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第19話 初めての訪問者
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俺がこの砦を拠点としてから幾日かが過ぎた。
実は初日に石の椅子で寝落ちしたのが原因で腰と尻をひどく痛め、翌朝泣きながら自己ヒールしたのは秘密である。
肝心のリフォーム作業は、砦の外観を変えると目立つので、見た目はそのままで建物全体の素材強度を上げ、内装だけをリフォームすることにして作業。
砦は大槍を室内に立て掛けておく構造の為、天井は余裕をもって5メールほどもあり開放的でとても気に入っている。(ちょっと寒々しいが)
だだっ広い床は石畳が敷き詰められていたが、木目の美しいフローリング材に変更。
場所が余りまくったのでパーテーションを作ってキッチンと休憩室をつくり、残りはでかい応接間のように仕上げてみた。
外からは見えない地下倉庫エリアには大きめのお風呂にゆっくり寛げる寝室を配置した。
実際には魔力で身体クリーニングできるし、睡眠も食事も必要なかったので、これはもう完全に気分の問題だった。
人間らしいと思われる要素を生活環境の中に残しておかないと、自分がまるでロボットのようになってしまいそうで怖かったからである。
ようやく一通り内装が終わりつつあったが、どうにも何か落ち着かない。
こんな広くてスッキリした綺麗な居場所を手に入れられたというのに。
何故か転生前に住んでいた賃貸ボロアパートのぐちゃぐちゃした狭い部屋が妙に懐かしくなってきた。
そこに住んでいる時は「こんな狭いとこ、もううんざりだぁ~!」なんて思っていたのになぁ。
「あ」
俺は思い出してしまった。
「 …そういえば、俺の部屋はあれからどうなったんだ!?」
「魔力でリフォームしている時も、自宅のクソデカ自作PCから送られてくる処理パワーを感じてはいたけど…」
「そ、そろそろ電気代だって払わないとやばい時期なのでは…」
「それに今は問題なく通電していても、地震や停電で一度シャットダウンしちゃったら…」
俺は急に不安になった。
この問題って結構やばいのでは!?
もし、PCからの処理パワーが絶たれれば…
単純にパワーダウンするだけで済むのか?
それともパワー供給が絶たれた瞬間、俺はこの世界から消えてしまうのか?
この世界から消えた途端、元の世界へ都合よく戻れるなんてことはあり得るのか?
いやそもそも、現実で俺の肉体はどうなってる!?
なんとなく分かってはいたけど、TAKIDANに転生してからのドタバタ騒ぎで俺は頭がいっぱいいっぱいで考えるのを避けていたのだ。
それが今、少しは落ち着けるようになったことで、記憶が戻るように不安のタネが一斉開花したんだ。
どうする? どうすればいい?
どういう仕組みかわからないけど俺とPC間はまだリンクしている。
けれど今後どうなるかなんて一切の保証はない。
しかし、しかしだ。それらを心配してどうなるっていうんだ?
そもそもPCやそれを管理していた俺自身の肉体は、このTAKIDAN世界とは隔絶された「現実世界」に残されたままなんだぞ。
そしてそこへアクセスする手段は今のところ、全く見当がつかない。
簡単に言えば、もうどうにもならん。お手上げ。
・・・・・
俺は作業をやめて屋上に出た。
元は見張り台があったという場所に座って空を見上げる。
空は抜けるようにどこまでも青い。
現実の空とは違ってちょっと青の濃度が濃すぎるくらいだ。
それに「真空か?」っていうくらい積層された空気の重みというものがない。
これって例えるならアニメ的な表現の空だよなぁ… などと適当なことをぼんやり考えていた。
そんな訳で俺はしばしの現実逃避。
「はぁぁ… 」
またルビアと同じため息をしてしまった。
しかし妙に心が落ち着くのは何故だろう。
そうだ、あいつ…
ルビアって一体どこへ行ってしまったんだ。
ピピ!
その時、俺のマップに反応があった。
念の為に張っておいた結界の手前まで誰かが近づいてきた様だ。
村長? それともザワンドか?
