言うのに。その上、退職日前に次の仕事が決まらなければ社会保険から国民健康保険に切り替わり、そちらも支払いが発生する。
しかし、この日、杏に声を掛けてきたのは、スーツの保険外交員ではなかった。私服の、身なりの良い男性だった。ぽかん、として相手を見てしまう。
「仕事がないんですよね?」
「え、ええ、まあ」
厳密にはこれからなくなるのだが、似たような物だ。あまり相手をしない方が良い予感を覚える。杏が去就に迷っている間に、相手は一歩前に進み出て、
「自分は転職エージェントなんです。仕事がない人を救ってあげたくて」
「とてもそうは見えませんが」
思わず言ってしまった。服装もそうだが、どう見ても「相談」と言うか、双方向のコミュニケーションが取れるタイプに見えない。
「これからなるんです」
「どういう意味でしょう」
明らかに何かがおかしい。こちらと同じ常識で話していないような、そんな印象を受ける。本能的に恐怖を感じた。
「どんなお仕事に興味がおありでしょうか? 私の使命として、お手伝いをさせてください」
笑顔のまま、更に一歩こちらに向かってくる。
「考え中です」
杏はその場から逃げ出した。
アパートの自室に帰ると、まだ胸に恐怖の芯が残っている様な気分だった。
(もしかして、何か悩みでもあるのだろうか)
悩みに悩んだ結果、解決からほど遠い手段に走ってしまうことはある。ストレスでそうなってしまい、退職した同僚も見てきた。杏も、そうなる前に辞めた、と言うのが正しい。二十八年生きてきたが、こんなのはまだ序の口なのだろう。
次に会ったらハローワークから注意して貰おう。敷地内でやっているわけだし。そういえば、保険の外交員のことも言っていなかったな。ついでだから報告しておこう。杏はそんな決意をして、目を閉じる。
そんなことを考えながら寝たのがいけなかったのだろうか。杏はおかしな夢を見た。
渋谷のスクランブル交差点、そのちょうど真ん中辺りにいる。こんなところに立っていて良いはずはないのだが、周りは杏には目もくれず、お構いなしで足早に歩いて行く。一人だけこんな所に立っていれば、何人かはこちらを見そうなものだが、まるで誰も杏が見えていないかの様だ。「都会の人は他人に無関心」だけでは説明が付かないほどに、見られていない。
よく晴れていたが、不思議と暑さは感じなかった。だからと言って寒くもない。ビルに切り取られた青空はすがすがしい水色だ。
杏が呆けて周り
を見回していると、不意に空から声がした。
『あなたに使命を与えます』
男とも、女とも付かない声だ。そもそも、日本語であるか、否、人間の言葉であるかどうかも怪しい。
「使命?」
『あなたに使命を与えます』
声は囁く。杏は途方に暮れながらもその声に耳を傾けた。
「使命とは何ですか?」
『地球の人類は実に愚かです。一度リセットせねばなりません』
ずいぶんと大きな話だ。
けれど、人間がかなり愚かであることは杏も同意する。もちろん自分も含めて。
『だからあなたに使命を与えます』
『人類を滅ぼしなさい』
『それが、人類に対する救済になるのですから』
『我々の代行として人類を滅ぼし、救済なさい』
いつの間にか、周りに人はいなくなっていた。
ああ、そうか。腑に落ちる感覚を覚えて、杏は感心した。
それはとても正しい。
滅べばこんなに苦しまなくて済む。
滅べば、社会がなくなれば、会社がなくなれば、労働がなくなれば。
助けてあげられなかった同僚や先輩たちも、苦しまなくて済む。
もちろん、僕も。
杏はそんな確信を強く抱いた。
心にじわじわと何かが染み入ってくる感覚。これが『使命』なのか。
この『使命』に従って人類を滅ぼす。
これは『救済』であるから後ろめたいことなどない。
そんな心地良さに身を委ねそうになったその時。
『私の使命として、お手伝いをさせてください』
昼に聞いた、あの自称転職エージェントの声が、不意に蘇る。
『使命』。
それは本当に正しいのだろうか。
『人類を滅ぼしなさい。これは救済なのですから』
彼に対して覚えた、強烈な違和感が、杏の心をとどめる。
同じく、その時の恐怖もまざまざと立ち上がり、杏と『使命』の間に割り込んだ。
恐怖に刺激されて、声に対する拒否感が惹起される。
「お断りします」
杏は『使命』を拒絶した。心の中に食い込んでいたそれがするすると抜け出していく感覚もある。
「他を当たってください」
他を当たって、その人が承諾してもまずいのではないか。そう思ったときには、杏は夢から覚めていた。
さほど汗を掻くような季節でもないのに、寝間着にしているスウェットが汗でびっしょり濡れていた。気持ち悪い。杏は顔をしかめながら起き上がると、着替えながら、おぼろげに記憶に残る夢を反芻する。
自分が人類の救済を託されるなんて、ずいぶんと大それた夢を見たものだ。苦笑いする。
よっぽど、あの自称転職エージェントのインパクトが強かったのだろう。
(やっぱり、次見かけたらちゃんとハロワに言わないとな……)
あの人にとっても、良くないのではないだろうか。夢に見た『使命』の、どこかこちらを蝕むような感覚を思い出して、杏は漠然とそんなことを思ったのだった。
印刷した求人票の会社を調べ、候補を絞り、履歴書と、その会社に適していそうな職務経歴書を作った杏は、数日後再びハローワークを訪れた。杏は相談ブースで、相談員に書類などを見て貰い、応募の決意が固まれば紹介状を出して貰う。その紹介状と必要な書類を郵送し、書類選考の結果を待つのだ。
「げ……」
ハローワークの入り口が見えてきたころ、杏は思わず顔をしかめた。
例の自称転職エージェントが、入り口近くに立っているのだ。こんな時間から……いや、どのみち、今度会ったらハローワークから注意して貰うように話すつもりだったのだ。それなら早いほうが良いだろう。
とはいえ、この前感じた恐怖や薄気味悪さの様なものを思い出して二の足を踏んでいると、中から誰かが出てきた。どうやら求職者らしい。自称エージェントはその人に声を掛ける。杏と同じく、既に何度か声を掛けていたらしく、求職者の方は「またあなたですか!」と声を荒げた。こちらには気付いていないらしい。杏は自転車置き場の自転車を探す振りをしながら少し近付いた。皆、なんて言って断っているんだろう。
夢の中で、『使命』を拒絶した成功体験が、杏にそういう生兵法のような自信を付けてしまっている。それに気付かないまま、彼は耳をそばだてた。
「だから結構ですって言ってるじゃないですか。あなたに頼まないからハロワに来てるんですよ」
求職者は毅然とした態度で断っている。声に苛立ちが滲んでいたが、それは得体の知れない相手に対する恐怖心もあるのだろう。気味が悪い。早くどこかに行って欲しい。そういう拒絶の態度だ。
「そう仰らず。これは私の使命です。将来の不安からあなたを救済したくて」
「『私の将来』の不安があなたにわかるんですかぁ!?」
求職者はいよいよ怒り出した。その時だった。
「その『使命』、誰から言われたんでしょうか?」
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