【完結】魔王倒して元の世界に戻るはずが朝鮮時代になりそこで側室になりました

ぅ→。

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世子の苦しみ

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謀反から一夜が開けた。夜通し拷問は行われてる。

「無法者たちがチャン・ヒジェの名前を出しました」 
「そう」

王様の言う通り犯人は南人派なのね。

「チャン・ヒジェは捕まったの?」  
「はい。チャン・ヒジェは勿論のこと、その母のオク氏も捕えました」
「禧嬪様は?」
「禧嬪様は謹慎になりました。禧嬪様の女官たちも尋問に掛けられます。禧嬪様の宮は義禁府ウィグムブに囲われてます」
「世子様は?」

母を大事に思っていた世子様は今はどんな心情だろうか?

「世子様は東宮殿からお出になられてないので、私も存じ上げてません」

世子様はまだ13歳。放っておくなんて出来ないわよね。

「世子様のところに行くわ」

東宮殿に行くと、內侍ネシや女官たちの顔色が悪かった。

「世子様は中にいるの?」
「はい。ですが、事件を知ってから塞ぎ込んでおられまして」
「通してもらえる?」
「はい」

內侍が私が来たことを外から伝えるが世子様の反応はない。黙って入るのは無礼だが、このままでは埒が明かない。悪いが入らせてもらおう。

中に入ると世子様は涙を流していた。

「世子様」
「昭儀様……」

世子様の側に行き肩を撫でる。

「私が悪いのです。私が立派な世子であれば母上も伯父上もこのようなことは……」
「それは違います。世子様は立派な世子様です」
「昭儀様、何とか母上を助けていただけませんか?命さえ助けていただければ私はどうなってもよいのです」

謀反を起こした人を助けるなんて、そんな方法はない。そして、そんなことをすれば王権が揺らぐ。どんなに辛くても受け入れるしかないのだ。

「昭儀様!昭儀様は父上の寵愛を一身に受けてます。だから昭儀様が頼んでくれれば父上もお考えを変えるかもしれません」
「世子様、それはないでしょう。私の願いでも王様は決定します。私はこの国に来てまだ日は浅いですが、王様の治世を学びました。王様は王権を強めるために今まで色々対策してきてます。それをここで変えるようなことはなさらないかと思います」
「昭儀様……」
「世子様は燕山君ヨンサングンと同じく母を父に殺された息子になるかもしれません。それでも燕山君のように暴君にはならず聖君になるのです」
「昭儀様……」
「世子様、私は異世界で沢山の皇帝や国王に会ってきました。時に仕方なく身内を処刑しなければならない皇帝や国王もいました。皆、心苦しくその決定をくださいました。皇帝とは国王とは何て孤独な存在であろうかと思いました。真に皇帝や国王のことを考えるのはひと握りの人です。ほとんどの人が欲に忠実でした。世子様の母君である禧嬪様もまた欲に忠実だったのです。その欲のため結局は破滅の道へと進んでしまいました。世子様にとってはお辛いことでしょう。ですが、耐えてくださいませ」
「昭儀様、こんなの耐えられません!」
「泣いてもいいのです。暴れてもいいのです。叫んでもいいのです。ただ、御身を大切にしてくれればよいのです」

世子様は声を上げて泣いた。私はただただ肩を摩ることしか出来なかった。
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