マップ上に現れた訪問者のアイコンをタップすると「村人A」と出た。
「誰!?」
実は初日に石の椅子で寝落ちしたのが原因で腰と尻をひどく痛め、翌朝泣きながら自己ヒールしたのは秘密である。
肝心のリフォーム作業は、砦の外観を変えると目立つので、見た目はそのままで建物全体の素材強度を上げ、内装だけをリフォームすることにして作業。
砦は大槍を室内に立て掛けておく構造の為、天井は余裕をもって5メールほどもあり開放的でとても気に入っている。(ちょっと寒々しいが)
だだっ広い床は石畳が敷き詰められていたが、木目の美しいフローリング材に変更。
場所が余りまくったのでパーテーションを作ってキッチンと休憩室をつくり、残りはでかい応接間のように仕上げてみた。
外からは見えない地下倉庫エリアには大きめのお風呂にゆっくり寛げる寝室を配置した。
実際には魔力で身体クリーニングできるし、睡眠も食事も必要なかったので、これはもう完全に気分の問題だった。
人間らしいと思われる要素を生活環境の中に残しておかないと、自分がまるでロボットのようになってしまいそうで怖かったからである。
ようやく一通り内装が終わりつつあったが、どうにも何か落ち着かない。
こんな広くてスッキリした綺麗な居場所を手に入れられたというのに。
何故か転生前に住んでいた賃貸ボロアパートのぐちゃぐちゃした狭い部屋が妙に懐かしくなってきた。
そこに住んでいる時は「こんな狭いとこ、もううんざりだぁ~!」なんて思っていたのになぁ。
「あ」
俺は思い出してしまった。
「 …そういえば、俺の部屋はあれからどうなったんだ!?」
「魔力でリフォームしている時も、自宅のクソデカ自作PCから送られてくる処理パワーを感じてはいたけど…」
「そ、そろそろ電気代だって払わないとやばい時期なのでは…」
「それに今は問題なく通電していても、地震や停電で一度シャットダウンしちゃったら…」
俺は急に不安になった。
この問題って結構やばいのでは!?
もし、PCからの処理パワーが絶たれれば…
単純にパワーダウンするだけで済むのか?
それともパワー供給が絶たれた瞬間、俺はこの世界から消えてしまうのか?
この世界から消えた途端、元の世界へ都合よく戻れるなんてことはあり得るのか?
いやそもそも、現実で俺の肉体はどうなってる!?
なんとなく分かってはいたけど、TAKIDANに転生してからのドタバタ騒ぎで俺は頭がいっぱいいっぱいで考えるのを避けていたのだ。
それが今、少しは落ち着けるようになったことで、記憶が戻るように不安のタネが一斉開花したんだ。
どうする? どうすればいい?
どういう仕組みかわからないけど俺とPC間はまだリンクしている。
けれど今後どうなるかなんて一切の保証はない。
しかし、しかしだ。それらを心配してどうなるっていうんだ?
そもそもPCやそれを管理していた俺自身の肉体は、このTAKIDAN世界とは隔絶された「現実世界」に残されたままなんだぞ。
そしてそこへアクセスする手段は今のところ、全く見当がつかない。
簡単に言えば、もうどうにもならん。お手上げ。
・・・・・
俺は作業をやめて屋上に出た。
元は見張り台があったという場所に座って空を見上げる。
空は抜けるようにどこまでも青い。
現実の空とは違ってちょっと青の濃度が濃すぎるくらいだ。
それに「真空か?」っていうくらい積層された空気の重みというものがない。
これって例えるならアニメ的な表現の空だよなぁ… などと適当なことをぼんやり考えていた。
そんな訳で俺はしばしの現実逃避。
「はぁぁ… 」
またルビアと同じため息をしてしまった。
しかし妙に心が落ち着くのは何故だろう。
そうだ、あいつ…
ルビアって一体どこへ行ってしまったんだ。
ピピ!
その時、俺のマップに反応があった。
念の為に張っておいた結界の手前まで誰かが近づいてきた様だ。
村長? それともザワンドか?
マップ上に現れた訪問者のアイコンをタップすると「村人A」と出た。
「誰!?」
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